デジタルエンタテイメント断片情報誌

デジタルな話題もそうでない話題も疎らに投稿

『ガールズ&パンツァー もっとらぶらぶ作戦です!』第1幕の感想

12/26から上映開始されている『ガールズ&パンツァー もっとらぶらぶ作戦です!』第1幕を観てきたので感想です。遅々として進まない『最終章』(本編)で不足しがちな、日常描写に対する渇望を公式スピンオフで満たそう、という意図かどうかは知りません。もう第4幕まで予定されているのですね。『最終章』もそういうスケジュールで公開できていれば⋯ということを書いてもしょうがないですが、久々にガルパン絡みでサクッと楽しみたいと思います。

※画像をタッチ・クリックすると動画(YouTube)が再生できます。

原作コミックスを読んだ上での鑑賞・感想ですか? 答え:はい

他のアニメ映画だと、原作が小説や漫画でも「映画として面白ければOK」のスタンスで下準備をあまりしないのですが、さすがにガルパン絡みで原作は読んでます。コミックスもWEB出張版も何だかんだ連載長いですし。もちろん今でもwebで読めます。今回、期間限定で全話無料公開していたので改めて読み直しました。さすがに全話憶えてないので初期の話が懐かしかったです。

ガールズ&パンツァー もっとらぶらぶ作戦です!

配布コンテンツ|『ガールズ&パンツァー もっとらぶらぶ作戦です!』 WEB出張版|ガールズ&パンツァー最終章 公式サイト

ではこれまで作品としてどう思っていたかというと、正直、賑やかしくらいの認識でした。公式スピンオフですし、分別があれば本編とのギャップや違いに目くじらを立てるものではないでしょう。かといってファンにありがちな「本編では~、小説では~、〇〇版では~」とつんのめって話をするものでもなく。それをやって設定ごちゃ混ぜした話題を披露してもしょうがないですから。あと、ファンアートなんかもそうですが、ガルパンという題材を上手く扱っている作品には大いに注目します。作家の人となりやガルパン以外のオリジナル作品まで関心を抱いたり手放しで称賛するかというと、そういうことはしない向きです。

登場人物の関係やエピソードは、オリジナル要素を入れつつも、基本的には涙ぐましいまでに本編に即しているかと思います。会話していた、というだけでなく、そういえばあのカットで一緒にいたな、といった「そこを拾うか~」というキャラの組み合わせもあります。なので本編で接点のないキャラは、ホント一緒に登場しないし、会話もしないはず。この点だけは正直、本編なんとかしろ、と言いたくなるときもあったり。贔屓の学校やキャラがいると尚更。

コミックスで好きなキャラは華。初期から強者の風格漂う感じが良い。コミックスで、色んなキャラから矢印を向けられているみほに対するスタンスも余裕があって好きです。みほとの絡みが少ないのが残念なくらい。学校ならプラウダ。プラウダは連載当初から現在まで、キャラのブレが少ない気がします。こういうご時世ですが、臆せず登場して欲しいです。あとエピソードとしては、ホラー調の回はギャグとの緩急がすごく好み。プラウダがメインの話でも確かあったはず。

『ガールズ&パンツァー もっとらぶらぶ作戦です!』第1幕の感想

ちゃんとファンが観て面白い作品になっている。ガルパン好きなら気楽に楽しんで欲しい出来映え。既に第4幕まで公開が決まっている上に特別料金と攻めているが、第1幕を観た限りは次も観に行きたいと思った。ちなみに特に上映館を気にせず観に行ったが、席はガラガラだった。イベントではまだまだ集客出来ているようだが、やはり本編があの進行速度では映像作品の発表となると苦しいか。流石に舞台挨拶まで見ようとは思わなかった。

OP、EDは『最終章』よりもワチャワチャしていて好きである。キャラの躍動感が楽しい。大げさに書けば、スピンオフとは言え、普段はこんな場面もあるのかなと惹き込まれる。特にOPは掴みとして成功している。本編とのスタッフの比較や違いの効用を憶測で書く気はないが、この制作陣は手慣れている感がある。カバさんチームの尻振りは何回も観たい。今回は繰り返されてもよしとする。公開毎に毎回OPとEDの映像を変えたら大したものだが、それは多分厳しいだろう。

また、音楽が凄く良い。本作をダシに『最終章』を腐す気はないのだが、『最終章』もこのくらい耳に新しい楽曲を用意して欲しかった。本編ばりのオケ楽曲から、ギャグに合わせたコミカルな曲調まで劇場でよく映える。また、本編のように音響効果を売りにしてはいないものの、通常上映でこのクオリティが出せるのは素晴らしい。作品と映画館の進化を感じる。

構成はガルパン本編のTV版から辿っていくのではなく、選りすぐりでアニメ化する様子。コミックスも本編も長く続いているので、そこを丁寧にやると最新話の人間関係に追いつかない。これだけ登場人物が多いので、キャストの色んな演技を聴けるのはとても楽しい。もちろん本作のエピソードを『最終章』までの本編に結びつけて語ることはしない。しかし、こういうキャラクターの魅力は本編でも引き出せたのではないかとつくづく思う。

エピソードは前述の通り、本編でどうやっても知り得ないキャラのエピソードもふんだんである。審判員のエピソードなんて考えつきもしなかった。そう言えば成人だったか。登場した食べ物は新たに、大洗でコラボするだろうなと想像する。個人的にはそこまで盛り上がるものか? という西住しほや島田千代が輝いているのも本作の強みか。コミックスでクスッとなった「小千代」の台詞に音声がついて感慨深い。愛里寿も本編ではみほ並に超然としたところがあってあまり惹かれなかったが、人間味を持たせてよく料理していると思う。後は各学校の制服に着替える(着替える必要がある)エピソードが卓越している。グッズや一時の展開のためだけに着せ替えするのではなく、これだけエピソードの流れで活かしていれば、グッズが出ても食指が動くというものだ。

特にコミックスの連載初期は、本編から百合アニメ的な要素を汲んで盛り込んでいたと思う。その名残を感じるエピソードが今回映像化されている。本編OVAでメインのストーリーになっているだけあって、たかちゃんひなちゃんの絡みは遠慮なく登場する。グッズ化もされているし、むしろ本編でまた何かあってもいいくらいだが。これに限らず、アンツィオ高校はやはりOVAでそれなりに描いているので想像の余地も大きい。それが学校の人気の理由だと再認する。そしてTV版を集約したかのような、各方面から西住みほに向けられる眼差し⋯。それをエリカがかっさらうのもまた、アリかなと思う。作品タイトルよろしく、このノリで映像版オリジナルエピソードなど観てみたい。本編で観られない学校の組み合わせなど妄想するが、エピソードのストックも多いし望み薄か。


配信やディスク発売を待ってもいいが、ファン向けの年末年始や月毎の楽しみとして、コミックスや本編と併せてささやかに第2幕以降を期待したい。


スポンサーリンク