こうした作品を語るときは、面白いのか・つまらないのか、良いのか・悪いのか、とかく二極化した上でスタンスが判別できることが今どき重要なんですかね? まあその方が、SNSでは語りやすく目立ちやすく、仲間を見つけやすいのでしょうが。
・・・こんなこと書いておいて、別に中道のスタンスでもないんだよなあ。
今回のお品書き:
邦画:しとやかな獣(1962)
今回は”ブラックコメディ”、と言っても劇団四季がやっていた演目のことでなく、『しとやかな獣』 (1962 カラー作品・上映時間:1時間35分)の話です。
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あらすじ:元海軍中佐の前田時造は郊外にある、エレベーターのない団地の一室に住んでいる。時造には妻と二人の子供がおり、芸能プロダクションで勤める息子の実と、流行作家の愛人である娘の友子を使って金を稼いでいた。実は会社の経理である三谷幸枝と深い仲にあったが、幸枝から別れを切り出されてしまう。念願だった旅館の開業が決まったので、彼女は芸能プロダクションも辞めるというのだ。
(allcinema: 映画データベースより)
団地の一室という限定された場所で繰り広げられるテンポ良い会話劇と、演出・カメラワークが飽きさせません。映している範囲は狭いですが、そこから観客が読み取れる映画内の世界は広く、深いです。話の中心である前田家には、たとえご近所でも関わるのはご免のはずなのに、良好な家族関係と結束の強さに、つい惹かれてしまいます。再ブーム前の”流行っていた”ハイボールも登場するなど、前田家の生活ぶりは古臭くなく、むしろ今より洒落ている気がします。リバイバルで劇化されたのも納得です。
前田家のカネ、ひいては衣食住に対する執着は、個人的に『徒然草』の第百二十三段、「無益の事をなして」を思い出します。爆笑ではなく、ニヤリと楽しめる作品です。
特撮:『帰ってきたウルトラマン』(テレビ神奈川)
物凄くツッコミどころ満載ですよ、今回の『恐竜爆破指令』(放送は毎週日曜、22時30分~)。みんなステゴンをどうしたいのよ、それでいいの? と。ウルトラマンも結局アレでしょ、見えない所でコッソリ殺っちゃった? えー違うの? ホントに? みたいな。ステゴンの溶解液で人が溶けるシーンは、『仮面ライダー』思い出しました。黄色の溶解液もそれっぽい。
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アニメ:『ダーリン・イン・ザ・フランキス』第9話
6話までの「見せたいものをとにかく見せる」展開が、落ち着いて、淀みない進行になった感がありますね。7話が今後の展開を予感させる”仕掛け”の回だったので、また12話くらいまで畳み掛けるのかと思いました。
ただ叫竜の性質が、この展開のためだけに用意された感アリアリでちょっと萎えたかな。弱点はもう少し守るとか、辿り着かせるまで抵抗しても良いのになあ。内部に侵入された途端暴れだすとか、ね。見た目は以前書いた、シルバーブルーメタイプかと一瞬思ったのに。
そういえばこれも以前書きましたが、フランクスの立ち位置が本当に「ウルトラマン(ストレリチア)と防衛チーム(その他フランクス)」ぽくなりそうですね。持っている武器が理由でしょうが。とは言え、今話でもジェニスタあたり見せ場を作っても・・・。
キャラクターの死亡予想が流行っているみたいですが、かくいう私も「まあこの話の進み方なら、9話で誰か死ぬなんてないだろ」などと読みを入れてしまいました。この手の作品で”死”ぐらいしかイベントが思いつかなくなると、観方が狭くなって、イカンですね。反省。
そうそう、ツノだけじゃなく性格・立場として、もう少し尖っているゼロツーが見たい気もします。少なくとも7話はまだその雰囲気が漂っていたのに(イチゴとの会話なんて特に)、8、9話はストーリーの誘導係を兼ねているせいか、軟化してますな。今話でゴローとイチゴの関係を掘り下げましたが、イチゴに「ダーリンのこと諦めたんだ?」なんてぶっこむ姿がまた見られるのでしょうか。ああ、”ボム”は他にも色々ありそうね。
ちょうど一緒に感想を書いているので都合がいいのですが、『帰ってきたウルトラマン』も初期の話(1~6話)が毎回最終回かよ、ってくらい飛ばした展開で面白いのに、以降の話がダレた感があるのね。「ダリフラは特撮の匂いがする」と以前から書いていますが、なんというか、そんなところまで寄せなくてもいいのに・・・などと思っています。
それが書きたかっただけだろ? いや本当に偶然ですよ。信じてください! 来週もみんなで観よう。