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『ガルパン・ファンブック 月刊戦車道 特別号2 大洗女子学園VS大学選抜チーム完全解析号』の感想他、ムック紹介

BDが発売されても上映がまだ続いている『ガールズ&パンツァー劇場版』ですが、今回はBDと同時発売の『ガルパン・ファンブック 月刊戦車道 特別号2 大洗女子学園VS大学選抜チーム完全解析号*1の感想を書いておきましょう。

映画の公開前に発売された『特別号1』は、発売時期もあって劇場版のネタバレをしていない(できない)本だったため、いつも通りというか、TV本編振り返り中心の記事でした。では5/27に発売された『特別号2』はどうだったのよ? というわけです。第1号の頃から情報誌としては後追い記事が多かったので、『劇場版』の特別仕様として期待するところもあります。

ガルパンFebri

ガルパンFebri

  • 発売日: 2016/01/25
  • メディア: 雑誌
また『劇場版』の読み物としては、1月に発売された一迅社の『ガルパンFebri』が充実した内容で、その時の記事にも「今から『月刊戦車道 総決算特別号1』を買うくらいなら、『ガルパンFebri』を買ったほうがオトク」などと書いたのですが、後発の『特別号2』はその辺りどうなのかも、気になるところでした。


それでは『月刊戦車道 特別号2』の感想です。まず、「大洗女子激闘ドキュメント」はその名の通り、『劇場版』の大洗市街戦と大学選抜試合のダイジェスト。戦績はともかく、マップ付きで振り返れるのは有り難いかな。ただ、これから『劇場版コンプリートブック』(6/28に発売予定)といった劇場版ムックが発売されていくので、こういうのは他でも集約されるかもしれません。

「戦車道流派研究 西住流&島田流」は、まあ本編外であまり風呂敷を広げなくとも⋯というのが読んでの第一感。「月刊戦車道」の記事の悪いクセ、という感じでしょうか。設定に走り過ぎている感があります。「戦車道ヒストリア 日本戦車道」も同様で、絵的にも流石に作り話が過ぎて、個人的にはチト萎えます。「大洗女子チームの後日談」は沙織と麻子の話です。悪くないですが、第5号の”ハムになる”話の方が好き。

「スペシャルスタッフ鼎談・ミリタリー座談会」はスタッフ・関係者の『劇場版』にまつわるトークです。映像・小ネタの話が中心です。BDで細かく観直している御仁には良い記事でしょう。私はパーシングに攻撃された時のシャーマン(アリサ乗車)の入射角が気になっていたので、話題に上がっていてニンマリ。次回作に登場して欲しい戦車の話もしてますよ。少なくとも周辺はやる気満々ですな。シナリオ・ストーリーについてはほとんど触れていません。まあこれは『ガルパンFebri』や、今後発売される別のムックで、でしょうかね。

「戦車人の肖像」は、「役人(学園艦教育局長)役・景浦大輔」のインタビューが面白かったです。ぜひ次回作では知波単に四式だ五式だと投入してもらいたいです。ファインモールド代表も知波単の面々が好きとのことですし。

あとはいつものイベント回顧・情報等々といった感じでした。特ダネ、目新しい情報はなし。全体としては、うーん、読んで損はない内容ですが、まあ慌てて読まなくとも大丈夫かなぁ、という感じですかね。今(6/5時点)は完売・品切れのようですが、また再発売もあるでしょうし、たとえ読まなくても後発のムックあたりが十分補ってくれそうな内容、という気がします。

◆ガルパン書籍・ムック交々

じゃあガルパン関連は何を読めばいいんだ? みたいな話になるかもしれないので、今回は改めてガルパンの書籍についてもう少し。本編を観て楽しめた人が、作品の世界をさらに楽しむくらいのスタンスです。
TV本編から遡って、適度に「お話」や「設定」を頭の中で整理しつつ、スタッフの制作話が読みたいなら、『コンプリートブック』、『アルティメット・ガイド』でしょうか。総合的な充実度では『コンプリートブック』を採りたいですが、『アルティメット・ガイド』には戦車道のルールや学園艦の設定が載っており、設定として踏まえるにも丁度良い分量かと思います。

ガールズ&パンツァー コンプリートブック

ガールズ&パンツァー コンプリートブック

  • 発売日: 2013/09/10
  • メディア: 単行本

戦車については、正直世の中に史料・情報が溢れまくっていて、各自色々調べて深みにハマって頂きたいのですが、ガルパン関連としてなら『アハトゥンク・ガールズ&パンツァー』シリーズ。TV本編放映から、いち早く出たガルパンのムックが”モデルグラフィックス編集部/編”なのも、異色な作品だなぁと感慨しきりです。OVA、『劇場版』のデータを網羅した『2』の発売も早くて有り難いです(これを読んでいたので記事を書くのが遅れました)。

内容で一押しなのが「車内設定」で、これが本当に作品の魅力に留まらない、戦車の魅力を湛えています。ただ、細かい戦車の各部名称については、「戦車用語大全集」というページで大きく解説されているものの、各車両のページで個別に名称を示していないので、そこはわかりにくいと感じるかもしれません。これは『1』『2』共通。そこはもっと戦車にハマって自分で調べろ、ということでしょうかね。道は険しい!

最後に『ガルパンの秘密』。放送前にあれほど期待薄な野暮ったいPVを流していた作品でも、並大抵のプロジェクトではなかったことが実感できます。作品のヒットについては、やはり水島努監督のコメントが一番率直で冷静だと思いました。作品の魅力・ヒットの”秘密”を読んで読者も勝ち馬に乗った気分に、というよりも、個人的には客観的に、落ち着いて作品を楽しむ・分析することも大事だなと自省する本かと思います。以前は初回版も見かけましたが、今は内容が同じ通常版が入手しやすいです。

ちなみに当時放映前に観たTV本編のPV第1弾。何度観てもテロップの安っぽさ、(今だからこそ)「制作快調!!」に笑ってしまいます。これが、ここまで付き合う作品になるとは思いませんでした。BDも観ているので、また改めて劇場版の感想も書く予定です。

※画像をタッチ・クリックすると動画(YouTube)が再生できます。



*1:冊子自体は「完全解析号2」となっていて、「解析号に1があったのか?」と一瞬混乱してしまいますが、完全解析号に1はなく、『特別号1』のことです。

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