デジタルエンタテイメント断片情報誌

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落語を気軽に楽しんでみる 落語とウルトラマン

もう記事タイトルだけで何となく察したという方にはご明察、と言うより他にない話です。多分あの落語家の話がしたいんでしょ? その通りだよ! いかんいかん、無駄にいきり立ってしまった。アイキャッチ画像でもバレバレか。

落語とウルトラマン

私はウルトラマンが好きである。仮面ライダーも好きだが、どちらかと言えばウルトラマンである。ただ、そんな趣味をこうして記事のネタにし始めたのは、ほんの数年前からだ。現在の趣味から少年期の趣味に回帰したことも大きいが、正直言って、世間の潮流が変わって多様な趣味が格段に表明しやすくなったのが現実生活含めた実感である。

そんなウルトラマンを芸のレパートリーにしている、柳家喬太郎という落語家がいる。ウルトラマンを落語の題材にするだけでなく、古典落語(江戸・大正期から演じられている落語)や他の新作落語も要注目な人気の落語家だ。それこそ『落語事典』で調べないと載っていないような古典落語を発掘して演じたりもするので、毎回何を演ずるか楽しみなのも人気の理由だと思う。

落語事典

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  • 発売日: 1969/04/01
  • メディア: 単行本

わざわざ私などがこんな拙い紹介をしなくとも、と思うが、まだまだ世間では「知らない人は本当に全く知らない人物」という印象がある。2016年に手帳で有名な高橋書店のCMに春風亭昇太(現『笑点』(日本テレビ)の司会)と出演していたが、「メガネの人は笑点に出てる人だけど⋯もう一人の方って?」という具合なのではないか。

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そんな喬太郎師匠だが、ウルトラマンの話題で気になったのなら、まず『ウルトラマン落語』のDVDを勧めたい。落語が好きな人、ウルトラマンが好きな人、どちらも楽しめる内容かと思う。むしろ「ウルトラマンよく知らないし⋯」「落語よくわからない」、みたいな向きでも楽しめるのが喬太郎師匠の落語の魅力である。私など落語の興味から、ウルトラマンに”再会”した、趣味が繋がったクチである。

ウルトラマン落語 [DVD]

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  • 発売日: 2016/10/26
  • メディア: DVD

文藝春秋の落語会で柳家喬太郎を聴く

そんなわけで、10/17に落語会に行ってきた。「文春トークライブ第27回 文藝春秋落語会 柳家喬太郎『落語のらりくらり』」である。都内(東京 四谷)というのも選んだポイントだが、主催が文春という訝しさに惹かれた。スクープされるような人間でもないくせに、文春のビルに入る時は妙な緊張感を抱いてしまい苦笑。

喬太郎師匠は所謂「気にしい」だそうで、SNS等であることないこと書かれたりするのはあまり良い気がしない性分のご様子*1。なので、ちょっと淡々と、誤認のないようにまとめておこう。まあこんな場末の記事で、自意識過剰にも程があるかもしれないが。

長めの「マクラ」が大変面白かった。週刊文春もネタにするし、話題の漫画・ドラマ『昭和元禄落語心中』(ドラマは喬太郎師匠が落語監修)にも触れてくれて大満足。前半は古典落語『居残り佐平次』。相変わらず表情からメタな台詞まで楽しませてもらった。

紙切りの林家二楽師匠も凄い。私は寄席・ホール落語どちらも好きだが、こういう芸を観るとやはり寄席に行きたくなる。

そして最後の噺が『ウルトラのつる』! やったね! 前座噺で聴くことが多い『つる』を『帰ってきたウルトラマン』*2を題材に改造(ヤプール風に)した噺。人から教わって実践してみたら失敗、の古典的なパターンの噺だが、何度聴いても好きな噺。前述の通り、ウルトラマンを知らなくても十分楽しめるし、知っていれば尚楽しいのは、さすが腕に覚えありの一言。


そんな感じで落語とウルトラマンを堪能させてもらった。また聴きに行きたいなあ。こんな趣味の接点・間口もいかが。

*1:落語教育委員会(東京書籍)という本でも少し触れている。

*2:『帰ってきたウルトラマン』の名称について、諸説・各自こだわり色々あるが、それも取り入れている。ニクいねえ。

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