デジタルエンタテイメント断片情報誌

デジタルな話題もそうでない話題も疎らに投稿

『ガルパン・ファンブック 月刊戦車道別冊 第41回冬季無限軌道杯大特集号』の感想他雑談

予定されていた先行発売との兼ね合いで発売時期が分かれていた『ガルパン・ファンブック 月刊戦車道 別冊 第41回冬季無限軌道杯 大特集号』。恒例ムックの『ガールズ&パンツァー最終章』版です。3/23発売分は予定通り発売されたので(現在売切)、感想です。次回は4/24発売(4/5時点予約締切)とのことですので、一応ネタバレありとことわっておきます。
a-onstore.jp

ちょうど3/27から『最終章』第2話のレンタル配信も開始されたので、本編を観た後の楽しみにも好都合なのではないでしょうか。

ガールズ&パンツァー 最終章 第2話

ガールズ&パンツァー 最終章 第2話

  • 発売日: 2020/02/27
  • メディア: Prime Video

『第41回冬季無限軌道杯大特集号』の感想

普段表紙から感想を書くことはほとんどないのですが、表紙のダージリンが可愛いと思いませんか。髪の編み方というか留め方が。襟足のボリュームと髪のほつれ具合がすごくチャーミング。素朴さもあって良い。公式の絵でも割と簡略化されたり、頭の輪郭に合わせたボリュームになってたりするのね。これはアニメ本編も同様。ファンアートでもここに惹かれる絵って、私は記憶にないですね。そこにきて、この表紙の描き方は好きだなあ。紅茶といった分かりやすい記号で済ますだけでなく、一味ついてると好印象。

そんな風にいきなり表紙をまじまじと眺めていたのですが、今号は内容も結構良い線行っている気がします。やはり第1回戦の試合特集という、本編から当然興味が湧くところに記事の大部分を割いているのは大きい。「公式が提唱する、本編の楽しみ方」とでも言いましょうか。これが公式設定だ、と反芻するのではなく、作品世界をベースに想像力、ガルパンにまつわる知識で楽しんでね、というわけです。あの学校にはこんな戦車があって、こういう戦法を採ったんだろうな、そんな楽しみ方です。なので今後本編での戦いぶりが誌面と異なってもいいし、ファンから「いや、〇〇高校ならこういう戦い方じゃないの?」みたいな意見があってもいい。

とは言え、第1回戦敗退組はBC自由学園を除くと、改めて戦車の性能面で分が悪い。これにTV版~『劇場版』組が負けるのはちょっと考えられないな、という気分になってしまいます。映像がない、文字での試合経過・試合描写であるが故に、一層無慈悲な負け方が際立つ面もあります。

あとは大洗女子対BC自由学園について。さすがに本編準拠の内容です。試合のポイントでは、橋の上で大洗女子を1輌も撃破できなかったことと、その原因を解説。ただその原因が、”(導入したARL44が)新規導入の車輌であり、乗員が不慣れだったことも理由の一つとしてあげられるだろう”は、お話づくりとしてはちょっと納得行かないかな。どちらかと言うとあの場面は1、2輌はやられてピンチを煽ってもいい場面だった。いくら不慣れでもそのくらいあっていい状況だった。大洗女子が勝つなら尚更、全車輌無事は出来すぎでしたね。ここは私もつい作品に身を委ね過ぎて、「ここじゃ負けはつかないだろう」くらいで観ていたのであまり考えていませんでした。今号はこういう反省もできて良いです。

ついでに書くと、1、2話はカモさんチームの活躍に偏りすぎかな。大洗女子の面々に作中でバランスよく役割を与えて動かすのは難しいのでしょうが、こういう「カモさんばっかりだな」みたいな印象は上手く本編中で緩和して欲しいところ。第2話の感想でも書きましたが、そこを補うのがチーム同士の会話だったり、1回戦の反省会だったり、色々仕込めそうなのですがね。ほんの些細な人間関係、信頼関係を見せるだけで、戦車戦だって画面や音の迫力以上に意味や背景を感じて映えると思うのですが。本作はやはりキャラクター周辺の関係構築が淡白だな、という印象です。これを放棄したまま作品を進めると、大洗女子が「成長」「チームワーク」を謳ったときに観客との間に温度差が生じるでしょう。それこそ『劇場版』のエリカの台詞が笑えなくなる。

話を膨らませすぎましたが、この他誌面では2回戦の注目校で継続高校とサンダース大付属高校が挙がっています。直接対決の2校ですが、勝つとしたらどちらでしょうか。個人的にはトリッキーな戦いの描写は頭打ちという気がしないでもないので、継続を目一杯暴れさせた上で最後にタッチの差でサンダース、というのもアリかなと考えています。『劇場版』の弊害で、継続はちょっとミカ(BT-42)単体の面白さに依り過ぎた感があります。それにファンから対戦を望まれつつ敢えて大洗女子と戦わせなくとも、それはそれで作品におけるポジションがキープできますからね。「負け」のレッテルを貼られるよりも、底を見せない方が色々とオイシイかもしれません。「実はあの学校は強い」「試合したら大洗女子が負けてる」とファンに脈々と語らせるわけです。これは聖グロリアーナも同様ですね。


色々書きましたが、最後にひとつ感想を書くとしたら、やはり「本当に無限軌道杯の試合消化だけで『最終章』終わりなのかなあ」というところでしょうか。大洗女子勝利! の展開にそろそろアクセントが欲しいし、そうなると勝ち続けてまた優勝ではちょっと⋯。『月刊戦車道』の誌面で煽っておきながら実は、を期待してしまいます。それも大多数のファンは望んでないのかなあ。

例えば今度は一つの戦車に各校の隊長や生徒が乗り込んで戦う、とかね。車内での役割に注目です。各キャラの担当、得手不得手もわかって面白いと思うのですが。あくまで想像ですが、ダージリンが装填手やったりね。そうすると、ははあそれでオレンジペコは⋯となるわけですよ。そういう絵面やコメディタッチ以上に作中で繋がるものが観たい。


今回の『月刊戦車道』は誌面を読んで色々と本編に思いを巡らせることができました。既刊の内容から正直あまり期待してなかったのですが、久々に満足いく内容。海楽フェスタは残念ながらイベント中止になりましたが、安心して『最終章』第3話の公開と劇場鑑賞を楽しみにできる日々が戻ることを願っています。

スポンサーリンク