デジタルエンタテイメント断片情報誌

デジタルな話題もそうでない話題も疎らに投稿

サンリオキャラクターで強く生きる

”流行りの”名言集、見開き1ページに1つず名言が載っているような、『〇〇の言葉』みたいな本をよく見かける。だがあまり食指が動かない。

まず知識、情報としてはもう少し体系立てて習得したいので、出典を読みたくなるからだ。そうでなくても、解説が詳しく、興味深い体裁のものがよい。もっとも『ラ・ロシュフコー箴言集』のように、文章一つ一つが突き刺してくるような古典は別だ。

そんなことを思いながら古本漁りをしていると、巷の名言集と同じ構成ながら、異彩を放つ文庫を今更ながら見つけた。

ハローキティのニーチェ 強く生きるために大切なこと (朝日文庫)

ハローキティのニーチェ 強く生きるために大切なこと (朝日文庫)

キキ&ララの『幸福論』 幸せになるための93ステップ (朝日文庫)

キキ&ララの『幸福論』 幸せになるための93ステップ (朝日文庫)

『ハローキティのニーチェ』と『キキ&ララの「幸福論」』(朝日文庫)である。どちらも哲学がテーマである。他にもシリーズ化しており、驚いた。

サンリオのキャラグッズ展開は、面白いと思っている。サンリオのキャラ自体も好きだ。会社で年末に適当なカレンダーが貰えなかったら、サンリオの安いカレンダーを買うことにしている。普通のが何だか味気なくて。


話がすこしそれた。本の話題である。今まで生きてきて、サンリオのキャラと哲学、という発想がなかった。取り敢えず読めばサンリオキャラを起用した理由がわかると思い、買って読むことにした。でもわからない。

ただ、本文のくだけた解釈とキティちゃんの無表情ぶりは絶妙である。キティちゃんを眺めていると、これは現代の能面(女面)、喜怒哀楽全て含んだもののように思えてくる。そしてなぜキティちゃんにそんなことを感じているのか、よくわからなくなる。

でも本書に次のようにあるから安心しよう。これを読んで出典が分かる人間になりたいものだ。以下『ハローキティのニーチェ』より引用:

わかったつもりになることはわからないよりキケン。

知識や経験がないからこそできる冒険もある。


世間を俯瞰するに丁度いい言葉もなかなか揃っている。つい現代のSNSを思い出してしまう。以下同じく引用:

「良い」とか「悪い」とかつまらない言葉で割り切るには世界って本当に広すぎる。

自分が正しいと言いたいときは本質から目を背けているとき。

嘘をつかないからって、誠実ってわけじゃない。

スルーするのも大切な能力


この他に、「他人に好かれること」「愛」に関する内容が多い。正直その辺りは、ピンとこないときがある。無関心ではいけないのか。


などと考えていたら、一文に急所を突かれた。自戒しよう。

人はさみしいと、おかしくなる。

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