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映画を観に行った・極私的『ポッピンQ』のススメ

可愛い絵に惹かれて映画『ポッピンQ』を観たのですが、どうも興行成績の話ばかり見かける気がするので、感想なぞ書いて、ささやかながら推しておきます。

観に行った映画館は東映ゆかりの地、練馬の大泉にあるT・ジョイSEIBU大泉(レイトショー)。昨年末、仕事も一段落し、平日仕事帰りに寄れる適当な映画館を探して決定。東映アニメーション60周年も少し意識しました。T・ジョイ大泉は、ゆったりとしたつくりのなかなか良い映画館。元々この時間帯(夕方〜レイトショー)は人も少なく席も選び放題のようなので、駅からの距離(徒歩なら15分程度)と西武線のダイヤ(特に上り)と相談して今後も利用するかも。


ちなみに映画館周辺よりも、大泉学園駅周辺の方が飲食店は充実しているみたいなので、食事するなら駅周辺で済ませてから向かったほうがいいでしょう。また隣接するモール、リヴィンオズ大泉は夜中まで営業しているので、時間潰しにも使えます。まあT・ジョイにゲーセンもあるのですが。


それでは『ポッピンQ』の感想について。記事冒頭で「可愛い絵に惹かれて」と書きましたが、この可愛さが気になっている御仁はまず観に行って損はないです。映画本編の冒頭映像が公開されましたが、ストーリー上、各キャラの魅力を引き出すための下地としては、最低限の序奏(作品にちなんで助走かな?)です。ここからが可愛さ爆発、と言っておきましょう。OPのダンスが唐突に感じるかもしれませんが、これも劇場でのお楽しみということで。

ストーリーの軸としては、冒頭映像にあるような、中学生の等身大で、”物語”しすぎない*1悩みや不安、負けん気、意地(プライド)、寂しさ⋯これらの盛り込み方は決して悪くないです。派手に明確な解決を描写しなくとも、EDまでに5人の主要な女の子達がそれらに向き合う姿は、映画を通じて十分このアニメの魅力になっています。その姿込みで、この映画のキャラクターは、”可愛い”です。

ただ映画全体としては、主人公(伊純)をメインに据えたため、他の女の子のバックストーリーが割りを食った感があり、総集編のような構成になってしまったのは惜しい。話の軸は大味な印象が否めません。もっとも、私などはこれがむしろ前述の”物語”しすぎない、些細な事だけど色々考えている彼女達のイメージとマッチして、観ていて(良い意味で)引きずらない、爽快感のある話のテンポを生み出している気もします。映画の余白・余韻としては、彼女達の過去・未来を想像する楽しみを今感じていますから。

映像としてはダンスシーンもありますが、完成度が高く、観ていて程よく楽しめる尺で挿入されます。ダンスはOP・EDだけで踊るのではなく、ストーリー上も重要な要素なので、気合が入ってます。

そしてこの映画のある意味最高の魅力といえば、EDが終わった後の映像、でしょうかね。ネタバレになるかもしれませんが、卒業を経て、”始まり”で物語を締めくくって、その”始まり”からまた物語を作ろうという心意気は大いに買いたいです。安直な別れでお茶を濁さなかった点はポイント高い。是非とも新たなお話で、今作で描写できなかった・補えなかった部分も挽回してもらいたいです。そこで映画のターゲットを幅広く狙うか、絞り込むかハッキリするでしょう。そんな期待込みで率直に言えば、あんな映像見せられたら続きが気になるに決まってますぜ。

お気に入りのキャラクターですか? いやあ、全員可愛い。甲乙つけがたい。運動タイプ、芸術・芸能タイプ、頭脳タイプ⋯各自の技能も魅せ方も良い感じです。ポッピン族も同じく。こういうの、なかなか珍しいですよ。だからこそ、これっきりだと勿体無い。ED後の映像なんて、「始業式の後、5人で大はしゃぎしたんだろうな」「写真撮りあいこして速攻でLINE交換したんだろうな」などと、想像するだけでニヤけます。そこでダンスも意味あるものになっているのが、また嬉しいわけですよ。

正月の上映、幸か不幸か今のところ全く混み合ってないようですので、特等席を確保して、『ポッピンQ』を堪能していただきたく候。私も、もう1回は観る予定です。


(2022/7追記)続編小説『時守たちのラストダンス』の感想はこちら:

ポッピンQ

ポッピンQ

  • 瀬戸麻沙美
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*1:思春期を過剰に、あるいは壮大に扱いすぎていないという意味です。

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