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演奏会「夏休み特別公演 N響ほっとコンサート〜オーケストラからの贈りもの〜」の感想

そういえば、先月7/31に開催された「夏休み特別公演 N響ほっとコンサート〜オーケストラからの贈りもの〜」に行ったのだった。正直、行こうか直前まで迷っていたのだが、N響の公式ページに載っていた、指揮者・広上淳一のインタビューに只ならぬ意気込みを感じて行くことにした。この日は、時折雨が降って蒸し暑かった。会場はほぼ満員。

夏休み特別公演 N響ほっとコンサート
〜オーケストラからの贈りもの〜
2016年7月31日(日) 16:00〜 NHKホール
(曲目)
「スーパーマン」― スーパーマン・マーチ(ジョン・ウィリアムズ
SF交響ファンタジー 第1番 から(映画『ゴジラ』の音楽など/伊福部 昭)
サンダーバード」―「オープニング」「トレーシー島」「サンダーバード・マーチ」(バリー・グレイ)
大河ドラマ真田丸」― テーマ音楽(服部隆之)**
カルメン幻想曲(ワックスマン)**
映画「千と千尋の神隠し」―「あの夏へ」(久石 譲)*
映画「魔女の宅急便」―「海の見える街」(久石 譲)*
交響詩ウルトラセブン」から(冬木 透)
ワルツ「皇帝円舞曲」(ヨハン・シュトラウスII世)

指揮:広上淳一 演奏:NHK交響楽団
ピアノ*:小林愛実
ヴァイオリン**:服部百音
ナビゲーター:平井理央

「スーパーマン」がオケを景気よく鳴らして始まり。続く 「SF交響ファンタジー」と 「サンダーバード」もその勢いでやるのかと思ったら、この2作品は落ち着きある格調高い演奏だった。特にマーチ部分は広上氏が「警備隊とか、守る側に思い入れがある」と語っていた通り、細部の聴かせ方にこだわりを感じた。もちろんオーケストラを思いっきりドライヴして演奏してもカッコ良い演奏にはなるが、個人的にそういう演奏には最近食傷気味だったので、やるなと思った。サンダーバードの演奏は最近新録に関わったこともあるのか、特に気合が入っていたように思う。

サンダーバード音楽集

サンダーバード音楽集

真田丸」は六文銭を羽織り、身につけ指揮・演奏する姿に苦笑。ヴァイオリン・服部百音(当日は赤いドレスに六文銭の旗印をくっつけていました)はさすがにドラマも観ていたようで、初々しくも楽しいトークだった。父親からは「土臭く」演奏しろ、と言われたとのこと。「カルメン幻想曲」は初めて生で聴いた*1が、やっぱりビゼーの原曲の方が私は好きだなぁ。

千と千尋の神隠し」「魔女の宅急便」はこういうコンサートで所謂「定番」のような位置づけになりつつあり、N響で聴いても、「こなれているな」という印象。もちろん市民権を得ただけでなく、残る音楽なんだろうなと改めて実感した。ただ正直、ピアノがなくても・・・とは思った。

交響詩ウルトラセブン』から」は、このコンサートの中でもとりわけ楽しいひと時だった。冒頭で指揮者・広上淳一の意気込みを書いたが、ウルトラセブンの話題で「あなたはだぁれ?」(最終話の1つ前、フック星人の話)を出すあたり、篠崎史紀(まろ)氏も只者ではなかった。この曲目にちなんで、ウルトラセブン最終話の再現のためだけに、シューマンのピアノ協奏曲冒頭が演奏されてニンマリ。ちなみに篠崎氏は当日、「脈拍360、血圧400、熱が90度・・・」という最終話ネタも披露しており(会場の反応は今ひとつだったが)、今まで以上に親近感が湧いてしまった。ウルトラセブンが好きというのはネットか何かで記事を読んで知っていたが、オープンリールのテープでウルトラセブンを”録音”して夢中になった世代は、やはりガチですな。

最後の曲目はその「あなたはだぁれ?」で使用された縁もあり、『皇帝円舞曲』というのが本当にニクい選曲。

アンコールは「ドラゴンクエスト3」から『そして伝説へ』。N響といえば、ドラクエのサントラを思い出す人もいるでしょう。最近はロンドン・フィルの収録が多いんでしたっけ。

コンサートを通じて「クラシック音楽の裾野を広げて欲しい」といった通り一遍の話だけではなく、演奏する側の作品や曲に対する思い入れが溢れる演奏会の需要は、今後見逃せないと思う。私など、今ではクラシック音楽に対する興味の方が先行しており、冒頭で書いた指揮者のインタビューを見なければ、このコンサートには行かなかっただろう。「お仕事」で企画・演奏するのも大事でしょうが、ということですな。

*1:案外生で聴く機会が少ない曲のような気がする(まあハイフェッツ自身の録音も残っているし・・・)。その意味で貴重な時間だった。

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