暑い日が続いていませんか。私の住んでいる地域が暑いだけかもしれません。今年は家で仕事をしているので、早々にクーラーを使ってしまいました。
昔から日本では納涼として怖い話、幽霊の話が語り継がれてきたわけですが、デジタル全盛の昨今、すっかり影が薄くなっているのではないでしょうか。私の体感だけかもしれません。
ちなみに私の霊に対するスタンスはこの読書記事がわかりやすいかと思います。霊の存在を信じないわけではないが、科学を無視して信じることもしない。記事タイトルのくだらなさは置いておいて。
というわけで今回紹介するのは『ラプラスの魔』(PC-88他 ハミングバードソフト 1987)。超常現象の謎を解き、幽霊の写真を撮ってお金を稼げる怪奇RPGです。マップは3Dダンジョンタイプです。
後にSFCやPCエンジンといった家庭用ゲーム機にも移植されたようですが、そちらは2DRPGだそうでね。移植でも結構大胆なアレンジだったんですねぇ。そして記事タイトル通り、今回プレーしたのはプロジェクトEGGで配信中のX68000版(1990)です。
X68000版の良いところ
まずなんと言ってもグラフィックです。美麗です。実はPC-98版も配信されているのでそちらをプレーしようかと思ったのですが、今見てもグラフィックがキツイ。当時パッケージの裏を見て買うのをやめた記憶があります。それがまさか、X68000版が遊べるようになるとは。とても嬉しい。
ちなみにPC-98版は『PC‐9801ゲームリバイバルコレクション』(コンプティーク編 角川書店)にも収録されていました。この本は簡単な攻略記事(当時物)セットで嬉しい一冊なのですが、今はプレミアがついているので遊ぶなら収録作品が揃っているEGGで問題ないでしょう。
PC‐9801ゲームリバイバルコレクション (Kadokawa Game Collection)
- 作者:コンプティーク
- 発売日: 2004/04/25
- メディア: 単行本
そして音楽が素晴らしい! いきなりOPの音楽、X68000の音源に感動してしまいます。作曲家、そして紅白出場歌手という凄い経歴の持ち主。音楽担当がデカデカと紹介されるのも珍しいのですが納得。
果たして”涼しく”なれるのか
このゲームはまず、キャラクターメイキングがとても大事。ゲームで動かす探偵や霊能者の能力を決めます。名前や生年月日を決めたあとのパラメータはルーレット方式です。これがつい時間をかけてしまう。名前の元ネタを調べたりと、半日くらいやってしまいました。
よく知られた序盤の攻略ポイントで、「序盤はお金がないので、作成したキャラが初期に持っている所持金を集める」というのがあります。このゲーム、キャラクター作成画面では12人まで作成できるのですが、探索で使えるのは4人。だけど4人だけ作成すると所持金が少ない。そこで12人分作ってそのお金を探索する4人に集めちゃうわけですね。ただ12人しっかり作ろうとすると割としんどい。ちゃんと作るのはメインで使う6人くらいまでがいいと思います。
※お金がないと武器や道具が満足に揃えられない。名前や誕生日の元ネタは、おとり捜査官やとんねるずといったテレビネタを仕込んでみたり。怒られない程度に。
また探索パートでは、全滅(死亡)するまでプレーしないようにしましょう。ダメだと思ったら切り上げること(リセットボタンを押す意味で)。バッドエンド後は、キャラクターやアイテム、所持金がなくなった状態がセーブされて再スタートなので注意が必要です。そんなのわかってる? はい、ただの体験談です。いやあ、キャラを作り直しての再プレーはキツかった。
それから3Dダンジョンの探索は雰囲気あって好きなのですが、オートマッピングではありません。1990年くらいになるとオートマッピングのゲームも多かったので、久々にうろたえました。多分RPGでマッピングするのは『XALXの紋章98』(フリーソフト)以来だと思います。
※今でもダウンロードできるので驚きました。
EGGの配信ではマニュアルと一緒に方眼紙(当時のおまけ)が入っています。これを使ってもよいですが、今は便利なマッピングツールがあるので用意しましょう。
それではいざ探索なのですが、これが難しい。いや、プレーが無理な難しさではなくて、腰を据えてやらないとダメですね。気軽に「〇〇まで話を進めたよん」と紹介できる作品ではなさそう。しかも序盤の敵キャラは割と明るいタッチで、普通のRPG風味。探索・謎解きも大事ですが、まずはいかにトラップや戦闘に対処するか、コツを掴むのが先決です。掴んでないとキャラのパラメータが惨憺たる有様です。ただの体験談2回目。
※ひとりでに演奏を始めるピアノ。こわーい。
※動物から、ゾンビといった定番も普通に登場します。もちろん幽霊のような精神攻撃しか効かない敵もいます。
そんなわけで涼しくなるというより、忘れかけていたあの頃のゲーム特有の不条理さやプレーに粘り強さが必要な点に、何だか熱く、そして気だるくなる作品でした。最初にくらった素っ気ないバッドエンド画面を最後に貼って、気を引き締めて遊んでいきたいです。クソッ。