デジタルエンタテイメント断片情報誌

デジタルな話題もそうでない話題も疎らに投稿

伊福部昭のほんの少し珍しいCD・レコード

お買い物自慢の記事です。

なんてことはなく、ちょっと実店舗を巡回し、ネットで検索しているときに見つけたCD・レコードの紹介に過ぎない。ハッキリ言ってそれほど労力もかけていないし、そんな意識もない。大体こういう収集は上には上がいるものだし、所有しているから何だ、という話である。ただ、巷で話題になっているかというとそうでもないので、それならサッサと話題にした方が有益だろう、の精神でやっておこうというわけである。

特に伊福部昭に関する音源については、昨今珍しいものが放送されたり、蘇演・録音される機会がしばしあるので、血眼になって追いかけなくとも、という気がする。興味を持って聴く機会を逃さなければ、という印象だ。

クラシック音楽・現代音楽の界隈にも言えるが、例えば布教などと称して違法アップロードされた音源なんぞまで駆使しなくとも、まずは正規の手段・方法で楽しむことを考えればよい。音楽配信が日常で十分使えるレベルになってきたことも大きい。

大体、海賊版ディスクの音源の信憑性は疑うくせに、動画サイトの音源は情報鵜呑みで有り難がるというのも、変な話だ。それにそういうものをアップしている向きには、問題がないと主張するのなら権利関係をどうクリアしてアップに至っているのか、広くわかりやすく文章にして、敢えて教えていただきたいものだ。自身の動画に説明文・リンクでもついていれば”親切・安心”だし、同志が増えて良いことづくめではないだろうか。それとも、普段好きなものを語るときは妙に衒学的なのに、黙認・グレーゾーンなどと都合の良い盾を取り出すのではあるまいな? そんなことを考えながら冷笑している。  


話がそれた。関係なくはないのだが。伊福部昭作品はプロからアマチュアまで幅広く演奏され、音源が残っていることが重要な魅力なのではないか。日本の演奏家・オーケストラに興味があれば、曲目だけでなく技量を聴くのも楽しみの一つだ。プロの技量を知るもよし、アマチュアがどう曲に取り組んで咀嚼しているのかを興味深く聴くのも一興だ。


日本人作曲家のリサイタルを開催していたことだけ朧気に記憶のあった金澤次郎の録音が、キングレコードから発売されている(NKCD 6626)。本当に、つい最近このCDを見つけるまで忘れかけていた。『ヴァイオリンとピアノのためのソナタ』を収録。急いているわけでもなく、朴訥としていて柔らかい音色が心地良い演奏で、ちょっとした掘り出し物。

なかなか歴史のあるアマチュア・オーケストラ、諏訪交響楽団。演奏歴にも日本人作曲家の名前が度々載っており、地元なら通いたいものだ。その諏訪響がウィーン・コンツェルトハウスで『交響譚詩』を演奏した際のライブ録音(TYMK-015)。正直演奏が不安定な箇所が多い印象は否めないが、第2譚詩の鄙びた響きは健闘していると思う。

期待の割にピンとこなかったのが、山田一雄が新星日本交響楽団を指揮した、同じく『交響譚詩』。1977年12月、千葉での録音(LP、東芝EMI KL-2005-6)。メインのベートーヴェン:第9に注力したのか、散漫な演奏。第1譚詩で特に顕著で、些細な演奏ミスが気になり、聴いていて辛い。第2譚詩も存外アッサリで、音楽世界に惹き込まれるような瞬間はなかった。しかもメインの第9の演奏もそれほど良くなかった。

ちなみにこのLP、ステレオ表記があるが、モノラルにしか聞こえない。なおかつ録音状態が良くない。その点も少々がっかりした。このLP自体が珍しいようだが(私も7、8年前に見かけて以来記憶にない)、コレクターズアイテム感アリアリのLP。もちろん聴かなきゃわからないが、聴いていない・知らないからどうこう言われる筋合いもない音源だと思う。

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