デジタルエンタテイメント断片情報誌

デジタルな話題もそうでない話題も疎らに投稿

邦画と特撮、アニメに寄せて 映画『HELLO WORLD』

今年は注目のアニメ映画が多いのですが、早々に観てきたので感想を。特にストーリーなどは詳細に書きませんが、一応ネタバレありです。予告編を映画館で何度か観た以外、特に事前情報無しで鑑賞しました。公式サイトすらロクにチェックせず。

※画像をタッチ・クリックすると予告編(YouTube)が再生できます。

ただ、この予告編で印象に残った(残ってしまった)のが、最後に表示される一文、”この物語(セカイ)は、ラスト1秒でひっくり返る―”でしょうか。さすがに予告編で何度も観てしまうと、鑑賞時に警戒してしまう。展開に読みを入れて、身構えたくなる。この宣伝の効果は如何に。

映画『HELLO WORLD』の感想

まず作品の評価に係るものではないが、序盤だけキャラクターのモーションが月面歩行しているような印象を受ける。これは中盤以降は気にならなくなる。導入はアッサリ、すんなり風味。主人公のキャラクターは学園ものとして定番的で、ギリギリ観ていられる。私はこれ以上ベタだと集中力が切れていたので、序盤で萎える向きもあるかもしれない。学校や同級生の設定自体も特段作品に活かしているかというと、そうではない。伏線を張っているのか考えながら観ると、拍子抜けする。

ここからがネタバレとことわって書くか迷ったところなのだが、本作のSF要素はそれほど難解ではない。同様のエンターテインメント作品でタイムトラベルを扱った作品、それもかなり知名度が高くメジャーなものが理解できればついていける。古典を紹介し、引用するまでもないと思う。本作の話でそれをやるのは穿ち過ぎだろう。人生のやり直し、パラレルワールド⋯この辺りを多少なりとも知っていれば支障はない。

むしろ本作は恋愛成就、心願成就をいかに達成するかを主眼に割り切って観たほうが楽しめるだろう。SF的魅力は平凡、ありきたりである。途中「ここで未来が変わっているのか」みたいなことを気に留めても、さほど作品の評価には寄与しない。過去を書き換え書き換え⋯の真相として、ラストも予告編で煽っていたほど革新性みたいなものは感じなかった。何としてでもハッピーエンドに舵を切っておかねば、そんな作品づくりが見て取れる。そして作品を楽しむ志向で譲歩しても、総合的には既存作の要素を継ぎ接ぎしただけに見えてしまうのは残念だ。

映像や音楽は可もなく不可もなし。もうアニメ映画では、本作くらいのクオリティはスタンダードかな、という印象。むしろ仮想空間の表現は一般化して新鮮味がなくなった気がした。京都という舞台に取り立てて魅力も感じなかった。そういえば最近のアニメ映画で多い、食事のシーンで食べ物や食べる動作を誇示するようなシーンはなかった。個人的に食事シーンの良し悪しが「良作判定基準」になっている感があるのだが、やはり必要であれば挿入すればいい程度の演出だと思う。

雑談:こんな方に『HELLO WORLD』はおすすめ

本作の楽しみ方を載せる意図としても、最後にこういう雑談を入れておきたい。

  • 選択・分岐型アドベンチャーゲームが好きな方

ゲームが好き、特にこの手が好きな向きは本作のゲーム的な魅力に目がいくだろう。90年代から00年代のアドベンチャーゲーム、特に恋愛ゲー、アダルトゲームを思い出すのではないか。あの頃からか、SF要素も流行ったのは。そこからの現在に至る潮流は書かなくともよいだろう。制作者の素性は知らない。完全な憶測だが、こういう娯楽を経た世代が今、創作の主力になっているのかなという気もする。

  • このキャラデザで恋愛ものが観たい方

上記ゲーム的魅力とも関係するが、ヒロインは容姿から性格までコテコテの設定てんこ盛りである。いっそ学校生活部分だけ倍の尺にしたら⋯別作品になるか。でも嫉妬するところも観たかった。序盤は伏線としてもそういう要素があるのかなと思ったら、ないんだなあ。


スポンサーリンク