デジタルエンタテイメント断片情報誌

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平日に行く大洗とガルパン 後編

アニメ『ガールズ&パンツァー』の舞台、大洗こと茨城県は東茨城郡、大洗町に行ってきました。今回はその後編です。前編・中編・後編の構成で、「平日」にガルパン目当てで行く大洗の楽しみ、そして作品に絡めた話題の最後です。

旅行の趣旨と前回までのおさらい

今回の旅行は「ガルパンをダシに大洗を楽しむ」のではなく、「大洗をダシにガルパン(作品)を語る」のが主な目的です。各場所の紹介・感想そこそこに、とりとめのない作品・キャラトークを並べています。

前回までの行程はこちらです:

また、旅行にあたって、先日発売された『大洗フィーベルNEU 2.0 大洗ガルパン・トラベル・ガイド4』(廣済堂出版)も参考にしています。その記事はこちら:

平日に行く大洗 後編

夕方になり、この日は水戸で宿泊。大洗に泊まることもできたのだが、今回は水戸に戻る理由があった。

そう、現在公開中の『最終章』第2話をユナイテッド・シネマ水戸で観るためである。この週までは一日1回の上映ながら、一番大きいハコで上映していたのだ。都内ではほぼ上映が終了しており、せっかくなので行程に組み入れた。
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2013年のガルパン一挙上映時。
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おそらく公開直後ならこんな訪問パターンも多かったのだろう。映画館はこんなに熱烈歓迎だというのに、客入りはガラガラのガラガラだった。大スクリーンの上、人が少ないと心なしか音が響いて迫力があった。
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作品に何か引っ掛かるものがあると、わざわざ水戸で観ようとは思わない。その意味で『劇場版』は、実はあまりテンションの上がる作品ではなかった。待った割には、という出来だった。当時の感想でもその辺りを書き連ねた。そこに来ての『最終章』、そして第2話である。

こうして観ると、前半の1回戦はやはりアッサリまとめすぎた感がある。新登場の学校だけに、BC自由学園が「急ごしらえ」の関係修復した背景と過程くらい見せてもらわないと、大洗女子がイチかバチかの計略を試した印象が残ったまま観てしまう。感情移入が切り替えられないのだ。しかもあんこうチーム主導の案のため、これまで観た大洗女子の戦い方と何ら変わらない。『最終章』は対戦相手の戦いぶりにも注力するらしく、「成長」という言葉がキーワードのようだが、大洗女子は成長しないの? というわけである。コミカルな戦いの見せ方は満足したものの、今後に一抹の不安が残る。

そこを後半、2回戦はよく盛り返したと思う。正直、第2話は早く後半が観たくなる出来栄え。既存校で、設定にある程度下地があるのも大きかった。機動力、そして統率力も知波単が上回っている。砲声が揃っている、といったマニアックなこだわり以外で技量の差をキッチリ見せているから、使用車輌以上に強敵感が出る。”素人ばかりの~”という紹介の割に大洗女子は戦車をスイスイ動かしてたからね。あとは前述の通り、大洗女子側の「成長」を如何に描くかが(あん)肝ですよ。そうしないとどれだけ対戦相手を上手く描いても、トーナメントの結果が”順当”に進むだけの印象しか与えないでしょう。

そんなことを書きたくなるのが、中編でも紹介したコミックナタリーのインタビュー。まあ『最終章』第1話のパンフレットでのインタビューから一貫してるんですがね。結局大洗女子が勝ち進むんだな、というのを匂わせているのは。

劇場公開が前提となった今、もうTV版7話や10話程度のインターバルすら挿入できない様子だからね。大洗女子を掘り下げようにも、練習や事前対策、会話劇にこれ以上時間を割けないのでしょう。画面としては4DXといった、アトラクション的要素も対応しなくちゃならないし。動きのない会話シーン中心の話はもうできないわな。これは『劇場版』も同じ。だからあんな廃校の焼き直しの上、設定スカスカの対戦相手(大学選抜、愛里寿)を出してしまった。その意味で劇場公開前提は惜しいし、無理なのはわかっていてもTVで2期として観たかった。

『最終章』の話に戻すと、2回戦は対戦相手の”大義”をどこまで描いてくれるか、ひとつそこが次話の試金石でしょう。大洗女子の目指す戦車道がまだハッキリしないだけに。勝っても負けても、1回戦みたいに「楽しい試合をありがとう」で終わらなくても、構わないんだがなあ。大洗女子の弱点が露呈するような辛勝、(ないでしょうけど)負けて悔しい様子、そこから膨らむ話も沢山あると思う。もちろん私自身、「それはそれとして」作品は楽しんでいるつもりなのですがね。書いておかないと、後から「そう思っていた」はいくらでも書けますから。そうそう、”引き分け”で新展開も歓迎。


一連の記事で何が書きたかったのかバレバレの分量だが、この日は凛とした西隊長の御姿を思い出しながら、水戸のホテルに戻る。そういえば、水戸駅横のエクセルみなみにある、献血ステーションでも「かくれんぼ」発見。隣は茨城県公認Vtuber。どちらが消えるのが先か、そんな事書かない。
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しかし、脚とか胸とか露出しないとセクシャリティを喚起できないのかね。私はコアラの森学園やアンチョビみたいなパンツァー服姿の方が嬉しいなあ。ズボンで女の子の魅力を表現してみろい。と、現場で思いついた妄言を書き起こしておく。


2日目は『劇場版』でクビンカ荘のモデルになった、とびた荘から。ここの予約が余裕で取れたのだが、『最終章』第2話を観るために今回はパス。水戸のホテルがあまり良くなかったので痛し痒し。この周辺はガルパンのファンはかえって目立つ。
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しばらく進むと、パーシングを発見。しかしまあ、『劇場版』では無個性だった。ただいろんな戦車が出りゃ良いってわけじゃないんだなあ。
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とびた荘からはアクアワールド・大洗が近い。1日目は商店街を散策して、2日目以降はこちらを目当てに泊まるといいんだろうね。サメさんチームのお銀です。
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桃ちゃん絡みもあって活躍させるんでしょうが、どうなんですかね。マーク4でしょ。主砲はそんなに弱くないにしても、装甲とスピード面でね。爆速で動かすのもちょっと⋯。『最終章』第1話みたいな役割が全ての気もしますが。第2話は制作の都合上含めて、順当な片付け方だったように思う。キャラ共々、作中で上手く使って欲しい。正直車輌も⋯変更していいよ。


ここで大洗駅方面に戻って、ちょっと気になっていた宿、魚雷⋯じゃなかった魚来庵(ぎょらいあん)。最近営業再開したのね。由緒ある宿。

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ガルパン絡みで陸軍の話をすると、石原莞爾の静養先だった様子。『戦争史大観』(中公文庫他)にも大洗で静養していたとある。

”九月一日大洗海岸で暴風雨を聴きながら”⋯タイムリーだね。


いそやにあるウサギさんチーム、澤梓のパネル。ここも当日は開店前でした。残念。
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澤ちゃんも”次期大洗女子隊長候補”として、ファンが(勝手に)盛り上がっているかな。なまじ活躍しているだけに、妄想レベルも高い気がする。こちらは車輌を任されているとは言え、傾向としてはオレンジペコと同じ匂いがする。さっきから「大洗女子の成長は?」と管を巻いているが、そういう尺は取れそうですかね、『最終章』で。あんこうチームと旧生徒会周辺の関係を回すだけで手一杯のような印象もありますが。前述の劇場公開という制約から、厳しいよなあ。そうそう、ウサギさんチームのエピソードもある程度済ませた感があるしね。

大体、まずは作中でみほと交流しなきゃいけないのに、肝心のみほが普段から割と超然としてるからね。「え? 澤さん?」みたいな感じだわな。愛里寿とはしっかり仲良くしているみたいだけど。みほの場合、TV版のエピソードや白旗の車輌を気遣う描写はあるにしても、キャラづけのせいで、どうも「これみよがしにとってつけた」ように感じちゃうのよね。

まあ澤ちゃんの話は”新章”に期待? いやあ、まだそれは黙っておこう。

ところで澤ちゃんといえば、『ガールズ&パンツァーRADIO』が素晴らしいですよ。『Vol.1』ね。永久保存ですよ。澤ちゃんと桂利奈ちゃんの「中の人」に私の投稿が読まれたからなんですけどね。ムヒョヒョ。ちゃんとファンしてるでしょ?


そして近くの大洗磯前神社へ。
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ここよここ。ここが今回の旅行で一番写真が欲しかった。『劇場版』ね。すみませんが感動したから、とかじゃないです。私が『劇場版』で最も不服なシーン、エキシビジョンマッチの階段です。
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なぜこの石段を戦車でガシャガシャッと崩しながら降りなかったのか。オーディオコメンタリーも聞いたし、バチが当たるからみたいな話も理解できますよ。でもね、たとえガルパン世界であってもここはそういう見せ場じゃないのかね。劇中で「神様ごめんなさい」の台詞位あればいいでしょう。ノンナみたいな所作でもいい。大体大洗であれだけ砲弾ぶっ放しているのに、今さらバチ当たりもクソもないって。⋯やっぱり『劇場版』の話は角が立つなあ。


気を取り直して、TV版で有名になった道を降りて、最後に海岸方面に行ってみましょう。まずは大洗ホテル
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2013年頃。まあそんなに変わりはないか。
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ここから海岸沿いを歩くと、見えました。大洗シーサイドホテルの弾痕。粋だね。
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これが撤去されたときが、大洗にとってガルパンが思い出となった目安でしょう。素直にはしゃげばいいのにこの唐変木。


最後は神磯の鳥居を拝んで大洗駅へ。一路帰宅。
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この他にも散策したが、このくらいでいいでしょう。色々と発散できた。サイトの素材も自分で収集することができて大満足。平日は圧倒的に写真撮影が気楽。食事も刺し身が美味かった。次に行くなら、やっぱりあんこう鍋の季節かな。『最終章』の季節は冬だから、最終話は冬公開でしょ? それくらい間に合わせてくださいよ。後ろ倒しじゃなくてね。頼みますよ。


あとは、ガルパンの話題がすっかり引いたら、フラッと訪れますか。

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