デジタルエンタテイメント断片情報誌

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生誕110周年・ショスタコーヴィチ交響曲全集を聴く 第1回 交響曲第1番

前回続きを予告しておいて、だいぶ間が空いてしまった。まあ、誰が待っていたわけでもないでしょうが・・・というわけで、新生メロディアから発売されたショスタコーヴィチの生誕”110”周年記念の交響曲全集ボックス(10枚組 MEL CD 10 02431)を肴に、今回は交響曲第1番の録音の話をしようと思う。
私自身の曲印象としては、前半の第1、2楽章に比べると後半の第3、4楽章は、(演奏時間の割に)冗長に感じてしまう。もちろん後半楽章に交響曲の中期作品(第7番や第8番)の萌芽を見てはいるのだが、まだまだかな、という感じ。第1楽章が一番好きかな。第3楽章から第4楽章へはアタッカなので、後半の演奏が”聴ける”と思った録音は、最後まで聴いちゃう。

ここで世評やら曲目解説の話は、まあ私がしなくともよいでしょう。グラズノフの話も、多くの有名な指揮者が採り上げていることも、各自探してね、ということで。ただ初演時のリハーサルのエピソードを紹介しておくと、ショスタコーヴィチ自身も「自分の音楽とその響きに何ともいえぬほど興奮して、その感情のはげしい身ぶり」をシテインベルグ(指導教師)が押しとどめるのに苦労したとのこと(『ショスタコーヴィチ自伝』P.12、訳・ラドガ出版、発売・ナウカ)。やはり若き日にはそういう微笑ましいエピソードがあったのですねぇ。


Shostakovich: All Symphonies

Shostakovich: All Symphonies

それではまず、記念ボックス収録の録音から。ボックスにはロジェストヴェンスキー指揮ソビエト国立文化省交響楽団の演奏が収録されている。これは良いチョイスだなあ。状態の良い録音に、オケの音色もキンキンしていて、雰囲気満点。そしてこの音色を飽きさせない解釈が光る。ロシアの指揮者故か、ロジェストヴェンスキーはどうも”爆演”指揮者のイメージをしてしまいがちだが、解釈自体は丁寧・堅実な指揮者で(それがときに平板な演奏に聴こえてしまう場合がある)、この第1番によくハマっている。


オーマンディ・コンダクツ・ショスタコーヴィチ

オーマンディ・コンダクツ・ショスタコーヴィチ

  • アーティスト: オーマンディ(ユージン),ショスタコーヴィチ,フィラデルフィア管弦楽団
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2012/10/24
  • メディア: CD
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ショスタコーヴィチ:交響曲第1番&第15番

ショスタコーヴィチ:交響曲第1番&第15番

ちなみに私が愛聴しているCDの現役盤を紹介しておくと、オーマンディとデュトワだったりする。オーマンディ盤はコステラネッツのギャロップ・ポルカ集がカップリングのものを今でも聴いている。大柄な味付けで、演奏時間以上に聴いた後の満足感がある。デュトワ盤もカップリングの第15番共々、整然としている中にショスタコーヴィチの個性を忘れておらず、気がついたら全曲聴いている録音。



現在LPでしか聴けない演奏から、アーロノヴィチ指揮モスクワ放送交響楽団の録音(Melodiya/eurodisc、85120MK)が聴かせる。オケがマイクから少し遠い、残響を活かした録音。オケの名前から期待するほど激しい演奏はしていないが、節回しが絶妙で聴きやすい。第2楽章が割にコミカルな解釈で面白い。これを記念ボックスに収録するのもアリだった気がする。新生メロディアには、CDかダウンロード音源で復刻して欲しいです。ちなみに私が持っているレコードによると、録音は1964年。



LP音源では、ガヴリル・ユーディン指揮ソビエト国立交響楽団の録音(Melodiya C10 30485 002)も剛直な演奏で楽しい。所謂”爆演”ではないか。こういう演奏で第6番なんて聴いてみたかった。オケの音が少々細い気もするが、演奏の勢いとデッドな録音にマッチしていて、減点にはならない。

最後にこれもCD化・音源発売されていない、最近ベートーヴェンの交響曲全集がCDで復刻されたスタインバーグ指揮ピッツバーグ交響楽団の演奏(Command CLASSICS CCSD-11042)。これは期待した割にイマイチな印象を受けた。ベートーヴェンの交響曲では、重心の低いしっかりした解釈が大変好みだったのだが、この録音では中途半端なフラフラした演奏に聴こえる。オケの音色も冴えないし、そのせいか刺激的な音響もなく、聴いていてダレてしまう。LPでしか聴けない録音とはいえ、うーん、好みの演奏とは限りませんなあ。

第1番はショスタコーヴィチの交響曲の中で、録音に恵まれている部類なので、また何処かで記事にするかもしれない。次は第2番・第3番の記事ができたら、いいな。

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