デジタルエンタテイメント断片情報誌

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CD『ガールズ&パンツァー 劇場版 オリジナルサウンドトラック』の感想

映画公開後はおそらく店頭でもネットでも入手困難になるのではと思って、映画公開前の発売日に購入しておいた『ガールズ&パンツァー 劇場版 オリジナルサウンドトラック』だが、やはり人気のようで、この記事を書いた時点でAmazonでカテゴリ1位、一時的に在庫が切れていた。

「映画を観る前にぜひ聴いて」と公式サイトで宣伝していたが、いやいやサントラ(音楽)はやはり映画を観てからのお楽しみ、ということで開封もせず収録曲も見えないように保管しておいた。TV版のサントラは本編によくマッチした曲づくりで、大変楽しいアルバムだったが、『劇場版』サントラはどうだったのか、映画も無事公開されたので聴いた感想を書いておきたい。

『ガールズ&パンツァー』劇場版 オリジナルサウンドトラック

『ガールズ&パンツァー』劇場版 オリジナルサウンドトラック

まず録音の印象から。『劇場版』サントラの収録曲を聴いて、最もTV版サントラと違いを感じるのが、残響。これは正直、好みが別れる気がする。クラシックでオーケストラ曲の録音をしたような、収録した会場・ホールでの自然な残響、という感じではなく、音響効果として残響をかなり加工して付加・調整しているようなのだ。Disc1の収録曲にその傾向が強いと思う。劇場での響きを自宅(身近)でも、という音作りで収録されているわけだ。とは言え、これはスピーカーで聴く分にはそれほど気にならないが、ヘッドホンだと多少耳について聴こえるかもしれない。楽器の音自体はクリアに捉えているだけに、個人的にはこのCDで最も惜しいところだ。

その点で、多少平板に感じるところはあっても、各セクションの音が明瞭で、パリッとした録音のTV版サントラのほうが、繰り返し聴くには良いかなと思う。ただDisc2の収録曲はこの残響がやや自然に感じる。収録場所が違うのか、あるいは曲によって意図的に傾向を変えているのかな、という印象。私はこの違いと収録曲(後述)もあって、比較的Disc2を聴くことが多い。

TVアニメ『ガールズ&パンツァー』オリジナルサウンドトラック

TVアニメ『ガールズ&パンツァー』オリジナルサウンドトラック

ちなみにサントラにおける、オーケストラの楽器配置は気にしていない。サントラはクラシック音楽の演奏会と違って、画面の効果を重視して、その意図が活かされていれば、それでいいと思っている*1。管楽器が前面に突き出していようが、曲によって極端に音が引っ込む調整があろうが、それもサントラの楽しみだ。そういう違いがあるからこそ、先日開催された「ガールズ&パンツァー オーケストラ・コンサート〜Herbst Musikfest 2015」のCD・演奏との聴き比べがいがある。こちらも当日聴きに行ったので、どういう風に収録されているのか発売を心待ちにしている。当日は映像に合わせての演奏もあったので、BDの方も音楽のみならず、楽しみだ。

『劇場版』サントラ収録曲について。「劇場版・戦車道行進曲!パンツァーフォー!」をはじめとした「戦車道行進曲!パンツァーフォー!」のアレンジはやはり嬉しいもの。作品と一体となった、良いメロディだと思う。もちろん作品の内容によって音楽の効用は様々だが、こういう音楽を印象的に打ち出す作品というのは、私にとっては近年、稀有な存在だった。

新曲では、Disc1の「孤高の戦車乗りです!」「好敵手です!」が良い。これは映画を観る前に聴いていたら、全く違ったイメージがついていたかもしれない。知波単学園の曲も悪くないが、既存曲で「雪の進軍」以外の有名どころも持ってきて欲しかった。継続高校の曲も、こういう所で新録が聴けるのが嬉しい。カンテレの演奏はDisc2に収められていて、Disc2を取り出す理由の一つになっている。

Disc2の収録曲はぜひ聴いて欲しい。TV版サントラとの楽器編成・規模の違いはDisc1の収録曲よりも、Disc2の方がわかりやすいと思う。ボコの歌のおふざけ感、前述のカンテレの演奏曲もさることながら、「アメリカ野砲隊マーチ」など私は、改めてスーザの良さを噛み締めている。「パンツァー・リート」なんて、ガルパンがなかったら一連の新録に出会えなかったのかと思うと、もう感無量。収録時間がもう少し長くて、足踏みが入っていたら、悶絶ものだった。この他にも、ついに「When Johnny Comes Marching Home」が収録されており、Disc2の魅力は高い。サンダース好きとしては、「リパブリック讃歌」もこの感じで収録してくれれば良かったのに、と我侭な不満を言いたくなるくらい。


ハイレゾ音源配信もやっているし、もう次回作でやれることは、全編「演奏:○○交響楽団管弦楽団)」くらいでしょうかね。ん? 次回作?

*1:収録会場による制約で、通常のオーケストラ配置ができないケースもある。

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