デジタルエンタテイメント断片情報誌

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指揮者オーマンディの音源を揃えたい雑談

ショップを巡ってクラシック音楽のCD・レコード収集をしていた頃によく集め、聴いていた指揮者がいる。ユージン・オーマンディだ。そのカタログ的なレパートリーの広さ、そして70年代中盤になって安定してきたRCAのソツのない録音が好きだった。「この指揮者とオーケストラで一通り聴いて、良い曲だったら他の演奏を集めてみよう」、そう思いながら収集・鑑賞に勤しみ、結局手元に残したのがオーマンディのディスクだったことも少なくない。完成された魅力とでも書こうか、スタジオ録音に残された弦楽器の、管楽器の、解釈の隙のなさに、繰り返し聴いても飽きがこなかった。

15年以上前にBMGの国内盤で「ユージン・オーマンディ&フィラデルフィアの芸術」シリーズが発売されて、これを順次集めていた。なぜ順次か。輸入盤でBOXセット・集成が発売されるだろう、とたかを括っていたのだ。国内盤は解説含めてとても丁寧なつくりで、全部まとめて買おうと思っていたが、当時有名作曲家・演奏家のお得なBOXセットがガンガン発売されていたので躊躇してしまった。

ちなみに『芸術』シリーズで好きな録音といえば、ドヴォルザークの交響曲第7番と第8番、そして第9番である。スラブの憂愁とかそういうことは私にはよくわからない。だがこの弦の艶っぽさ、よく歌う管楽器、オーケストラと音楽の魅力溢れる名演だと思う。第9番の堂々たるテンポ設定も聴き逃がせない。こういう録音をなぜ現代で”高音質”配信しないのか。


そんなこんなで今に至るのだが、オーマンディのRCAコンプリートBOXは今だに発売されていない。なぜなのだ。モントゥーのBOXは出たのに。

そうだ、ちょっと前ならホロヴィッツがソニーとRCA両方のコンプリートBOXを発売しているのに。これのオーマンディ版はまだなのか。


また例によってARTISがBOXを発売してくれているが、コロムビア時代のステレオ録音が中心で、残念ながらRCA中心ではない。このBOXの収録内容も十分ありがたいが。


仕方がないので作曲家ごとに現在ソニーから発売されているRCA時代の録音のBOXを並べてみる。改めて、国内盤で持っているものばかりだ。しかもこれだけ? という貧弱なラインナップ。うーむ。

Eugene Ormandy Conducts 20th Century Classics

Eugene Ormandy Conducts 20th Century Classics

  • アーティスト:V/C
  • Sony Classical *cl*
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ではでは、配信はどうだ。配信でオーマンディが気軽に聴けるのでは? と思ったら、なんとオーマンディの音楽は配信ではからっきし聴けない。私の愛用しているSpotifyでもそう。配信されているのは上記アルバム発売分くらいだ。コロムビア(ソニー)時代の録音は幾分ましなものが揃っているが、RCAの録音は正直ダメダメなラインナップである。何たる体たらく。このご時世、前述の通りBOXにするか、早く配信開始して欲しい。ここにきて「ディスクが貴重」は本末転倒だよなあ。


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