デジタルエンタテイメント断片情報誌

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アニメ『艦隊これくしょん -艦これ-』放送終了後の感想

今年の3月に終了したアニメ『艦隊これくしょん -艦これ-』(TOKYO MX他)の6話までを観て、大変つまらない、という感想を書いたのだが、全話観てから感想を書こうと思ってズルズルきてしまった。今回、ようやく感想を書く気になったのだが、やはり全話観てもつまらなかった。


当初興味を持つきっかけだった、VITA版ゲーム『艦これ改』は発売が延期するし、何よりアニメのつまらなさで、ゲームの興味すら薄れてしまった。本放送の終了後すぐに再放送が始まったのは話題性を見越してなのか、続編を意識してなのかは知らないが、こうして感想を書くためには都合が良かったとはいえ、何度も観たくなるほど面白い作品ではなかった。続編があるらしいが、怖いもの見たさで観たいとは思う。


6話まで観た感想を書いた時、「キャラクター」「アニメの世界観」「ストーリーと登場人物」「『敵』との戦闘シーンについて」と、大まかに4つの要素に分けて感想を書いた。全話見て、この中のどこか1つでも見所があればと思ったのだが、本当に何もなかった。もう掻い摘んで書くに留めるが、

・キャラクター

元々デザインに不満はなかったし、ゲーム未プレイが故に特定のキャラクターに思い入れもなかった。しかし、一番楽しみにしていた「このキャラクターたちがアニメでどういう活躍をするのか」という点からは、特にどのキャラの戦いぶりがカッコ良いとか、可愛い・エロいなどと思うことは、残念だがなかった。趣のない同性愛描写は、苦痛の一言。「軍船の魂」の設定なんかも、思い出したかのように出てきたり、忘れているみたいな描写を繰り返されていて、キャラクターの厚みになっていなかった。

むしろアニメがこういう出来でも、キャラクター(デザイン)はウケているのであれば、キャラさえ色々出しとけばいいのだろうな、なんてことは思った。未登場の艦娘は沢山いるだろうが、それこそ「アメリカ艦娘」も良いんじゃないの? と。オールドアメリカンでも、向こうのエロエロなキワドイ感じのデザインでも、統一された設定もなさそうなので大丈夫だろう。既存の艦娘よりも人気がでるかもね。ヘタに和装をアレンジするよりデザインしやすかったりして。ちょっと皮肉が過ぎたか。

・アニメの世界観、ストーリー

「艦娘がいる世界」に抵抗はなかったが、全話観てもこの艦娘を取り巻く世界のことは全然分からなかったし、魅力も感じなかった。鎮守府で学園生活して、甘味食って、深海棲艦倒して⋯、各々の描写自体が嫌いなわけではない。「深海棲艦ってヤバイ存在なんでしょ?」「食い物には困らない世界なんだなあ」「そもそもなんで学園生活チックなんだ?」という、行動・出来事に対する根本的な疑問が、どの話を観ても溢れ出てくるのだ。観れば観るほど有耶無耶になるか辻褄が合わなくなる。

それらの原因の一つともいえる「人類」の不在についても、(アニメとして)本当に艦娘以外の存在を極力排除した世界なんだな、で終わってしまった。そんな世界では、「合コン」という言葉や姿の描かれない提督の存在が、寒々しい。これら世界観については、せめて続編では説明台詞でも公式HPの説明でもツイートでもいいので、掴める藁くらい与えて欲しいものだ。

主人公を中心としてストーリーを顧みてもイマイチで、再放送で1話、2話あたりを観ると、期待していた頃を思い出して少し悲しくなった。同じ部隊の艦娘との関係強化、あるいはエピソードを重ねていくのかなと思わせて、部隊活動はあまり大きな意味をなさなかった(途中再編もしたのに、である)。それどころか同じ部隊の艦娘そっちのけでレベルアップ*1に奔走したり、最終話の決戦はゴリ押しのような流れで突入してしまった。また、主人公以外にスポットを当てる話があるのは別に問題ないが、6話なんて、作品全体の構成を考えたら主人公も大会に参加するものでは? 脇役として憧れの先輩にキュンキュンする主人公を見て、本当にストーリーに軸がないんだな、と思った。

・『敵』との戦闘シーン

格闘シーンはないだろうな、と思ったら最終話でいきなり殴ったり蹴ったり飛んだりしたので驚いた。しかも初めての描写がギャグ描写で、驚いたと同時に萎えた。さすがに海面をジャンプできるのなら、艦娘の存在意義を疑ってしまう。敵との戦闘は、見所としておそらく続編でも避けては通れないので、工夫して欲しい。海面を滑走するのはカッコ良いと感じるカットもあった。艦載機=矢も悪くないと思っている。艦娘に限らず、例えば艦載機大活躍の展開があっても良い。


観ているときは、世界観やキャラクターの行動を極力プラスに、かつ自分が楽しくなるように解釈する*2のだが、これほど想像を膨らませるにも補完するにしても描写が足りなかったり、イマイチな展開になるとは思わなかった。結局、終始そんな感じで放送が終わってしまった。「多数が『つまらない』という意見なので自分は視点を変えて〜」などと意見の多様性を一見強調している感想も見かけたが、要は「つまらない」という意見や指摘に目を逸らしたい感アリアリの内容で、失笑したりもした。続編も決定して、BDもそれなりに売れている。一方で、アニメ終了後にこれだけアニメの話題で盛り上がっていないのだから、出来はまあお察し、ということなのだろう。個人的に、多少なりとも最近のトレンドを感じることができたのは有り難かった。

*1:ゲームならレベルアップで"光る"という表現は大して気にならないが、アニメで大真面目にやられるとあんなに笑えるとは。

*2:つまらないと決めつけて視聴しているわけではない。趣味・興味なのだから、ごく当然の話だが。

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