デジタルエンタテイメント断片情報誌

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夜の「海道東征」展


信時潔の没後50周年記念プロジェクトとして、先週辺りからイベント・演奏会が続いていおり、楽しんでいる人・楽しみにしている人も多いことかと思う。先週は大阪で演奏会があり(追加公演もしている)、今週からは東京芸大を中心に「海道東征」演奏会(11/28)を始めとした一連のイベントが続く。

「海道東征」の演奏会は大阪・東京ともにチケットが売り切れたようで、少し驚いた。東京の演奏会を私が手配したときは、正直「まあ当日券もあるだろうな」とタカをくくっていたが、危うく「予定は空いているが、席が空いてない」ところだった。東京で演奏会をするなら、確かに奏楽堂というのはこのイベントにふさわしい場所だが、こんなことなら都内の大きなホールで・・・、おっとそうだ、それこそ大学近くに東京文化会館もあるじゃないか。


そんなこんなで、先日芸大附属図書館の「東京音楽学校初演から75年:《海道東征》展」(11/17(火)〜12/14(月))に行ってきた。自筆楽譜等を展示しているのだが、演奏会当日(28日)は人だかりでゆっくり見られないのでは、と思ったからだ。

東京芸大は奏楽堂含めて何かと訪れているつもりだったのだが、この日は18時過ぎということもあり、すっかり日も暮れ、道中だけでなく大学の入口まで少し迷ってしまった。とはいえこの界隈・この時間の暗闇は独特で、愉しみに辿り着くまでの気分を高めてくれた。写真は汚くて恐縮だが、到着した際に妙な達成感があり、思わず撮ってしまったもの。

夜20時まで(土曜は17時まで)開館だったので、さっさと仕事を切り上げて向かったのだが、この18時〜20時頃の時間帯はオススメしたいところである。なにせ館内の静寂の中、展示コーナーはガラガラ貸し切り状態なのだ*1。それほど大規模な展示ではないが、舐めるように観覧。1時間くらいは観ていたのではないか。

資料としては「海道東征」関連も然ることながら、新たに見つかった自筆譜や満州演奏旅行のプログラムに見入ってしまった。発見されたのはヴァイオリンとチェロの曲で、丁度最近、室内楽や器楽づいていたので*2、テンションが上がった。演奏旅行のプログラムは、演奏者・曲目を見て、当日の演奏会に延々と思いを馳せてしまう。ひとしきり観覧した後、会場設置の配布パンフレットを貰って帰宅。このパンフレットが貴重な内容をよくまとめていて、コレクター的にニンマリしてしまった。配布終了にならなければ良いが。

ここで帰宅後は「オーケストラ・ニッポニカ第2集」(MTWD99012)の「海道東征」を聴いて・・・、となるとキマった記事になるのだろうが、ついお気に入りのピアノ曲集を手にとってしまった。

以前から信時潔といえば「海道東征」あるいは「海ゆかば」の話ばかり見るにつけ、コレクター・愛好家根性的にも釈然としなかったのだが、このピアノ曲集を聴いて心が洗われた。信時潔は良いなあ、と思った。今年発売のCDに収録された、「Variationen(越天楽)」も素晴らしい。信時潔の話題と一緒に注目されて欲しいCDなのだが・・・。

木の葉集~信時潔ピアノ全曲集

木の葉集~信時潔ピアノ全曲集

越天楽?日本のピアノ曲、信時潔の系譜

越天楽?日本のピアノ曲、信時潔の系譜

作曲家とその作品の歴史背景を知ること・考えることも重要で意義あることだが、一方で「それで、その曲は好きなんですか?」と自問した時に、何となく答えに窮する自分がいないか、誰ともなしに単なるマニアックさを競っているだけではないか、省みるようにしている。この記念の年、「海道東征」にも改めて向き合いたいと思う。

*1:一応、こんな拙文のせいで混むことはないと思うが、混んでいた時はご容赦頂きたい。

*2:芸大繋がりで、芥川也寸志の生誕90年記念(不謹慎かもしれないが、もう生誕・没後カレンダー欲しくなってきた)のシンポジウム・演奏会(11/22、古賀政男音楽博物館けやきホール)にも行った。洋琴三重奏曲とNYAMBE(霊気)の録音が欲しくてたまらなくなった。

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