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『ガールズ&パンツァー劇場版』 極上爆音上映・感想その2とBD版の感想

正確には上映が完全に終了したわけではないのですが、大洗凱旋上映も終わったので、ここらで改めて『ガールズ&パンツァー劇場版』の感想を今の実感と併せて書いておきましょう。2015年11月21日の公開以来、幾度となく感想を書いたのですが、これほど長期に渡って上映されるとは想定していませんでした。当初と感想の基本線は変わっていないつもりですが、公開中に作品の音響やアトラクション的な魅力について大幅にピックアップされたこともあり、今まで書いた感想に追記・補足したくなった点があるのも事実です。

というわけで、<極上爆音上映>(センシャラウンドファイナル エクストラ6.1ch)の感想と、劇場で観た『劇場版』と自宅でBD視聴した『劇場版』に思うこと、感想2本立てです。

※初めて<極上爆音上映>を体感した際の記事はこちら:

◆<極上爆音上映>の感想その2(センシャラウンドファイナル エクストラ6.1chを体感してささやかに)

2016年の年初に立川シネマシティで体感して以来、<極上爆音上映>も改良が加えられ、同年6月には”センシャラウンドファイナル エクストラ6.1ch”での上映へと進化したとのこと。<極上爆音上映>の感想は既に書いたとは言え、やはり当時と趣が異なるだろうということで、こちらも観に行った(シネマ・ツー、b studio)。昨年10月頃の話である。『劇場版』上映から約1年経過という時期だったが、それでも週末は満席になるという状態。ただまあ、流石に平日(朝9:05〜)の時間は余裕で席を確保できる状態だったので、時間を見つけて予約した。座席はD列。やや前目にしてみたが、観るならこの辺りが最高かな、というのが当日の印象。これより前の列は流石にスクリーンが近すぎるように思う。

それでは音響の感想。これはa studioとb studioの違いもあるのだろうが、2016年の1月に体感した頃と比べると、音のキレ・迫力が増していたことに嬉しくなる。特にカールの砲撃なんて、初めて体感したときは物足りなさを感じていたのだが、地響きのように鳴り響くようになり、虎の子兵器の面目躍如という印象に変わった。また、以前は「音楽」と爆発音が混濁したような場面があったが、そういう風に感じられる箇所もなくなっていた。もともと世間では概ね好評だったのだが、そこに満足せずさらなる改良を加えたこともロングランになった要因なのだな、と実感した。

ただ、例によって作品全体の印象となると、”センシャラウンドファイナル エクストラ6.1ch”を体感して新たに思うところがあった。これは後で示すBD版視聴での感想にも関係あるのだが、実は戦車戦以外のシーンが以前よりも一層面白味がなく、冗長で退屈に感じてしまったのだ。今作は戦車戦に上映時間の多くを割いているはずなのに、少しでも戦車の戦う・動く場面がないと、集中力が切れそうになる。1月に書いた感想では、戦車戦の音響も単調に感じていたのだが、それが解決されると、今度はかねてから気になっていた話の展開やキャラクターの弱さが、観ていて際立ってしまうのだ。

やはり『ガルパン』は戦車戦中心のアトラクション的な魅力に全て振り切った方が良いのか、いやそれではせっかく作り上げた”戦車道のある世界観”がもったいないのでは・・・ロングラン、次回作(最終章)発表のニュースをファンとして喜びつつ、今だに煮え切らないものがある。幾度となく観た『劇場版』の、最高と言われる上映形式で観てそんな思いを新たにした。

◆『ガールズ&パンツァー劇場版』BD版を視聴しての感想

『劇場版』公開後、数回に分けて感想を書いたが、BD発売・視聴後、新たに書きたいことや追記があるのでここで挙げておきたい。BD版は市場にかなり出回っている様子で、手に入れにくいということもないだろう。むしろ今が本当の買い時・楽しみ時なのかもしれない。

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・自宅で感じた”音響”

BDに収録されている音響は劇場での響きを意識しているのか、サントラと同様、音源自体に残響付加しているのが少々気になった。ただ、5.1chでの迫力自体はかなり良好だと思う。<極上爆音上映>や4DXを体感した後だと物足りない、みたいな感想を見かけたが、劇場さながらの臨場感はなかなかのものだ。自宅鑑賞故に、戦車戦が始まって思わず音量を下げてしまうような”激しい”音が飛び交うシーンも多々あった。

最近はPCに接続するような格安のアンプでも高性能なものがあり、これにスピーカーを揃えればステレオ音声を増強するのも容易なので、家での楽しみ方としては選択肢が広くてお薦めできる。

・改めて、戦車戦での戦車の映像・アクションはどうだったか

劇場上映時との映像の違い・修正等よりも、そもそも今作での戦車描写はどうだったかを追記しておきたい。率直に言って、やはり戦車の動きが軽くなってしまったかな、という印象。TV本編では、戦車の「リアルな重量感・動き」と「映像・演出として映える動き」のサジ加減が絶妙で、そこに戦車に関する興味・知識を超えた「面白さ」があったのだが、『劇場版』ではそのバランスが崩れてしまったように思う。端的に言えば、飛んだり跳ねたり、やたらと速く・すばしこい画が多いように感じた。ジェットコースターなんて、痛快さよりも”やり過ぎ”な印象が正直否めない。

その上、これまで作中で挿入してきた「履帯が外れやすい」「故障しやすい」といった戦車のエピソード(あるいは薀蓄的な特徴)を思い出すと、どうにも観ていて鼻白んでしまう。(作品を通じて)戦車のことを知っていたら尚更「もうどんな戦車が出ようが、見た目以外大差ないのでは」と感じてしまうのではないか。そこでは作品に「新たな戦車」を登場させる魅力も薄れてしまうだろう。これは音響やスクリーンの恩恵がない自宅で視聴した際に再認した。『最終章』の映像面はこの辺りが重要なポイントになると思う。なぜなら、『劇場版』と同じようなアクションもまた、マンネリの烙印を押されかねないから。

・オールスターの魅力と弊害

たしかに全校・キャラ登場させないと「不公平だ」という不満が上がるのは目に見える。自分にも贔屓のキャラ・学校があるのでよくわかる。ただそれがあまりに予定調和で、イマイチ盛り上がりに欠けた感がある。特に大学選抜との試合前の各校集合など、描写がないことによる不明瞭さ・唐突さを避けたにせよ、分かり易く画にしたが故にやはりインパクトが弱い。これは大学選抜側の反応・描写が不足しているのも原因だろう。それこそ大学選抜の選手だって、ざわついたり、感嘆の声を上げたり、ブーイングしたっていい。作品全体として、そういう描写ができるストーリーの下地、または主人公(側)と接点のあるキャラクターを大学選抜側に作らなかったことも尾を引いているようで、観る度に口惜しい。上記<極上爆音上映>の感想でも書いたが、ここが戦車戦以外のシーンがかえって冗長に感じるようになった要因なのだろう。

『最終章』もまた、これまでの登場キャラが全て出演するらしいが、ぜひともストーリーの流れや構成で『劇場版』より各キャラの繋がり・見せ場をつくって欲しい。戦車戦を見所あるものにするために、映像や音作り以外にも力を入れて、映像・音響・メディアを選ばず本当に何度も観たくなる作品になって欲しいと思う。

◆『最終章』への期待

今まで細々と書きましたが、改めて書いておきましょう。まず地上波での放映でなかったことは残念です。毎週ワクワクする楽しみと、現在地上波で放映した際のクオリティを確認したかったです。ただこれは、かつて放映時に総集編を挟んでしまったことも影響しているのでしょう。6章は正直長丁場だなと思いましたが、まだ観ぬ作品ですので面白くてファンが増えるような『最終章』をもちろん期待しています。ヒットしても区切りをつけるというのであれば、悔いはないです。願わくは技術が進んで、今は手間や時間諸々がかかる映像作りが容易になった暁には、また新章が生まれるような作品として名を残してほしいと思っています。

(2017/12/15追記)現在公開中の『ガールズ&パンツァー最終章』第1話をシネマシティで観た感想を書いたリンクは下記(またはコチラ)。現在の極上爆音上映についてはこちらを参照願いたい。

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