デジタルエンタテイメント断片情報誌

デジタルな話題もそうでない話題も疎らに投稿

読書

閑散とした贅沢と優雅

混んでいないときの飲食店の空気が好きだ。金を払ってそうしたわけでもないのに、貸し切りのような空間・時間がひどく贅沢に感じるのだ。最近仕事帰りに楽しみにしているのは、こんな余暇だ。だが誤解しないで欲しい。私はそれほど忙しい毎日を過ごしてはい…

日本のクラシック・現代音楽シーン把握にも 作曲家・池辺晋一郎の『耳の渚』

池辺晋一郎という作曲家がいる。今、日本で数少なくなったクラシック・現代音楽の作曲家を肩書とする人物である。いや正確には「知名度ある」か。長らく『N響アワー』に出演していたため、その親しみやすいトークと”ダジャレ”で、その点十分かと思う。やや冗…

表現に悩んで書をたぐる

何だか表現に面白みのない、つまらない文章を書いているなと、ふいに思うことがある。それもつまらない悩みだ、というのは置いておいて。大抵、文章を書く調子がいいときである。このネタで色々書きたいんだよな、というときに限って表現が気に食わなくなる…

鯉のぼりと拉鬼(らっき) 日本文化が表現する力強さと色彩の魅力

こどもの日、端午の節句といえば鯉のぼり、そんなイメージで長らく生活してきた。特に成人して以降は驚きも大した喜びもない、毎年の行事、いや祝日の一つである。鯉のぼりを間近で見ることも少なくなり、各地のイベント化しているように思う。今日も全国ど…

帝王でも君主でもありませんが、『貞観政要』の君主論に学ぶ

特段素性は公開していませんが、私は所謂やんごとなき身分ではありません。やんごとなきの定義・認識は色々ありましょうが、学校で学ぶ日本史・世界史や国語の資料集に名前が出てくる人物もしくはその血縁でもないし、偉業を打ち立てた一族郎党がWikipediaに…

天下分け目の楽しみは戦う前から 「関ヶ原の合戦」に思いを馳せる

前哨戦や偽計、撒き餌といった、あらゆる種類の”戦い”の前段階に惹かれる。意味からは逸れるが調略、姦計のような言葉にも痺れる。そしてそれらが何故輝きを増すかと言えば、その後に大きなイベント、ターニングポイントを迎えることになるからだ。 そんな歴…

邦画と特撮、アニメに寄せて 映画『バースデー・ワンダーランド』

休みになにか映画でも、ということで観てきたので感想を。幸いストーリーから感想、評判の類まで、事前に何も目や耳に入れず鑑賞することができました。全てをシャットアウトするのが難しいときも多々ありますが、なるべくね。公開直後の作品を観に行ったの…

ネットの過ごし方と『論破力』

本のタイトルから受ける印象よりもずっと穏やかな内容だ。そして冷静、冷酷と言うより、むしろこの時代ならではの人間味を感じる。本書のテクニックを日常、特にネット上で活かすためには普段の思考、立ち振る舞いを見つめ直すことが重要だ。『論破力』(著…

酒にまつわる社会人心得の本を読む

この時期の書店には「社会人の教科書」・「~が1年目にやっておくべきこと」といった類の本がずらっと並んでいる。古書店の実店舗でも同様の光景を見かける。おそらく新生活の前に、あるいは新生活を迎えた人々が多く手にとっているのだろう。私自身もその一…

海外のビジネスマナーに関する書籍から見出す基本

海外在住・旅行系、ご当地情報系のブログが好きだ。理由は簡単、自分が書かない、知らないネタや情報で溢れているからだ。現地の写真掲載も楽しみの一つ。普段の生活で得難い新鮮味と想像を味わうことができる。これで文章も巧かったりするのだからたまらな…

『ガルパン・ファンブック 月刊戦車道別冊 戦車道学習帳』の感想他雑談

ようやく『最終章』の第2話が観られるな、という時期になって『ガルパン・ファンブック 月刊戦車道別冊 戦車道学習帳』が発売されました。増刊から特別号、号外とコンスタントにファンからお金を搾り取る、いや発売されている『ガールズ&パンツァー』のファ…

世界史をまずは気楽に学び直したい

ニュースを目にしたときや、本を読むときに役に立つ。映画やテレビドラマを観るときも同じく。ゲームで遊ぶときだって、知識があった方が色々と楽しい。もちろん創作活動にもプラスになる。そう、今回は歴史、とりわけ世界史を学び直してみようという話です…

自分のブログをラ・ロシュフコーに斬ってもらう

はてなダイアリーからはてなブログに移行して、更新頻度を変えた。移行してブログのアクセス数が少し増えたからだ。どうせ趣味のブログと気ままに更新していたが、書いたことが検索に引っ掛かって読まれているのならばと、少しやる気になった。記事のバリエ…

気軽に学んで実践も? 論理力の話

最近思うところあって、読書の時間を増やしています。ところが実用書・ビジネス書の類をよく読んでいるせいか、「論理力」や「論理(的)思考」が必要だ、という記述を度々見かけるようになりました。そんなこと至極当然だと言われるかもしれませんが、学生…

『ウルトラマン誕生』 実相寺昭雄と特撮の夢

特撮に何を求めているのですか、と聞かれたら、なんと答えたらよいのか。ふと考えることがあり、久々に『ウルトラマン誕生』(著:実相寺昭雄 ちくま文庫)を読み直していた。 『ウルトラマン』をはじめとした監督として知られ、特にその独特な演出で名前が…

世間の話題を「政治・経済」「倫理」の問題集から学び直してみよう

ニュースや各種SNSを見ていると話題になっている。ちょっと賛同したくなったり、「あれ?」と疑問を抱いたりする。流行りの書籍が気になって読んでみると、言葉や内容についていけなくなる。自分から積極的に話題にしたり、議論したりすることはないが、ポイ…

「それって、○○ってこと?」という問いかけが頭の中でせめぎ合う

意見や相談、説明から感想・考察、そして賞賛と非難等々、何かしらの会話・議論がネット上の各種SNSや掲示板で日々繰り広げられている。ここ、はてなの界隈でも同様だ。そのやり取りに参加することは基本的に、ない。ネットが一般化してきた昨今、自分が考え…

ゴジラの顔 日本の顔

今の日本でゴジラの「顔」というと、どの顔を思い浮かべるのだろうか。 やはり最近ヒットした映画「シン・ゴジラ」の”第4形態”だろうか。それとも原点として語り継がれる1954年の”初代”だろうか。はたまたTOHOシネマズのシンボルとなっている”平成ゴジラシリ…

エッセイの感想とおいしいフランスのパンが食べたい

28日は仕事を休みにしていたので悠々自適に過ごすことができました。普段から急な対応に備えて柔軟に働いており、休みを迎える前に慌てることもありませんでした。もちろん仕事や休暇に対する職場の理解・サポートも十分で、つくづく今の職業には満足してい…

第63回有馬記念に寄せて

今年は競馬関連の記事を少し書いたので、改めて話題にしたい。もちろん、単なるレース回顧や(聞いてもいない)収支報告の記事にしたくないという、多少捻くれた思惑はある。ギャンブルに対して嫌悪感を示す向きには各種事情があるだろうから、広く読まれる…

普段容姿を意識しない職業・人物の”顔出し”は気になるか

とても気になる。記事タイトルを受けて、いきなりスパッとした所感から入ってしまった。具体的にはどう気になるのか。「顔なんて別に見たくないけど、実はちょっと見たい気持ちもある。でも見たら、見なきゃよかったって思うかもしれない」という具合だろう…

「ズルさ」に潜む優しさと堅実さを読む

新書の流行り廃りは分かりやすく、なかなか残酷だ。目につくタイトルと内容の面白さ・明快さで一世を風靡した書籍も、1年、いや1年も経たないうちに中古で底値がつくようになる。爆発的な注目を浴びた著者も続刊で人気が続かないと、売れもせず話題にもなら…

新書『かかわると面倒くさい人』から掻い摘んで

どんな本でも役に立つこと、参考になるポイントはある。そんなことを読み終えて反芻してしまった。本の内容を要約し、ポイントをまとめ、不明な用語を調べたり、メモしておく・・・比較的知られた読書の技法だと思う。論理的思考を鍛える手段としても度々紹…

落語を気軽に楽しんでみる 落語とウルトラマン

もう記事タイトルだけで何となく察したという方にはご明察、と言うより他にない話です。多分あの落語家の話がしたいんでしょ? その通りだよ! いかんいかん、無駄にいきり立ってしまった。アイキャッチ画像でもバレバレか。 落語とウルトラマン 文藝春秋の…

感想・レビューを読んで白けるポイント

自分の趣味や嗜好には感想やレビューの類がつきまとう。音楽・映画鑑賞、TV番組、読書や食べ物⋯。自ら発信することもあるし、やはり他人がどう思い、表現しているかは気になる。世間との意見の一致・不一致だけではなく、対象について納得し、理解を深める機…

「感想」を書く時に気にしていること

”気をつけていること”にしなかったのは、自分でもついやってしまったことがあるからです。音楽から映画、ドラマ、アニメ鑑賞、読書⋯これらの趣味で発信される、あるいは発信する「感想」で、注意していることがある。「面白い」という感想しか書かない、「つ…

忘れたくない「日本のうた」と新書

新書が好きだ。程よい文章量に手軽なサイズ、そしてジャンル不問のラインナップが興味を惹く。そんな新書で自分の趣味、クラシック音楽からたどり着いた「日本のうた」にまつわる内容のものがある。『これでいいのか、にっぽんのうた』と『演歌のススメ』(…

ビールの嗜み方

お題「好きなビール」 未成年者も利用するブログなのに、お題スロットにこんなお題があるのはいかがなものか。まあ、そんな論拠穴だらけが露呈しそうなご意見番を気取ってもしょうがないか。というわけで今回は18禁、はまだ先の、20歳を過ぎてからの記事。記…

戦争と生き方 『「ゴジラ」とわが映画人生』に寄せて

本多猪四郎(1911-1993)という映画監督がいた。『ゴジラ』を始めとした多くの東宝特撮映画で監督を務めた人物だ。最近ヒットした映画『シン・ゴジラ』や『パシフィック・リム』の話題でその名前を見かけた・知った人もいるだろう。その本多猪四郎が生前残し…

作曲家が小説を書く 日記も書く 『プロコフィエフ短編集』

作曲家の書いた文章を読む機会は比較的多い。音楽技法から自作・他作の解説感想、日記、寄稿文⋯現代に近づくにつれて、「文章は読んだことがあるけど、曲は知らない」という認識をされている”本業”作曲家もいるのではないか。そんなところで、作曲家としての…

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