デジタルエンタテイメント断片情報誌

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映画『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』に寄せて

10/25公開の『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』を観てきたので感想です。劇場で予告編を見て大変気になっていた作品。そのとき何を観に行っていたかは私の過去の記事で一目瞭然です。当然ネタバレありの記事です。

※画像をタッチ・クリックすると予告編(YouTube)が再生できます。

翻案らしい『鬼戦車T-34』との関連にも触れつつ、隠さず砲弾、放談したいと思います。

鑑賞にあたってのQ&A

戦車に興味があった方が面白い作品ですか?

はい。そりゃもちろん。WW2車輌なら特に。でもそんなに詳しくなくとも大丈夫かと思います。その辺りは感想で追記します。ちなみに私はM24チャーフィーやシャーマンが好きです。縛りなければ61式やM41ですか。アメ車、というか日本に配備されていた車輌が好きなのね。どういうものに影響を受けたかバレバレですね。

『鬼戦車T-34』は観ておいたほうがよいですか?

事前・事後どちらでも観て損はない作品ではないのでしょうか。未見なら是非。プロパガンダの側面よりも、各種演出とT-34-76(途中一瞬85になったりしますが)の華麗な姿が興味深いです。T-34の速さに惚れ惚れします。正直『鬼戦車~』の方が迫力あるんじゃないか、という見せ方もあり。そして存分にバレエダンサーしてますよ。あとこちらでも底面のハッチ(エスケープハッチですか?)が大活躍です。

個性ある登場人物と時折入るコミカルな要素は『T-34~』に引き継がれていてニヤリとします。『鬼戦車~』のラストを踏まえて『T-34~』を観ると、やっぱりスカッとするなぁ。配慮があったのか、死の瞬間を映さない演出を多用しているので、幅広い年齢層が観ても大丈夫。DVDは投げ売り状態のようですが、配信してくれればいいのに。

鬼戦車T-34 ニューマスター版 [DVD]

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映画『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』の感想

戦車の戦いとその魅力を時間一杯堪能できる、最後まで飽きさせない作品。テンポがよく、間延びした感がない。アクション映画、エンターテイメント映画としてもかなり良い出来栄えなのではないか。戦車をよく知らなくても、その性質をある程度想像できれば面白いと感じる要素に不足がない。興味の端緒は歴史でも、戦争映画でも何でもこいだろう。

本作の面白さに大きく寄与しているのが、役割と間合いだと思う。冒頭から緊張感ある場面を見せつつ、主人公の個性と能力を披露していて無駄がない。さらに仲間との別れと再会、爆笑ではなくクスリとさせる新たな仲間⋯。テンポがよいと書いたが、主人公たちが活躍する場面を一層際立て、観客を夢中にさせるために序盤から準備は怠っていない。それもすべて「戦車」という数人(4人)で動かす兵器を見せるための仕掛けである。”数人”というのもポイントで、単体の強さ・個性を顕示したエンターテイメント作品に目が行きがちな昨今、本作が見せる一体感や結束力は清々しくさえ思う。少ない台詞と表情、大仰でない動作による芝居がそれを一層引き立てる。

戦車の戦いならではの「間合い」も素晴らしい。敵役(悪役)は言わずとしれたナチスドイツだが、愚かすぎたり残忍過ぎたりといった極端な描写がなく作品に没入できる。むしろ思考の読み合いや騙し合い、この時代・この兵器だからこその緊張感が心地良い。一瞬の判断とそこに至るまでを楽しむ醍醐味は、映像や音響の進化に依らず、映画の売りとしてまだまだ眠っているのではないか。息つく暇のない場面の連続も悪くないが、じっとりと息を呑んでハラハラするアクションを久々に堪能した気がする。

実はVFXが少々クドく感じるところがあって、「ここはスパッと見せてくれていいのに」と思う箇所もあったが、この元来作品に備わっていた「間合い」のおかげで後続の場面で萎えずに観ることができたのかもしれない。これらがストーリーや展開に上手く噛み合っており、爽快感のあるラストに繋いでいて鑑賞後は満足度が高い。

戦車が好きな向きにも、繰り返し観たくなる魅力に事欠かない。弾着が車内に響く様子からレンチで戦車を叩いて操縦指示といった些細な描写まで飽きさせないだろう。実在する兵器の佇まいと重量感を大事にしており、T-34は作中で徒に飛んだり跳ねたりしない。だからこそ機動力が本領を発揮した時、スクリーンで映えるのだ。贔屓目に書くが、画面奥から走ってくるT-34は可愛くて、カッコいい。76→85というのもニクい。

ホビーボス 1/48 ロシア戦車 T-34/85 1944年型 プラモデル

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そう言えば今回、初日に立川シネマシティで観たのだが、音響云々のことを忘れて見入ってしまった。他上映との比較もできないし、特に言いたいことはない。それよりも上映期間中に、とにかく映画館で観て欲しい作品です。私はまた観たくなりました。Огонь!


<2019/11追記>IMAX上映についてはコチラ:


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