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邦画と特撮、アニメに寄せて 映画『僕が愛したすべての君へ』と『君を愛したひとりの僕へ』の感想

10/7公開の映画『僕が愛したすべての君へ』と『君を愛したひとりの僕へ』(公式サイト)を観たので感想です。詳しい展開やあらすじを書いたりはしませんが、一応ネタバレあり。2作同時公開で、どちらから観ても楽しめるというコンセプトに興味が湧きました。あの手この手で映画館に足を運ばせたいという姿勢には、大いに乗りたいと思います。

※画像をタッチ・クリックすると動画(YouTube)が再生できます。

原作を読んだ上での鑑賞・感想ですか? 答え:いいえ

原作については読んだことはありません。まずは映画として面白いのを期待。

あとは感想でも触れますが、観た順番について軽く書いておきましょう。『君を愛したひとりの僕へ』→『僕が愛したすべての君へ』の順で観に行きました。理由は単純、『僕が愛した~』がビターな話で、『君を愛した~』が甘い話と宣伝していたからです。確認のため鑑賞するときに、甘い→ビター→甘いの順番で観られます。これが上手くいったかは感想で。

映画『僕が愛したすべての君へ』と『君を愛したひとりの僕へ』の感想

世界観や科学の魅力に終始するのではなく、人間の意志や生命の尊厳が物語の根幹をなすという、言わばSFの古典的、正統派といえる”お約束”をちゃんと守っている作品。

最初に鑑賞した『君を愛したひとりの僕へ』は若干粗雑な内容に見受けられた。並行世界へ導かれるきっかけなど、もう「この世界はそういうものなので」という具合で話が進んでいく。ヒロインのキャラクターも今一魅力が伝わってこない。主人公が執着する心情は理解するが、もう少しエピソードを積み重ねて欲しかった。幽霊としての存在も希薄だ。甘さよりも、作品として緩い作りに感じた。その点でヒロインとの交流は、『僕が愛したすべての君へ』の方が人生として興味ある描き方だと思う。親としてのヒロインの行動も大いに共感できる。

鑑賞の順番としては、『君を愛した~』→『僕が愛した~』で観た方が感動の度合いは大きいと思った。上記の理由に加え、『君を愛した~』の仕掛けが炸裂するのは『僕が愛した~』である。おそらく反対の順で鑑賞するとラストの印象が全く違う。加えて、『君を愛した~』が今一の内容なので続きを観たくなるか疑問なのが惜しい。

惜しい点と言えば、最近の他のアニメ映画にも言えるが、台詞に頼ったシーンが多々見受けられることか。並行世界の解説も、新たな展開のきっかけも、映像作品だからこそ原作(小説)ままに台詞だけで済まさないで欲しいとつくづく思った。もちろん小説ならば、読んで想像・理解するところだ。用語が飛び交うが、そこまで理解しがたいわけではない。せっかく伏線としてのインパクトや見せ方として使い出があるはずなのに、ストーリーに抑揚がなく一本調子に映ってしまうのだ。台詞の話とは関係ないが、両作に登場する、身近な祖父の存在と死もあまり効果的なエピソードでなかったように思う。


映像面は普通。最近のアニメ映画にしては可もなく不可もない。やや『君を愛した~』の作画がのっぺりしているか。この点についても、順番で観た時の印象にかかわるので頑張って欲しかった。キャストは作品の内容に沿った配置で文句はない。音楽については特に印象がない。音楽で劇中の感動を促すには、正直厳しかったように思う。

作品として平凡な箇所がやや気になるものの原作にも興味が湧いたので、映画共々、何かの機会に思い返すことがあるかもしれない。


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