デジタルエンタテイメント断片情報誌

デジタルな話題もそうでない話題も疎らに投稿

勝負師の生き様について(目で見えるもの、感じるもの)

子供の頃、将棋のNHK杯を観ていると、体を上下に動かす(=テレビ画面で頭がチラチラ写る)、将棋の駒を指す時にビシビシ*1と空打ちをする、しかも空咳が煩い棋士がいて、なんだこのマナーの悪さは、と思ったものだった。
しかもその棋士の解説は、独特の高い声色でのマシンガントークであり、その棋士が解説のときは、親は気に入らなくてチャンネルを変えていた。私はその棋士の挙動が面白く、よく学校で真似をしていた。その棋士は実力者でかなり強く、前述のNHK杯にも度々出場していたし、70歳を超えた今も現役だったりする。
そうです、その棋士の名は加藤一二三九段。今日は将棋界のみならず、様々な所から注目を浴びている(いまだに!)加藤一二三九段について、(今更感があるかも知れませんが)語りたいと思います。あ、本はやっぱり将棋(界)を知っている人が読んだ方が面白いかもしれません。

老いと勝負と信仰と (ワニブックスPLUS新書)

老いと勝負と信仰と (ワニブックスPLUS新書)

老いと勝負と信仰と』は、敬虔なクリスチャンである加藤一二三九段が、自らの信仰とこれまで・これから(!)の人生・戦いを語る本。『将棋名人血風録』はさらに名人戦に特化した内容。どちらも著者の声が聞こえてきそうな、好企画の本だと思う。
これらを読むと、勝負の中で加藤一二三九段が色んな人物を認めているのがわかる。どんなに勝負に負けても、前向きに挑む加藤一二三九段の闘志の秘密は、「自分と相手を理解し、強くなること」に貪欲だからだと、つくづく思う。コンピューターで将棋をやっていると忘れがちだが、一人で将棋はできないですからね…*2


名人戦棋譜速報(公式サイト)で、順位戦の日に、対局中の加藤一二三九段の様子や表情の写真が随時掲載されている。この盤面に集中している姿が本当にかっこいい。これはお世辞ではない。昨今、前述のキャラクターや好々爺的なイメージが一人歩きしている感もあるが、勝負に生き、一局完全燃焼と言って憚らない棋士(騎士)の姿がそこにある。
順位戦は夜中までかかるため、私のような仕事で帰りが遅い人間でも楽しめる。私が「あーくたびれた」などと家に帰ってきた頃に、まだ加藤一二三九段が戦っていることを知ると、えも言われぬ闘志や勇気・元気が湧いてくる。
今、私の中で加藤一二三九段の存在は徐々に大きくなっている。

*1:ペシペシ、くらいなら巷でも見かけるが、この方の場合はビシビシです。

*2:やはりというか、棋は対話なり、ですな。

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