デジタルエンタテイメント断片情報誌

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敬語表現の学習(要経験)

働くために、あるいは働き始めてなんとなく勉強して、時が流れる。しばらくしてまた気になったり、必要になって再び勉強し直す。外国語や資格のように、将来の「大物」狙いで勉強するわけではないけれど、ちょくちょく時間を割いている。そんなイメージが「敬語表現」にあります。

実際、職場で聴こえる敬語に違和感を覚えたり、自分で喋っていて「ああ、今の敬語おかしかったな」などと反省する場面がしばしあるのではないでしょうか。そして、そんな人が大勢いるから、敬語にまつわる本は古書店で溢れかえっているのかな、と思うわけです。

そんなわけで、私もご多分に漏れず敬語の学習本を買い漁っていたのですが、最近は専ら『社会人なら絶対おさえておきたい 敬語きほんのき』(著:梶原 しげる PHP研究所)を読み返すことが多いです。

社会人なら絶対おさえておきたい 敬語きほんのき

社会人なら絶対おさえておきたい 敬語きほんのき

この手の本にありがちな、版だけ重なっているような古めかしい能書きもなく、「お~になる」のような、敬語の基本公式とその用例を1・2個載せて終わり、という本でもありません。TPOをより突き詰めた、職場での仕事の進捗や、上下・人間関係といったことも想定した実践的な本です。新人・新卒よりも社会人経験のある方向けのように思います。

全体として、ただ敬語をきちんと使うだけでなく、仕事全体を考えた所作として意識するという指向です。それは解説やコラムにも表れています。ですので、単なる敬語表現の勉強ということ以上に、この本を読むと「正しい敬語を使うのも大事だけど、たとえ敬語の使い方を誤っても、普段の対人関係・仕事ぶりから”セーフ”になるようにできるんだな」という確認ができます。

著者は所謂有名人であり、正直読む前は「名前だけで売っている本かな」と半信半疑でした。しかし考えてみると、会社・組織で働き、”業界”で様々な人物と接点があり、現在もフリーで全国区で「話す」仕事をしているわけですから、経験が本に活きないはずがないわけです。

ちなみに筆者の下記のような”過激な”タイトルの新書本については、ちょっと「主張が唐突だな」「説明不足だな」といった粗が目立つ印象だったのですが、『敬語きほんのき』に関しては丁寧なつくりです。ヘンな話なのですが、実は『敬語きほんのき』を読むと論拠がわかる主張もあったりします。本の出版の在り方や筆者の捉え方を少し考えさせられます。

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