デジタルエンタテイメント断片情報誌

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SpotifyとNMLでクラシック音楽 その10 序曲、組曲、名曲集

前回、「Spotifyでちょっと勘弁してほしいこと」という番外記事を書いたんですが、結構重大なことを忘れていました。

Spotifyに限りませんが、配信サイトって、演奏者・録音データが簡素・不明なことが多いのね。収録日・場所、演奏者等の詳細はレーベルのサイトやCDショップの情報で調べないとわからないんですねぇ。ホント今更ですが、もっと詳細なデータベース完備だとこういう記事でも紹介しやすいのに。大体そういうのを外部サイトに調べに行くこと自体、本末転倒な気がする。

しかもプレイリストによっては、作曲家の名前だけ、全曲アルバムタイトル(「~の芸術」みたいな登録名)、演奏家データ登録なし、みたいな豪快なアルバムも割と登録されているのですよ。

これはアレか、情報に頼ってないで、音楽は聴いた上で良し悪しを判断しろという思し召しか。それはそれで、コレクターの痛い所を突くんだよなあ。

久々になのでサクッとどうでしょう。

末永く楽しみたい序曲、組曲、名曲集

レコード時代の初期、収録時間に大幅な制限があった時代に、数分程度の演奏時間で収録できる曲は重宝された。音楽が身近に聴けること、そしてクラシックというジャンルに対する興味の端緒として序曲や組曲、名曲集の果たした役割は大きかったと思う。

その名残なのかどうかはわからないが、CD時代、配信が当然になった現在でも「序曲集」や「名曲集」はクラシック入門として残っている。再発も多い。今回はそれらの中から、”入門”用途だけでは惜しい、愛聴盤として末永く楽しめそうなものを少し紹介してみたい。

・スッペの序曲集

2017年のウィーン・フィル ニューイヤーコンサートでは、ドゥダメルがスッペの『スペードの女王』を採り上げていたのが記憶に新しい。そこでスッペの『<軽騎兵>序曲』や『<詩人と農夫>序曲』といった曲だけでなく、どうせ聴くならネーメ・ヤルヴィが珍しい序曲含めて真摯に取り組んだアルバムがあるので聴いてみよう。

Chandosは本家で音源のダウンロード販売を行なっている一方で、こうした配信サイトへの音源登録がまだまだという印象。でもこのアルバムはちゃんと登録してくれている。

逆に『<軽騎兵>序曲』等の有名曲が凄まじい演奏を挙げるなら、ショルティが指揮したウィーン・フィルの演奏。当サイトで度々紹介しているが、下品で嫌いという御仁がいてもおかしくない、ぶっ飛ばした演奏。CD初期盤で、音揺れや音割れがそのまま復刻されていたのだが、復刻の不備よりも演奏の凄まじさに唖然としたのを思い出す。


・ハチャトゥリアンの『ガイーヌ』

ウィーン・フィルつながりで、ハチャトゥリアンの自作自演。正確に言うと組曲じゃなくて、抜粋。『ガイーヌ』の魅力は『剣の舞』だけではない。いや本当は全曲盤の話をしたいが・・・。ハチャトゥリアンが自作を指揮すると、オケのコントロールがすごい。ショルティのスッペもそうだが、ウィーン・フィルを「何だか外国の、きらびやかな音色のオケ」などと思い込んでいたら、痛い目に合う。曲と表現のためなら、野卑で凶暴な音をひねり出していたこともあったのだ。


・ボールトのマーチ名曲集

ヴォーン・ウィリアムズやホルストを奏でる”英国紳士”。指揮者ボールトについて、そんな先入観はないか。最近まとまった音源がボックスで復刻されているが、それらを聴く限り、私には妥協なき胆力のある演奏を繰り広げた指揮者のように思える。スーザにタイケ、かかってこいよという管弦楽編曲マーチ集。編曲も良い。

日本人作曲家の協奏曲:新譜紹介と併せて

個人的な印象だが、日本の作曲家は協奏曲にアタリが多い気がする。なぜなのか。また協奏曲に限らず、管弦楽作品に入る楽器のソロパートが印象的だ。日本人作曲家入門としても、まず協奏曲というジャンルを勧めたい。というわけで2曲。

早坂文雄のピアノ協奏曲は第1楽章の仄暗さと第2楽章の快活さが痛快。録音がもっと増えて欲しい曲のひとつ。

大澤壽人の今年発売された作品集がもう全曲登録されている(期間限定か?)。どんな評価を受けようとも、全世界で聴かれる機会があるというのは嬉しいものだ。私などがコレクションして感想書いて、悦に入っている場合ではない。ピアノ協奏曲第3番からどうぞ。

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