デジタルエンタテイメント断片情報誌

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生誕でも没後でもショスタコーヴィチ その4 Spotifyで聴ける音源雑談

ショスタコーヴィチの音楽を日々聴いていく4回目。今回は予告通りサブスクリプション、Spotifyで聴ける音源の話題です。CDとレコードも集めつつ、便利なものは使い倒す、それでいいじゃないの。こうして様々な楽しみを家で、と言われるご時世だし。今だからこそ、戦火のショスタコーヴィチが何に思いを巡らしていたかわかるというもの。いやそれは安直だと、一笑に付すでしょうね。

※前回:

Spotifyで聴ける音源から

クルト・マズアという毀誉褒貶の激しい指揮者。音源を挙げてどうこう騒ぐのでなく、経歴が槍玉に挙げられるばかりか、名前をもじった悪口雑言もかつて散見された指揮者。でも私はベートーヴェン・ブラームスの交響曲全集がお気に入り。そんな紹介の仕方もどうかと思うが、亡くなった後に発売されたロンドン・フィルとの交響曲第7番がアタリ。これまでの録音はこの曲に求めたくなるテンションが不足していたが、このライブ録音では満足。一気呵成にまとめている。特に早めのテンポで畳み掛ける第1楽章は、コンドラシンやネーメ・ヤルヴィの録音の系譜だと思う。聴くが早いは良い時代。

ニコライ・マルコ(マリコ)が1957年に指揮したショスタコーヴィチ交響曲第1番があったとは(オーケストラはBBC交響楽団)。なんせ初演者の演奏ですよ! もっと騒ぎましょうよ、ムラヴィンスキーやコンドラシンのように。それとも初演者といえどもここは敢えて辛口批評ですかい? そんな皮肉は置いておいて、1950年代までの解釈に多い、インテンポで不気味さが際立つ解釈。やや状態の良くないモノラルの録音故に、打楽器の喧噪は解釈か録音によるものか判断しかねる。それならば正直エフレム・クルツやハワード・ミッチェルの録音を聴いておけば同系統は足りる、というところ。正規ディスクでもCD-Rなので、コレクターが騒ぐこともなさそう。マルコはプロコフィエフやドヴォルザークの録音が好き。

ハワード・ミッチェルといえば、RCAがボックスでCD復刻していた交響曲第5番が配信されている。第3楽章までは音楽の振幅も悪くないな、と思って聴いていたが、どうも第4楽章の冒頭がピャーと軽薄な響き。録音故か、他の箇所はそんな腰高でもないのに、冒頭だけでだいぶ白けてしまう。テンポ設定以外にも工夫が必要なのだなと再認。

コレクターズ・アイテムならば、オイストラフとミトロプーロス指揮ニューヨーク・フィルのヴァイオリン協奏曲第1番ライブ(1956)もサクッと聴けるようになった。この録音状態からして、レコードを探して音質比較するまでもない気がする。こういうオフィシャル配信は本当に有り難い。

なぜかというと、ストコフスキーがシカゴ交響楽団を指揮したという交響曲第10番が突然配信されているから。Spotifyでは演奏情報がわからない上、初出だと思うが⋯聴いて確かめろということか。ストコフスキーは楽譜の改変で話題になりがちだが、現代作品は案外穏当、順当な演奏も多いのね。

Guildの復刻は信用しているのだが⋯。

なぜか新生メロディアも復刻・配信しない、タネーエフ四重奏団のショスタコーヴィチ弦楽四重奏曲全集。VeneziaもCDで復刻しない。Aulosが良い復刻を一度したきり。そのせいか、今だにレコードの需要もある模様。興味があればぜひSpotifyで聴いてみて、ということで。紹介は下のリンクだけだが、全曲配信有。

<2022/4追記>現在聴けなくなった模様。残念。ディスクも今後は厳しいかなあ。

次回は性懲りもなく、ディスクの雑談予定。ちょっと話題にしたいものが集まったので。

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