デジタルエンタテイメント断片情報誌

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生誕110周年・ショスタコーヴィチ交響曲全集を聴く 序

ショスタコーヴィチの人気はやはり凄い。とりわけ生誕100年(2006年)を機に、音源の復刻や新録の話題が尽きない。ファンとしては、毎月・毎年何かしら嬉しい悲鳴を上げているように思う。もちろん演奏会での登場頻度も(体感ではあるが)高くなっており、家でも外でもショスタコーヴィチ三昧、という日も少なくない。今月もロジェストヴェンスキーが読売日本交響楽団とオール・ショスタコーヴィチプログラムをやるというので(9/26)、聴きに行く予定だ。こういうとき、在京で良かったと心底実感する。

そんなところに、新生メロディアが今年発売した、生誕”110”周年記念の交響曲全集ボックス(10枚組 MEL CD 10 02431)を購入してしまった。どちらを購入しても結構だが、現時点(9/4)のAmazonでは、MP3(音源ダウンロード)よりもCDで購入したほうが安い。個人的に、こういうときはまだまだCDを買ってしまうなぁ。

Shostakovich: All Symphonies

Shostakovich: All Symphonies

ショスタコーヴィチや旧ソビエトゆかりの演奏家で固めた全集で、既出・所有しているCDとのダブりが大半だ。それでも数少ない初CD化、初出の音源がなかなかニクいチョイスなので、購入に踏みきった。とは言え、まだ買うのを躊躇っている御仁もいるだろう。

そんなボックスだが、収録のコンセプトがイマイチなら、いっそ自分から少しでも有益なネタを提供してしまえというわけで、これからこのボックス収録の音源をメインに、交響曲第1番から聴き直して記事にしようと思う。有名な録音はもちろん、再発されていない録音、CD化されていないレコードの音源にもできるだけ触れてみたい。要は「こんな音源を収録・復刻して欲しかった(今後も希望)」発表会、というわけですな。初演者・初演を振り返る、というのも考えたが、まあそれはそれで音源も演奏者も限られてくるし・・・。発売にあたって、メロディアもその辺りは検討したんだろうなぁ。

今回はとりあえず、初CD化、初出の録音の感想を簡単に書いておきたい。もちろんこれらの録音も、改めて記事にする。

また、CDで購入するのはどうも・・・という御仁には、音楽配信サイトSpotifyが無料配信しているので、そちらも検討しては如何。
open.spotify.com


まず、1965年録音の初出音源、交響曲第11番(コンスタンティン・イワノフ指揮・ソヴィエト国立交響楽団)。これはショスタコーヴィチのファンなら、聴いて損のない、よくぞ収録してくれた録音だと思う。HMVやタワーレコードのサイトでは表記がなかったが、ステレオ収録のライブ録音(聴衆のざわつき・拍手も収録されている)。録音の雰囲気はムラヴィンスキーとレニングラード・フィルがモスクワ音楽院で行った同年の有名なライブ録音と非常に似ている。音源の保存状態やリマスタリングが良かったのか、鋭くて、鮮明な音に聴こえる*1

演奏もまさに激烈。今までイワノフ指揮の録音で思いつくものが殆どなかったが、この録音で俄然興味が湧いてしまった。R.コルサコフの『シェエラザード』なんて聴きたくて、レコードを探している。少し話が逸れたが、ムラヴィンスキーもかくや、というテンション・テンポに加え、オーケストラがよく応えている、というか暴れまくって凄い音を出している。私にはこの暴れっぷりがたまらない。繰り返し聴くのはくたびれるだろうが、所有していれば間違いなく「こんなの聴きたい」「また聴きたい」となってしまう録音。

本当にようやくCD化された、マクシム・ショスタコーヴィチ指揮・モスクワ放送交響楽団の交響曲第15番(1972年録音)。マクシムの坦々とした曲運びと、生々しくもどこか乾いた感じのある打楽器を始めとした各セクションの音に、不思議と吸い込まれる。一音も聴き逃したくなくなって、「音」を求めていたら、演奏が終わっていることに気がつく。そんな演奏。長らくレコードの音源で楽しんでいたが、その雰囲気を失うことなく、良い状態で復刻されており、大変嬉しい。この録音に比べると、後年マクシムが指揮した録音は、マクシムの個性がよく出ているように思う。ロンドン響との録音は、特に粘っこい。

まだまだ語りたいことはあるが、以降はじっくり、ゆっくり記事にしていきたいと思います。各交響曲へのリンクは下記:








*1:個人的に、新生メロディアは音源の復刻が上手くて安心できる。余談だが、コンドラシンのショスタコーヴィチ交響曲全集の音質は、Aulos、BMG(国内盤)、VENEZIA、新生メロディアならどの盤を選んでも良いと思う。どれも大差はない(交響曲以外の収録も考えて選ぶのなら、私は新生メロディアを選ぶ。VENEZIAでも良いか)。それよりもコンドラシンの全集を早く味わってショスタコーヴィチに浸ってほしい、というのが正直なところ。もちろん「やっぱりレコードの音が」「いやchant du Monde盤も」といったこだわりは否定しない。ただまあ、音質の優劣から盤の推薦・非推薦を書くなら、せめて使用機器(環境)くらいは明記して欲しいものだ。画像もアップしろ、などと本当に使用しているかまで別に詮索しないので、それくらい参考にさせて欲しい。私は「音響機器」のタグで自分のオーディオ環境は載せている。

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