デジタルエンタテイメント断片情報誌

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SpotifyとNMLでクラシック音楽 その13 ジャズとクラシック

今回は親しみやすさを念頭に置いて(置いたつもりで)、”ジャズとクラシック”という話題です。

それにしても今だにクラシック音楽趣味を嫌味っぽく卑屈に「高尚」などと評したり、逆に「他人(ひと)とは違う」趣味・教養であると過剰な自負を抱いている向きがいるのですね。

特に後者でひどいのは映画音楽を作曲・演奏したことがある音楽家を蔑んだりするんですよ。「あの人は映画音楽出身だから(クラシックをわかっていない)」みたいに。それでその音楽家の経歴を調べると、バリバリクラシック畑で研鑽を積んだ人物だったりする。つまらないレッテル貼りの上に、音楽の歴史と受容を全く捉えていないことに驚いてしまいます。

こういうのはクラシックに限りませんが、わかってないのは一体誰なんでしょうね?


今回はクラシックに合流した新しい音楽の要素の話:

ジャズとクラシック

正確にはジャズの要素を取り入れたクラシックの話、という趣だ。アメリカで生まれたジャズを新しい表現法として如何に取り入れたか。クラシックを聴いていく上で避けては通れない音楽・話題だと思う。

もっともそういった音楽は、往々にして各配信サイトのコンピレーション・アルバムに顔を出しており、聴いたことがある音楽も少なくないはずだ。表現法とともに新たな親しみやすさをクラシックが取り入れたと考えると、ジャンル問わず音楽の世界って柔軟だな、と気づいたりする。

「新しい表現法」と書いたように、クラシックの世界でまんま「ジャズ・ミュージック」をやっているわけではない。クラシックにおけるジャズ要素とは、アメリカ音楽というローカル的な性質を含めた、もう少し広義なものなのだ。だからジャズが好きだからといって、今回紹介する音楽に即ハマるかというと、そうではないと思う。

ここで昨今の話題に便乗した余談を。クイーンのアルバムで『Jazz』というアルバムがあるが、あれもジャズ・ミュージックの意ではないそうで(実際アルバムはクイーンらしいバラエティに富んだ内容)、クラシック好きとして妙な親近感を憶えてしまう次第だ。『Dreamer's Ball』良いですよね。



まずはガーシュウィンの『ラプソディー・イン・ブルー』。クラシック音楽として比較的知名度が高い上に、聴き比べが案外楽しい。Spotifyではバーンスタインのピアノ・指揮した演奏と、作曲者自身のピアノロールを用いた演奏が人気な様子。後者は刺激的なテンションの演奏で、初めて聴いたときの興奮が今だに忘れられない。


オーケストラ曲として真摯に演奏されたときの面白さがバッチリ収録されているのが、マズア指揮ライプツィヒゲヴァントハウス管弦楽団。


Spotifyに登録されてて大喜びしたのが、ピアノ:ドレンスキー、ドミトリエフ指揮ソビエト国立文化省交響楽団の演奏。CDでは珍しい音源でも、しれっと揃っていたりするから素晴らしい。配信サイトはマニアも要注目ですよ。新生メロディアはSpotifyにガンガン配信しているので好感が持てる。ロシアンブラスと音楽を噛みしめるような悠然とした歌い上げが最高。こんなガーシュウィンもアリだな、と。



ミヨーの音楽は面白い。リズムとアクセント、曲に漂う20世紀の芳香、もっと聴かれていい。バレエ音楽『世界の創造』は、室内楽版の雰囲気を是非。



クルト・ワイルの三文オペラは、まずは組曲版を聴いておこう。初演者クレンペラーが指揮した演奏が良い状態で残っている。こういうレパートリーはクレンペラーの魅力の一つ。ちなみに前後に収録されている『皇帝円舞曲』と自作『メリー・ワルツ』も圧巻。 

ガーシュウィンともう一人

こういうジャズとクラシックという話題の時に、もっと注目されて欲しい作曲家がいる。特にガーシュウィンの『ラプソディー・イン・ブルー』を収録するときはこの人の曲も是非、と願ってやまない。それがジョージ・アンタイル。アメリカの作曲家(1900-1959)。映画音楽でも作品を残している。

冒頭から聴くものを惹きつける『ジャズ・シンフォニー』の洗練ぶり! 比較的名前が知られている『バレエ・メカニック』に限らず交響曲やソナタも面白い。こういう音楽が容易に聴けるようになって、再評価の気運が高まることに期待。別立てで記事にしようかなあ。 

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