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邦画と特撮、アニメに寄せて 映画『泣きたい私は猫をかぶる』の感想

映画『泣きたい私は猫をかぶる』を観たので感想です。2020年の作品。予告やスタッフ等に注目していたわけでもなく、現在Netflixで配信中だったので観ました。鑑賞もNetflix加入も今更です。ディスクも既に販売中。なのでもうネタバレは気にせす書くことにします。

※画像をタッチ・クリックするとクリップ(YouTube)が再生できます。

映画『泣きたい私は猫をかぶる』の感想

周囲には予測不能な行動ばかりすると思われている主人公には秘密があった。不思議なお面で猫になって、気になる相手に会いに行ったり、可愛がってもらったり。ところが相手の普段知らない素顔を知るうちに、すれ違いや家庭の悩みがきっかけで大変なことに⋯。というお話。

作品の舞台や登場人物の設定は自然。等身大のキャラクターですんなり入り込める。ともすればいじめに近いような行動や人間関係が程よい生々しさを加えている。鑑賞が不快にならない、ギリギリでリアルな中学生らしさといったところか。家族の描写も通り一遍な幸せな家庭にしたくなかったのだと思う。

一方で作品の肝になるはずの、猫界・猫になれる要素に関してはさほど感銘を受けなかった。一見して「あ、ファンタジー世界なのね」というのはわかる。これを作中の登場人物が延々と世界観を喋ったり、ダイジェストで説明する場面を挿入されたら興醒めだ。解釈を餌にしているような理解不能な設定でも困る。だがタヌキやキツネ、はたまた魔法使いから宇宙人まで、古今東西様々な作品で題材にされた变化(へんげ)・変身要素があまりにもありきたり過ぎた。ストーリーと相まって、鑑賞中に感情が高ぶったり、興奮を覚えることがなかった。鑑賞後に不快な後口は残らないものの、名シーン、名場面、語りたくなることも特にない。内容が全く同じだとは言わないが、昨今のアニメ映画で見かける、学生あるいは未成年の男女一組が繰り広げる一大事、の範疇なのだ。そこに家族の問題が絡んで、というのも同様だ。当然リピーターを意識したようなハッピーエンドで締めくくられる。

映像表現に関しては普通。目を見張るものは特になかった。もはや劇場公開作品ならこの程度は当然、という気すらする。キャストの演技も特に違和感なかった。最近は本業声優以外のキャスティングで演技が気になる作品はごく少ないのではないか。


今回Netflixに加入したのがきっかけで鑑賞したが、元々は劇場公開予定だったとニュースで見かけた。しかし映画館で観ていたら正直物足りなかったと思う。見放題の配信サービスで観られるのなら、興味があればどうぞ、という位のものか。


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