デジタルエンタテイメント断片情報誌

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秋にアニメ映画を観に行った その1

夏の目玉作品を観ようと思ったら、気づけばもう秋。そんなにロングランするほどの出来か〜? と思いつつ、観る気になったときにまだ上映しているのは有難い。ということで『思い出のマーニー』(公式サイト)を観たので感想。

少女と少女が織り成す心ときめく世界の話(※偏った情報です)と聞いて、下衆な気持ちを持ちながら楽しみにしていた作品。これは、面白くなかった。原作物のようだが、あくまで映画だけ観ての感想*1。ただこういう出来だと、原作すら面白いのか疑わしくなるレベル。
現実と秘密の世界(日々、か)の描写はストーリー・絵、どちらも本当に平凡。他のアニメーション映画の感想でさんざ書いたが、もうキャラデザ・背景やキャラクターの動画をアニメーション作品で売りにするというのは厳しい。それこそ地上波放映の作品にだって良い物がゴロゴロしている時代。それがスタジオジブリ作品でもモロに証明されたな、という感じがする。
スタジオジブリ作品で注目される食べ物の描写も、これ見よがしな感じでやられると何の感慨もない。ついにごく当たり前で平凡な描写になっちゃったな、と思った。ちょっと前ならメディアに嬉々として取り上げられたかもな、というイヤミな感想が思い浮かんだ。ただ、喫煙の描写は宮崎駿直伝なのか、よかった。これは観ていて煙草を吸いたくなりますね。これからは喫煙の描写に力を入れるのかね? お子様には見せられませんな。
皮肉はさておき、現実世界・それも日本が舞台、という作品で考えるなら『コクリコ坂から』の方が圧倒的に作品世界に没入できる。なにせこの作品、わざわざ現代日本に変えた舞台を全然生かしていないのだ。スマホやらPCをバリバリ出せとは言わないが、作品用に中途半端な現代日本を作るくらいなら、原作通りに外国が舞台でアニメ化しても良いと思った。
またこれは原作の影響なのかも知れないが、ストーリー上、主人公杏奈の行動や考え方に何の魅力も共感も感じない。療養で訪れた地で不思議なことに巻き込まれて‥色々わかってハイ終わり、という感じ。実質何もしていないのだ。そりゃ毎回「芯のある女の子が自助に邁進する」では飽きるが、こんなに主人公がどうでも良いと思ったのはジブリの作品では初めてかもしれない。顔の表情や動作、役者の演技にしても映画を通して平板過ぎる。意図してこうなったとしたら、アニメーションの良さが全て死んでいると言わざるを得ない。役者の演技など、余程のことじゃないとどうこう言う方ではないが、今回はアニメーションとの相乗効果で酷さが増幅されていた。
ストーリーについて。マーニーの秘密(というか生涯)は、何というか妙に現実的で生々しく、そしてドラマではありきたりの話で笑った。古典というには俗過ぎる印象。これも原作通りなのかな? 杏奈とマーニーの百合めいた関係(どちらかと言うと一方的なのだが)は、個人的にはこの作品の笑い所でしたよ。「お前ノンケか」っていう展開にもなりますし。
しかもこんなグダグダな本編の終盤一連の流れが、ネタばらし(種明かし)をして締めなのだ。もうこれはね、火曜サスペンス劇場かと思った。そう、犯人が崖の上で動機と犯行手口を語りだすアレです。劇場で脱力しました。この脱力感は、ぜひ劇場で体感して欲しい。私はもういいです。地上波で放映されたら、あと1回観るか観ないかのレベルの作品でした。買って・借りては観たくないですねぇ。原作は複数の訳があるみたいだが、もう興味は‥、おかげでゼロになりました。

*1:とはいえ原作は原作、アニメはアニメで面白さがなきゃダメなわけですが。

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