デジタルエンタテイメント断片情報誌

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天下分け目の楽しみは戦う前から 「関ヶ原の合戦」に思いを馳せる

前哨戦や偽計、撒き餌といった、あらゆる種類の”戦い”の前段階に惹かれる。意味からは逸れるが調略、姦計のような言葉にも痺れる。

そしてそれらが何故輝きを増すかと言えば、その後に大きなイベント、ターニングポイントを迎えることになるからだ。


そんな歴史上の戦いの一つが、「関ヶ原の合戦」(1600年)なのだと思う。

教科書だと大抵、石田三成(五奉行)対家康、その後の豊臣家滅亡の流れで重要な語句として流される。年号も覚えやすくてしょうがない。だがこの時代を題材にした小説、ドラマでは欠くことのできない出来事だと思う。

そんな関ヶ原の合戦を本能寺の変後、豊臣秀吉の天下統一から一連の歴史の流れとして解説、分析した本を手にとって久しい。『関ケ原合戦―家康の戦略と幕藩体制』(著:笠谷和比古 講談社選書メチエ、講談社学術文庫)のことである。現在は文庫版で発売されている。

関ヶ原合戦  家康の戦略と幕藩体制 (講談社学術文庫)

関ヶ原合戦 家康の戦略と幕藩体制 (講談社学術文庫)

特筆すべきは小説やドラマといった創作でデフォルメされるか、またはスポットライトを浴びにくい、

  • 家康暗殺計画と石田三成襲撃
  • 吉川、毛利と徳川家康の関係
  • 岐阜城攻めの意義

これらについての研究を筆者が各種資料を手繰って、解明・論証している点である。本書で見識を得ると、その後の各大名・武将の働きを見る目が変わるし、創作と学問的研究の違いにも大いに興味が沸くのではないかと思う。ちなみに徳川秀忠の遅参についても単なる”失態”扱いしない見解を筆者が述べている。

そして冒頭で書いた通り、戦争・戦闘に感じるある種の派手さや華やかさよりも、人間が歴史で繰り返してきた営みに惹かれるというものである。もちろん生死のかかった戦いの壮絶さ、陰惨さを忘れているつもりはない。だが血を流した過去の残酷な部分だけを取り出して、私が無分別に振る舞い、行動するわけではない。

ゲームで追体験する「関ヶ原の合戦」

そんな関ヶ原の合戦の一端でもいいから追体験したい。古いゲームだが、最近そんなゲームをプレーする機会を得て興奮している。『関ヶ原』(アートディンク)だ。元々はPC-98他対応のPCゲームで、1991年発売。最近都市開発SLGの『トキオ』も配信されていて話題にしたところだ。

プロジェクトEGGというゲーム配信サービスで、日本で発売されたPC・家庭用ゲーム機の作品を中心に、1990年代くらいまでのいわゆる”レトロゲー”を復刻・配信して遊べるサービスがある。今年そのラインナップにめでたく『関ヶ原』が加わったのだ(配信価格:500円)。

game.watch.impress.co.jp

知っている向きには今更だろうが、合戦前に権謀術数を駆使し、東軍・西軍どちらの味方につくか諸大名と駆け引きした上で「関ヶ原の合戦」に臨むという、2段構えのSLGだ。作品の魅力は下記にも詳しい。
www.amusement-center.com

ちなみにGW中に本家のアートディンクがセール(~5/6)をやっている。こちらではWindows版の『関ヶ原』が買える。大変ありがたいが、今どき対応機種がWindows95・98~2000はないだろう⋯⋯。現在サポートされているOSに対応する版を発売する気がないというのは残念だ。それならばEGGの方が確実というものだ。
eshop.artdink.co.jp


このゲームに西軍(石田三成)で挑んでいるのだが、これがなかなか手強い。このゲーム、「信頼度」、「忠誠度」のようなパラメータは表示されないのだ。各種コマンドを実行しても口語による返答・返事のみ。だから取り交わしや脅迫の結果は合戦になってからでないとわからない。合戦当日には裏切られて相手陣にいるかもしれない。その緊張感や疑心暗鬼の気分が何とも言えず心地よいのだ。

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インターフェイス等々、現在からすると大味に感じる箇所も多い。最新のゲームに緻密さは及ばないだろう。だがそこがまた戦国時代、我々にとって”便利”で溢れた現代との違いを追体験させるようで一層面白い。

遊び方によっては、「え、この大名を西軍に?」みたいなこともできるそうで、ちょっとやり込んで石田三成の無念を⋯⋯歴史の流れ云々書いといて、最後は判官贔屓というね。大谷吉継にはなれないだろうなあ。

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