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『「編集手帳」の文章術』の恐怖体験

ボケ防止に今から勉強しようと書店で”ボケにならない”ハウツー本を買って帰ると、同じ本が家の本棚に既に並んでいた。まったく同じ本は買わないにしても、「文章術」の類の本を買うにつけ、そんな笑い話が脳裏によぎる。


個人がSNSで毎時のように発信できるようになる以前から、新聞は日々情報を文字で伝えてきた。報道の是非はともかく、そんな新聞の一面コラムを執筆してきた人物がささやかに文章術を綴る本がある。『「編集手帳」の文章術』(著:竹内政明 文春新書)である。その文章の毛色に、読めば二度買いしないだろう。

「編集手帳」の文章術 (文春新書)

「編集手帳」の文章術 (文春新書)


一面コラムを新聞の”顔”などと胸を張らず、「(顔の)皺(しわ)のようなものです」と答える。皺のない顔がどれだけ生気ないか、生身の人間を伝え、いかに紙面に皺をつくるか。ユーモアを交えて語る筆致に感服しつつ、自分は日々発信している記事に何か刻んできたか、顧みたくなる一冊だ。


手習いで今回「編集手帳」の文字数(約460字)で文章を考えてみた。少ない文字数で毎日一定数読まれるコラムを考えなければならない恐怖を想像して、この夏怪談以上に寒気がした。

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