今週のお題「受験」
別の記事でついうっかり受験生向けに労いや励ましの言葉を書いてしまいそうになったが、ネットの世界に生きる今どきの受験生がそんな言葉を額面通りに受け取るわけがないじゃないか、と思い直してやめた。どうせ喜んでもらうなら18禁画像なんかを置いておく方が喜んでもらえる気がするが、それも今は検索したらスグだしなあ。
大体、この期に及んでこんな辺境のページを閲覧している受験生がいたら、スケジューリングがまずいのではなかろうか。この記事は無試験で閲覧可能です。
とは言えそれではお題にならないので、今回は私も学生の頃解いた英作文の問題のように、辞書を引きながら問題に取り組んでみました。
問:自らの受験体験になるべく基づいて、試験会場での、試験開始から終了までの様子を官能的に作文せよ。
解答例:
「それでは、始め」
試験監督の号令とともに美肌を湛える答案用紙、肉付きの良い問題用紙は机上に舞い上がった。
他人に見せてはいけない答案用紙の肢体を眺めながら、今度は問題用紙の衣を一枚一枚めくり、受験生は舐め回すように吟味していく。ふと目が止まる。「お願い、止めて! アタマが・・・・・・白くなる!」
始めのうっそうとした密林のような問題はそうでもなかったが、この果肉の入口は自宅でも受験生の筆に強靭な抵抗をしていた。切羽詰った切ない声が出そうになる。こちらから攻めるのはやめて、受験生は問題用紙をひっくり返し、今度は白い双丘の問題を窺った。
「きた、きたぁッ! これなら攻めがいがある」
受験生の解法は形状記憶合金のごとく展開された。試験のために用意した極太が今度は答案用紙も攻め立てる。ギュルギュルと、それからグゥーンと明王の剣が進んでゆく。順調だ。
「なんだか宙に浮いてるみたい。宙返り、宙返りよ」
しばらくして、受験生は絶頂へと押し上げられた。よし、先程躓いた全宇宙と響き合う孔に雄渾なものを突き立てねば。しかし、時間がない。解法がぐるぐる回るっ・・・・・・。気がつくと口を半開きにして震えていた。
「また、ダメになるわ・・・・・・」
終了のベルがなった。再び試験監督が号令する。
「解答やめ」
その瞬間、受験生に一条の光が総身を駆け抜け、高圧電流のような絶頂感が突き抜けた。
心残りはあるが、終わったことだと受験生は祈ることにした。
「どうかつかまえて! 落ちるぅ・・・・・・」
というわけで使用した辞典はこちら、『官能小説用語表現辞典』(ちくま文庫)。約2300語収録。用例つき。受験生なら訳無い量ですかね。
この辞典の「声」・「オノマトペ」・「絶頂表現」の項を中心に引用・作文したのですが、表現を選びながら・探しながら書くのはえらく面倒でした。しかも答案・問題用紙を女性に見立てたのに、受験生が喘いでるね。まあ、試験会場だからそうなるよね。日本語の表現は難しくて奥深いね。用語が用語だけに、一発変換もできないし。
ちなみに太字・下線部が辞典に掲載されている用語・表現です。気になったら復習しましょう。

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辞典にはこの他に「女性器」、「男性器」の項があるのですが、女体・男体の項があると作文のときにもっと役立つのではないかと思いました。やっぱり辞典は使ってみないと良し悪しが分かりませんねぇ。
なんで「受験」のお題からこうなったか? だってホラ、今週のお題のページに”本番に緊張しないための裏技”などと淫靡な表現がなされていたので・・・。