そういえば、9/29から『ガールズ&パンツァー 第63回戦車道全国高校生大会 総集編』が劇場公開されますが、ファンの皆さんはいかがお過ごしでしょうか。私ですか? そりゃあ劇場で楽しめる要素はあるし、もしかしたら『最終章』絡みで続報があるかも、みたいなことは考えますよ。でもね、まさか劇場上映まで『総集編』を挟むなんて⋯というのが正直なところです。
そんなことを書いておいて、多分一回くらいは観に行くつもり。チョロいファンだなあ。
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漫画『ガールズ&パンツァー リボンの武者』
今更ながらのガルパン関連グッズ話、今回はスピンオフ漫画、『リボンの武者』(著:野上 武志、鈴木 貴昭 原作:ガールズ&パンツァー製作委員会 MFコミックス フラッパーシリーズ)の話です。スピンオフ漫画の中では、最も人気のある作品といってよいのではないでしょうか。
ガールズ&パンツァー リボンの武者 1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
- 作者:野上 武志,鈴木 貴昭,ガールズ&パンツァー製作委員会
- 発売日: 2015/02/23
- メディア: コミック
ガールズ&パンツァー リボンの武者 コミック 1-9巻セット
- 発売日: 2018/05/23
- メディア: コミック
いかにもガルパンファンを惹きつけそうな”巧い”作品だな、とつくづく思います。10トン以下の戦車しか参加できない、タンカスロン(強襲戦車競技)という戦車道連盟非公式競技で繰り広げられるバトル・ドラマが話の中心です。まず、このルールが良くできていて素晴らしい。
アニメ本編の”公式”戦車道では、各校・チームの使用する戦車の格差をどうやって戦い方の描写で埋めていくかに注力した場面も少なくありません。それがときに一発逆転や意外な活躍場面を生み出したりするのですが、一方で戦車の動きが曲芸化しすぎたり、至近距離での発砲・決着ばかり印象に残ってしまうきらいがあります。
この問題を軽戦車や豆戦車しか試合に参加できないように限定することによって解決し、キャラクターや作戦の描写に注力しているのが本作の魅力と言ってよいでしょう。
つまり作中で「ルール無用」「なんでもアリ」を謳っているように見せかけて、むしろアニメ本編の”公式”戦車道よりも限定的、条件的で各チーム格差の少ない試合で戦わせ、その分ストーリー等のキャンバスを広く使っているわけですね。そしてこれが『ガルパン』アニメ本編の魅力である動画・音響の要素に頼れない”漫画”という媒体でハマった、と。
アニメ本編に出演したキャラをうまく立ち回らせているのも魅力のひとつでしょう。基本的にイメージを崩さず、かといって主人公たちの魅力に圧倒されたりしない、程よい活躍頻度です。もちろんスピンオフ作品ですから、大本営をないがしろにしてしまっては⋯ということはあるのでしょう。まだアニメ本編も完結していないわけですし。
ほんわかしたアニメ本編と比べると暴力的・痛みを感じる描写があっていただけない、という評も見聞きしますが、作中で上手くバランスをとっていると思います。主人公組は可愛さも魅力です。ただ個人的に、大洗女子メンバーや西住みほといった、一部のキャラが別格扱いされすぎていて多少鼻につくことがあります。この辺りは、『月刊戦車道』を読んでいるときと同じような印象です。提灯記事を読んでいる気分になるというか。それでいくと「日本古来の戦車道~」といった設定も、いかにも設定好きがくっつけたみたいで、少々こそばゆいかな。
とまあ気になるのはそのくらいで、続きが楽しみな漫画です。
雑談:アニメ本編に登場したキャラクターの今後の関係
『ガルパン』アニメ本編において、各学校・キャラクターの仲・不仲といった関係や交流の描写は、現在のところあまり表立ってハッキリとはしていない。『最終章』第1話のBC自由学園だってまだわからない。その辺りはスピンオフ作品の作中でも比較的反映されているのではないかと思う。
私自身「〇〇高校の※※と、△△高校の~~は仲が良いのかな」みたいなことを時折思い浮かべる。歴史ネタ等をこじつけて、アニメ本編で接点はないかと期待して記事にしたこともある。しかし上記のようなスピンオフ作品を楽しむと、「そういった描写はむしろアレコレ想像させるくらいで十分なのではないか」とつい考え直してしまう。
キャラクターの関係等が”公式化”されることで、想像力や作品に希求する心が急速に失われるときがある。今まで色々な可能性を秘めていたものが一気に収束・終息というわけだ。特に次の展開を待ちに待たせているガルパンなら尚の事だろう。それこそタンカスロンのように「限定して」上手く事が進むだろうか。そうなるとせいぜいスピンオフ作品でオリジナルのキャラと一緒に登場・活躍させるくらいが正解なのかな、という結論に落ち着く。
こう考えていくと、案外アニメ本編では各キャラクターの関係は従来並みに掘り下げられないまま話が進んでいくかも、という気がしてきた。ファンがああだこうだと盛り上がれば盛り上がるほど、本編で描写を避けられる可能性も高まるのではないか。そして場合によっては、「ファンと異なる着眼点」から不仲・対立関係や相性の悪さを匂わせたりするかもしれない。特に現行で百合・カップリングなんてのめり込んでいる向きには、そうなった際に冷静さを忘れないで欲しいと思う。
キャラクター面で、ガルパンの戦車戦に留まらない魅力を引き出して欲しいと常々書いてきたのだが、少し日和ってしまったか。