デジタルエンタテイメント断片情報誌

デジタルな話題もそうでない話題も疎らに投稿

自分のブログをラ・ロシュフコーに斬ってもらう

はてなダイアリーからはてなブログに移行して、更新頻度を変えた。移行してブログのアクセス数が少し増えたからだ。どうせ趣味のブログと気ままに更新していたが、書いたことが検索に引っ掛かって読まれているのならばと、少しやる気になった。

記事のバリエーションを増やし、ブログのカスタマイズも取り入れた。ただ、「やりすぎて他のサイトと同じ体裁になるくらいなら」と、敢えて手を加えていない部分もある。ささやかだが前述の気ままな感じ、世の流れにそう何もかも迎合しないぞ、というブログの方針は残したかった。


それでも、うまくいっているかと言えば、そうは思っていない。むしろ迷うことが増えた。

満足行く文章が書けたか、あの記事はなぜウケた・ウケなかったのか・そもそもウケることが重要なのか、アクセス数の波は気にしなくていいのか、やっぱりブログのボタンは変えようかな⋯。

今回はそんな現況を久々に『ラ・ロシュフコー箴言集』(二宮フサ訳 岩波文庫)で診断したい。そういえば「しんげん」って読めるようになってから、文章・会話でロクに使わないなあ。

ラ・ロシュフコー箴言集 (岩波文庫 赤510-1)

ラ・ロシュフコー箴言集 (岩波文庫 赤510-1)

  • 発売日: 1989/12/18
  • メディア: 文庫

今更紹介するまでもないが、巷の”名言集”とは異質の、読者が自らの解釈・読解によって映し出した心理の奥底に対する批判、皮肉、冷笑、罵倒が溢れる古典。botもある。


要は普通のブログ活動報告したくないだけなのね。

『ラ・ロシュフコー箴言集』で斬るブログ

475 同情されたい、もしくは感心してもらいたいという欲望は、しばしばわれわれの打ち明け話の最大の要素をなす。

自分の病気や苦境を記事(ネタ)にしない理由がコレ。これは今でも守っている。なぜなら、

19 われわれは皆、他人の不幸には充分耐えられるだけの強さを持っている。

というわけだ。


62 率直とは心を開くことである。これはごく少数の人にしか見出せない。ふつう見られる率直は、他人の信頼をひきつけるための巧妙な隠れ蓑に過ぎない。

「率直に言えば」、よく使っている表現だ。いつも書いていることは、率直ではないのか? うーむ。

40 欲で目が見えなくなる人があり、欲で目を開かれる人がある。

完全なアフィリエイト狙いで書かれた記事だって、広く読まれて良い記事だと世に認められたら、能力開花だわな。挑戦すべきか。

20 賢者の不動心とは、心の動揺を胸中に閉じこめる技巧に過ぎない。

119 われわれはあまりにも他人の目に自分を偽装することに慣れきって、ついには自分自身にも自分を偽装するに至るのである。

79 沈黙は自分自身を警戒する人にとって最良の安全策である。

気になる話題があって、いきりたってSNSを更新して炎上した経験はない。でも「俺は冷静ですよ」アピールは⋯完全に否定できない。なるほど賢者は偽善者に置き換えても通じるか。”賢者”を自称すること自体、怪しいものだ。何もかも発信せず、一旦黙っておくのもアリね。自分のために。

51 あるときに自分が褒めていたことを、別の時になって、自分が少しもよいと思わないのに気がつくことくらい、われわれの自己満足をしぼませるものはあるまい。

思想から最新アニメの感想まで、これを恐れて記事をやめることがある。

199 切れ者らしく見せようという色気が邪魔して切れ者になれないことがよくある。

特定の話題に特化せず、あれもこれも「語れるよ」と記事にして”張り子”を露呈⋯他人事ではない。
この調子で、ついつい「私は他人とは一線を画す」みたいなことをアピールしちゃう人はよく見かける。ブログに限らず他のSNSでも。

85 われわれはしばしば自分より有力な人たちを愛していると思いこむ。がしかしその友情は利欲だけから出たものなのだ。われわれが彼らに尽くすのは、彼らによいことをしたいからではなく、彼らからよくしてもらいたいためなのである。

166 世間は偉さそのものよりも偉さの見掛けに報いることが多い。

ブックマーク、はてなスター、読者登録、おすすめ記事⋯。いや、他意はないです。大歓迎です、憧れです。本当です! 信じてください!


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最後に

他にも紹介したい箴言はあるが、今回はこんなところで。相変わらず、読者の急所しか狙わない本だった。
滅多斬りされた上で、今後も世の中の動きや流れに翻弄されず、気ままに、自分を表現するネタ・記事を生み出したい。


あ、まだ箴言が残ってた。

107 断じて媚は売らないと標榜するのも一種の媚である。

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