デジタルエンタテイメント断片情報誌

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オーディオ物欲雑談その7 USB DACに繋ぐスピーカー

数年前にPCオーディオ移行を決めて以来、音楽の聴き方が変わった。音楽がグッと手軽になった。サブスクリプションの隆盛も大きい。いまだに未知の音源を求めてCD・レコードを漁ることがあるが、「知らない音源はまずネットで探す」が通常手段になった。少なくとも私の聴くジャンル(クラシック)では、音質面でも一定のクオリティが保証されていると個人的に認識している。

普段USB DACで音を出すときはD/Aコンバーターとして、アンプ経由でメインシステムに繋いでる。ところが最近、この点についても少し工夫したくなった。具体的には、USB DACにスピーカーを繋いで気軽に音楽を楽しめるようにしたくなったのだ。

私が使用しているUSB DAC、ソニーのUDA-1はヘッドホンやスピーカーが一通り接続できる。ヘッドホン部分に関しては良く言えば音源そのままの出力、悪く言えば平凡だ。ヘッドホンアンプでこれより”聴かせる”ものはいくらでもあるだろう。だがUDA-1に限らず、案外、この手のUSB DACにスピーカーを繋いでいるという話を見かけない気がする。ヘッドホンアンプと使用しているヘッドホンの話題は比較的見かける。

SONY USB DAC アンプ ブラック UDA-1/B

SONY USB DAC アンプ ブラック UDA-1/B

  • 発売日: 2013/10/12
  • メディア: エレクトロニクス

私は音量に限らず、音源や機器がつくる音場感に浸りたいクチである。ヘッドホンも一時期よく利用したが、最近は楽器の各セクションを細かく聴いたり、あるいは本当に真夜中に音楽を聴くときくらいの使用頻度になった。これは日中ある程度音量が出せる自分の音楽環境も影響していると思う。何より、ヘッドホンで聴いたときの印象とスピーカーで聴いたときの音楽の印象はやはり異なる。その確認もしておきたい。

そこでUDA-1のスペックで鳴らせそうな、コンパクトなスピーカーを漁っていた。ノートPCの横においても威圧感なく、机の上に置けるミニチュアのようなサイズのものだ。JVCケンウッドやパイオニアがパッと思いついたが、結局他の製品に辿り着いた。
ちなみにUDA-1の接続にはSS-HA3というソニーのスピーカーが想定されていると思うが、今回は敬遠した。私が想定したサイズより、気持ち大きいのである。机の上に置くので幅は10cmくらいが嬉しい。もう一つ理由があるがそれは後述する。

SONY スピーカーシステム ブラック SS-HA3/B

SONY スピーカーシステム ブラック SS-HA3/B

  • 発売日: 2013/10/12
  • メディア: エレクトロニクス


今私が使っているのは、TEACのLS-101HRである。2016年の製品。これが机の上で音を流すに丁度良い。同社のハイレゾ対応コンポ、HR-X101に付属していたスピーカーである。海外では単品発売していた様子。新品の発売時は1.5万円クラスで、中古でも現時点で同じくらいの相場だろうか。わたしもそのくらいの値段で入手した。

これを導入した大きな理由としては、

・コンパクトでハイレゾ対応

TEACにはLS-101という同サイズのスピーカーがあるが、こちらはハイレゾ対応を謳っていない。普及版という位置づけだと思われる。前述のJVCケンウッドやパイオニアがこぞってハイレゾ対応の高域再生可能なモデルを発売しているのに、競合品ではないのだ。どうせならハイレゾ対応の製品を使ってみたかったので、過去にそんな製品なかったのかしら、ということで探したら見つかった。

TEAC LS-101 小型ブックシェルフ型スピーカー

TEAC LS-101 小型ブックシェルフ型スピーカー

  • メディア: エレクトロニクス

・将来的にTEACの製品に切り替えても使えそう

実はこれが結構大事な理由なのだが、TEACはコンパクトサイズのUSB DACに力を入れている。対してソニーはUDA-1の後継機が残念ながら発表されそうにない。将来的にTEACのUSB DACを使ったときに、まあこの製品なら繋げても変な音にならないだろうという打算があった。前述のSS-HA3を敬遠した理由もこれだ。TEACがLS-101のハイレゾ対応後継機を発売してくれてもいいのだが。


実際にUDA-1と接続してSpotifyやハイレゾ音源、CDからライブラリー化した音源を聴いた印象としては、まず音の立ち上がりが早い。UDA-1のアンプ部はさほど強力ではないが、音量を問わずきちんと鳴ってくれる。

音のバランスについては、比較的見通しが良く、癖がない。悪く書けば素っ気ない。高音はそれなりに表現してくれるもののキラキラしているわけでもなく、低音はサイズなりに頑張っているという感じだ。だがこれがクラシックには良かったりするのだ。オーケストラから声楽、ジャンルであれば現代音楽まで幅広く聴くので、特化型ではかえって困る。ただ、小編成の室内楽などになるとやはり相性が良い。POPSのボーカルも悪くない。新し目の音源やハイレゾ音源になると音源なりに音楽がせり出してきたりする。音源なり、というのはすごく褒め言葉だ。

また、この癖のなさ、素っ気なさは映画やTV番組の配信動画を観るにも丁度良い。音が原因で鑑賞中にくたびれたくないときは、こういうスピーカーが良いとつくづく思う。末永く普段使いできる点で、私が今も使っているアクティブスピーカー:SRS-Z1(ソニー)のように使えるのが嬉しい。もちろん音場感、空間の再現度はスピーカーの容量故にLS-101HRに軍配が上がる。余談だがSRS-Z1の底力も再認した。

SONY アクティブスピーカーシステム OZ SRS-Z1

SONY アクティブスピーカーシステム OZ SRS-Z1

  • 発売日: 1999/06/30
  • メディア: Personal Computers


LS-101HRのようなスピーカーを机の上や本棚にポンとセットした書斎でも作りたいと思い、このご時世もあって模様替えをしたりしている。そういう気にさせてくれるのもこのスピーカーの魅力、愛着かと思う。大事に使いたい。

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