デジタルエンタテイメント断片情報誌

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ベートーヴェンの交響曲と日常04:ヴォルフガング・サヴァリッシュ

1月は比較的ベートーヴェンを聴いているように思う。12月に第9や全曲演奏でも馴染みあるベートーヴェンだが、私は年末にそこまで入れ込まない。むしろ年明け、家にいるとき、取り敢えず聴きたくなる作曲家の一人だ。日常はまだまだ不確かな状況が続くが、幸い今年もそういう気分になることができた。

※前回の記事:

サヴァリッシュのベートーヴェン交響曲全集

ヴォルフガング・サヴァリッシュは実演や放送を聴いたことがある指揮者の一人だ。当時は情報ありきで音楽鑑賞に勤しんでいたので、残念ながら「ドイツ音楽を得意とする」といった前情報を仕入れた上での体験だったと思う。ただ、今こうして色々な音源に触れた上で聴き直してもその通りだと再認している。NHK交響楽団との関係が日本では知られているが、録音は外国のオーケストラによるものが多い。実演との比較で楽しんだファンも少なくないのではないか。

その中でもアタリだと思うのがコンセルトヘボウ管弦楽団とのベートーヴェン(EMI→Warner)。全曲を通じて明快なフォルムで、溌剌とした演奏が素晴らしい。クリアな録音も良い。ホールトーン、迫力にも事欠かない。これぞオーケストラという構えだ。強烈なアピールはないがどの演奏も水準が高く、第何番が良い、みたいに書く気がしない。まあSpotifyですぐ聴ける時代なので、録音についてはレーベルや収録場所、録音プロデューサー・エンジニアの情報で食って掛かる前に聴くが早い。食って嫌いは結構だが、食わず嫌いに言い訳は立たない。

CDはブリリアントクラシックスでも廉価盤が発売されていたが、Warnerがブラームスとまとめてボックス化している。こういう繰り返し聴くに耐える録音ならば、配信で聴けなくなったときのために持っておきたい。「そんなことありえない」、いやいやどうなるかわからない。それは世の中の状況から自明である。

でも、もしそのときに電気くらい使えたら、手に取れるように。

Icon - Wolfgang Sawallisch

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