11/23から上映の『ガールズ&パンツァー 最終章』第4話 4Dを観てきました。MX4D形式です。初日初回に行きましたが、私が行った劇場はほぼ満員。もっとも第4話の映像を観れば4Dに期待したくなるものでしょう。改めて確認したかった内容もあり、早々と体感しました。
それにしても、過去3話と比べて特に早い段階での4D上映開始です。映像を作った時点で集客を狙っていたのでしょうか。だとしたら良いフットワークです。できれば本編完成もその位⋯。今回は、これまでガルパンで注目されてきた各種音響設備での上映についても触れたいと思います。4D・内容共に一応ネタバレありです。
※誰が主役なのか言わんばかりの「第4話 4D上映告知PV」。画像をタッチ・クリックすると動画(YouTube)が再生できます。
MX4Dで観る『最終章』第4話 4Dの感想
第3話4D以降の特徴として、効果がとても自然になったと思う。洗練されてきた、と言ってもよい。第4話4Dもその傾向だ。ここで動くのか、光るのか、といった唐突で不自然な効果はほとんどない。
一方で、本編の視覚・音響効果に勝るアトラクション的要素があるかと言うと、そこまで突き抜けたものがないというのが率直な感想だ。特に第4話は本編の映像を観て期待した向きが多いと思うが、通常上映の方がインパクトあったのではないか。急斜面やアップダウン、スピード感ある戦車の動きと、本編で色々とわかりやすい”仕掛け”を用意していたはずなのに、どの効果も均等で満遍なく収まっている。悪く言えばこじんまりしている。是非このシーンを体感して、という箇所がないのだ。
むしろ第4話は4Dによる効果がつく前の、通常上映に作品本来の魅力が戻ってきた感がある。特に継続戦前半の攻防がそうだ。ただ戦車が殺陣のように至近距離で撃ち合い爆速で動く画を見せるのではなく、作戦風景を入れつつ各チームに会話させ、対戦校の思惑を見せることを欠かさない。静と動の塩梅が凄く良い。だからこそ座席で実際に風を浴びなくとも、試合会場にいるような気分になり、映像や音だけで寒々しさや静寂を感じる。そしてそうやって作品に釘付けになるからこそ、滑り落ちそうな急斜面が映像で映えるのだと思う。
続きが待ちに待って公開される昨今、体感も悪くはない。だが、上記のような後引く味わいを重視した方が、後々忘れ難い作品になるのではないかと改めて感じた。
『最終章』と音響、ガルパンと音響
第4話、ひいては『最終章』は4Dで鑑賞する前に、種々の音響で体感してきた。極上爆音上映に始まり、DTS:X、Dolby Atmos、轟音上映にスカルプト センシャラウンド 7.1ch⋯。特に第4話は公開当初からこれら音響による上映スケジュールがズラッと並んでおり、すっかり定着したのだな、と感慨深い。
そういった中で実は第3話以降、音響面で以前ほど上映形式の優劣を感じることが少なくなった。第4話の公開当初の感想でも書いたが、5.1chといった通常上映でも迫力は水準以上だと思う。作品の進化が、全体のレベルを底上げした結果だろう。それ故に最近はこのようなガルパンの音響に関する話題にすっかりなびかなくなってしまった。贅沢な感想かもしれないが、正直なところ、音響に「慣れ」てしまったこともある。
個々人のお気に入りの音響やそれを有する映画館を否定するものでは決してない。ただ今後は4D共々、それらをピックアップした感想を書くことが少なくなると思う。今は良くも悪くも、残り少ない『最終章』が、ガルパンがどういう結末に至るか、そちらの方が気になっている。
もちろん、それでも驚くような上映形式に出会えば、感想は書きたい。微かに期待している。