デジタルエンタテイメント断片情報誌

デジタルな話題もそうでない話題も疎らに投稿

『ハイスクール・フリート(はいふり)』8話の感想

アニメキャラの魅力は、まずアニメ本編での描写が骨子たるものであって欲しいと思う。コミック、小説といったメディアミックスは大いに結構だが、例えば本編でイマイチ魅力を感じないキャラについて、「このキャラの魅力・背景については「○○」(コミック、小説等)を読めば分かる・読んだ上でアニメを楽しむべきだ」などと論を張るのは、チト違うのではないか。

アニメを原作としてメディアミックス展開している作品なら、まずは入口・基点であるアニメをしっかり作ってもらいたい。そしてそのアニメの中で生きるキャラに惹かれたい。メディアミックスを楽しむのはそれからだ。原作であるアニメを観て興味が湧かないキャラの魅力を、私はわざわざ他のメディアから"アニメに"補填しない。そもそも、そんなことをしなくても、アニメ本編にキャラの魅力が溢れている作品を私は知っているから。

『ハイスクール・フリート』の登場人物で、気になるキャラ、文章のネタにしたくなるキャラはいても、そうやってのめり込むほど魅力的なキャラクターは、残念ながらいない。そんなことを公式サイトのキャラクター一覧を見ながら思った。皆さんは如何でしょうか。

いつものように最後まで見逃せない、何回も観直したくなる『ハイスクール・フリート』8話の感想です。今回はお待ちかねの戦闘描写もありまっせ。

前回の引きと冒頭がリンクしてる! でも安心、冒頭に出てこなくても、後で間抜けな大人たちのターンはあります。それはさておき、今回は『比叡でピンチ!』というサブタイトルを知っていたせいで、武蔵だ武蔵だと騒ぐ様子に少し苦笑。まあサブタイトルを秘密にしているわけではないので、こういうこともありますわな。1話のバレバレだった作品タイトル変更の仕掛けを思い出す、と書くとさすがに嫌味ったらしいか。いつものことか。

副長もすっかり猫の魅力に取り憑かれたようですね。なにせ猫はこの作品のキーになる可能性が高いですから。緊急時でも丁重に頼みますね。これ以上書くまい。

乗員の気配がない比叡から発砲。それにしても、前回でそれらしき描写はあったとはいえ、もう元凶:ネズミ(ウイルス感染)は確定事項・晴風の共有事項なんですね。まあこの後、さらにネタばらしがありますが、色々と作品の是非を問うことになった要素にしては、随分あっさりと片付けたいようですね。

毎回、感想を書く度に「この作品の世界観がよくわからない」と喚いていたつもりではあるが、最近はそういう作品だと割り切ってクドクドと言及するのは避けていた。しかし、今回は7話の座礁船エピソードやブルーマーメイドの登場とも絡むので少し書いておこう。

この世界の海上の要衝(トラック諸島)には、ブルーマーメイドでも何でもいいが、常駐している部隊なり組織はないのか。そもそも、海の安全や治安を守るような組織のいらない世界というなら、いよいよブルーマーメイドも軍艦も存在意義が怪しくなってきた。前回の救助エピソードやブルマーの描写は、上手く使えばそれらの存在を認め、作品世界を広げるきっかけにできたのに、こういう「やりたい描写(今話では比叡との戦闘)」を優先するせいで、その機会すら尽く潰してくる。

そして前述した、私が大好きなネズミ、じゃないラット(RATt)のネタばらしでございます。このネタばらしには、ダメダメなお話作りに典型的な、ある要素が盛り込まれています。別にそんな難しい話ではないです。わざわざアカデミックに、いや衒学的に書くつもりもありません。

それは「偶然」が伏線ではなく、「突然」出てきたり、「(本当に)偶然」というだけで片付けられることです。しかも台詞でもはっきりと”偶然”と言っている。役満です。

海底火山の活動で”偶然”または”突然”押し上げられた(※笑ったり、疑問を抱いてはいけません)実験艦の秘密を喋っているのを”偶然”廊下で聴き、そのことを独自調査(※ここも笑ってはいけません)したので、8話で”突然”報告。海中プラントで”偶然”生まれた生物がラット(RATt)だった。ラットが媒介するウイルスが生体電流に影響を及ぼし、感染すれば一つの意思で行動、電気機器も狂わす。といった具合に、これまでのストーリーから読み取れない状況・内容まですべて”突然”解明。・・・とまあ、「偶然」というのは、ストーリーの中で”仕掛け”にしないと、作品の出来の悪さをさらけ出す後付・後出し感が凄いですねぇ。

さらにいくらでも作中でエピソードとして消化できたであろう、”偶然”晴風に乗っていた衛生長の略歴を今更披露。こんな陳腐な設定すらお話に活かせないことにガッカリ。晴風の乗員を魅力ある集団に見せる気がないのね。それでいてあの登場人物の多さとは。

感染後のウイルスには、早いうちは海水が有効だそうですね。ああ、塩水でうがいみたいなもんだ。抗体も完成しているし、ラットさんはどうなるんでしょうか。もうひと暴れして欲しいところですが。

比叡との戦闘は、私は最初、比叡を大きな海食洞に突っ込ませて停止させるのかと思いました。小さい海食洞がチラッと写っていたのと、五十六が詰まったのを見て。この作品なら、そんな丁度良い地形が出てきそうだし。比叡からの視認? まあ攻撃があんまり賢くなさそうだったので、どうせ猪突猛進で引っ掛かるんだろうと(この見立ては割と当たった)、気楽に観てました。ただ、座礁船の救出の後に、また座礁(ネタ)とは思いませんでした。各感想は手短に書いておきましよう。

今は連絡可能な状況というのはわかっているつもりだが、これまでのお話のせいで、ちゃんと電話したりメールしている描写に違和感を憶えてしまう。これも全部ウイルスのせいだな。

やはり、この人数のキャラクターの魅力を引き出しつつ、団結を描くのは、厳しいね。語尾と言葉遣いくらいしか印象に残らないのは、とても淋しい。各科のエピソードをこれまでの話で消化しているわけでもないので、キャラクターの役割を思い浮かべにくい。あと、ドイツ娘が本当に要らない。

副長の信奉者はスーパー小物でした。6、7話の描写ではもう少しストーリーに絡むのかと思いましたが、こんな片付けられ方をするとは。キャラの魅力以前の問題ですねぇ。

艦長がまた名言っぽいことを叫びました。個人的には、状況を冷静に判断した言葉の方が、良かったように思う。それが校長の許可を伏線にするから。カッコ良さ優先か、ストーリー優先か。作品としては、もうどちらでも良いか。

座礁しても比叡はまだ攻撃できそう、という疑問もさることながら、何よりも問題なのは、比叡の乗員描写がないこと、近場で呑気に飯を食っていることではなかろうか。しかも今回は暴れるタマちゃんの回想が出てきたし、艦長が比叡の乗員を心配しているから、救助描写や、比叡の乗員が襲いかかってくるのを期待してしまったではないか。まさか比叡の乗員描写ナシとは思わなんだ。ホント、ストーリーも何も活かさないんだなぁ。もしかして乗員はいないのか?

そして、ラストの副長の姉登場は、これぞ『はいふり』という、戦闘やキャラの会話の余韻を台無しにする素晴らしいオチだった。これがあるからこの作品は最後まで気が抜けない。ぜひ最終話までこのノリで突っ走って頂きたい。

スポンサーリンク