デジタルエンタテイメント断片情報誌

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邦画と特撮、アニメに寄せて 映画『迷宮のしおり』

1/1から公開されたアニメ映画『迷宮のしおり』を観たので感想です。この時期なのでストーリーに関する内容やネタバレはあり。予告とビジュアル以外は特に情報を入れず鑑賞。この手の映画であまり公開前に盛り上がっている作品が残念ながら最近思いつきませんが、正月の楽しみで観ました。

※画像をタッチ・クリックすると特報(YouTube)が再生できます。

映画『迷宮のしおり』の感想

序盤の見せ方が古典的でややかったるいが、扱っているテーマは攻めた内容だと思う。同様なテーマを扱った作品が思い浮かぶが、本作はもっと等身大の切り口で好印象。昨今のSNSやスマホ依存、Youtuber、インフルエンサーがテーマである。これからこのようなテーマがアニメ映画で扱われるとしたら、次はAIも加わるかなという気がした。

普段こういった作品の時に、キャストの演技の話題であまり注文をつけないのだが、演じ分けも作品の肝である。その点から書くと、主人公は長台詞のときのベタベタした感じが気になる。Youtuberやインフルエンサー特有の素人感は申し分ない。歌唱は問題なく、歌を評価されての抜擢かなとも想像する。ただ展開で重要なことも喋るので、もう少し芸達者な配役にして欲しかった。

ストーリーは、やや締めくくりが昨今のアニメ映画特有のハッピーエンドに寄せた感が強かったか。他作品の感想でも度々書いているが、リピーターを狙うに制作側はこの辺り苦心しているのかなとすら思う。ただ中盤メインとなる、二面性を描くという観点は良かったと思う。二面ではなく、多面性か。夢中になれること・なっていることが本質的にないが、挫折なり過去のトラウマはそれなりに引きずる、といった主人公の今どき感もちゃんと出ていて感心した。親友や交友関係もこのくらいの深度が、むしろ生々しいのではないか。所謂ラスボスの背景も、善意から始まって⋯というのが古典的でもありリアルでもあるのが興味を惹かれた。後半の鍵となる男子のクラスメートは存在感が弱くて、もう少し序盤から展開に絡めて欲しかった。

映像の見せ方は面白かった。アイコンをモチーフに、古典的な擬人化から今どきの映像処理までソツがない。制作側の趣味か、ロボットバトルも変形から巨大感・重量感の表現が見応えあった。こういうお遊びは歓迎したい。

昨今、オリジナルのアニメ映画公開も盛んになっているが、映像面はかなり高水準で安定してる。後はやはり、人が人を呼びヒットするようなストーリーや盛り上がりが必要かなと思う。とは言え、本編のように誰かが仕掛けてヒットしたところで⋯と考える作品だとしたら、後年になって内容を思い出したくなる、なかなか侮れない作品ではないかと思う。


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