仕事が忙しいとき、疲れたとき、食事以外で休憩時間、とりわけ昼の休憩をどう使うか。人それぞれといえばそれまでだが、先日少々興味が湧いた記事を見つけたので語っておきたい。
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記事中にもある通り、厚生労働省が2014年に策定した「健康づくりのための睡眠指針」では、「午後の眠気による仕事の問題を改善するのに昼寝が役に立」つとして、30分以内の短い昼寝をすることが効果的とある。
ただ同時に、社内は昼寝をする場所ではないという(暗黙の)ルールや、昼寝という行為が同僚から無根拠に”悪癖”として捉えられる傾向は、個人的な体験からしてもまだまだ根強いように感じる。昼時のカフェや外のベンチで眠っている社会人らしき人々にはそうした事情もあるのではないか。
そこで国の方針だけでなく、まずはビジネス・文化としてもっと認められて欲しいという意見には大いに賛同したい。記事では机の上で昼寝するための枕が紹介されているが、これには仮眠室や休憩室を備えているオフィスがまだまだ少ないという問題も浮き彫りになっている。もっとも、衛生面等々を理由に仕事着のまま横になりたくない・なれない職場もあるだろうから、やはり職場内でこういった「昼寝」が広く認められるのが先決だと思う。
最近読んだ『東洋医学で毎日スッキリ! 疲れない体をつくる本:70の新習慣』 (著:和田健太朗 知的生きかた文庫)という本でも、人間は本来午後1~2時ぐらいに眠くなるものとして、日中の20分の昼寝が有効だと紹介されている。これは社会人に限らず学生でも同じことだろう。私自身、学生の頃は授業中にウトウト船を漕ぐこともあった。

東洋医学で毎日スッキリ! 疲れない体をつくる本: 70の新習慣 (知的生きかた文庫)
- 作者: 和田健太朗
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2016/12/22
- メディア: 文庫
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ちなみにこの本はタイトルで『東洋医学~』を謳っているが、医学的な見地やビジネス至上主義を押しつけることなく、無理なく実行できる快適な生活のススメとった趣で好感が持てる。
たとえば、「夜型人間は本当に好ましくないのか」という項では
夜型の人であっても、一定の時間に寝て、一定の時間に起きる、このパターンを維持していけば、体内リズムを維持していけるのです。(P.147)
と、朝型・夜型の優劣ではない結論を示したり、「疲れない秘訣」では
身体への適度な負荷は、そこからの回復過程でより機能がよくなり、体調がよくなることもあります。(P.180)
として、風邪をひくことや、ついやってしまった二日酔い・食べ過ぎも、ごくたまに程度ならば体調にプラスになりうるという話を紹介している。
要は自然の摂理に無理して抵抗せずに疲労を避け、回復する生活の重要さを説いているのだ。
話を戻すが、様々な労働環境がある中で、施策を十把一絡げに「良い」「悪い」と判断せず、各人に適したスタイルが実践できる、そんな社会のきっかけとして、まず昼寝に対する意識が変わることに期待したい。