デジタルエンタテイメント断片情報誌

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『ハイスクール・フリート(はいふり)』4話の感想

前回、3話の感想を書いた時に、今後期待しているポイントをまとめたのですが、3話では予想以上に話が進みませんでした。4話にしてようやく話が見えてきた、と言っていいでしょう。ただそれが、今後に期待できるものかというと、そうではなかった。

前回書かなかったが、私は作品として面白ければ、例えば登場人物が死ぬことだって大いに結構だ。特段アニメに限らないことだが、キャラが死ぬまでのキャラ立て・ストーリーといった積み重ねを大事にしてくれれば、それでいい。萌えを語るなら、ただ見た目が可愛いとかだけでなく、デキの良いキャラで萌えたい。不自然に生存するくらいなら、それこそ「この作品では人は死にません」ルールを作中に織り込んでおいて欲しい。現時点で『はいふり』には、そういう作品としての計算、完成度の高さは感じられない。


『はいふり』4話はひどくつまらなかった。感想を書くときは何回か観直しているのだが、探すまでもなく粗が目立ち、これほど観ていて楽しいポイントが皆無な作品になるとは思わなかった。未見の御仁は今から視聴しても時間の無駄だろうし、面白くなくて観るのが嫌になった御仁は視聴をやめても大丈夫だと思う。期待するだけ損である。タイトル変更で録画予約失敗、という話を見かけたが、それは「観なくていい」という天啓だったのだろう。あ、すみません、この作品に"天啓"とは大仰過ぎましたね。予約失敗していた人はラッキーでしたね。

冒頭のトイレットペーパー不足の話からして、失敗している。これだけ本筋を焦らしているのに、日常パートの落差もユルさも楽しめるわけがない。その上各キャラの魅力も大して描けていないのに、この人数の多さだ。トイレットペーパーも、別に4話の伏線というわけでもなく、せいぜい1話のバナナ程度の小道具扱いである。しかもこの後、福引で1年分当てるという、陳腐な話のオチ。アニメの視聴者って、すごくナメられているんですね。こんな話でいいだろ、と。ボロい商売なんでしょうな。

そして今まで話に上がらなかった、海上のオーシャンモールに買い出しと。買い出しに行くこと自体、もうストーリーとしても作品としても脱線気味なのだが、これほど世界観が明らかになる度に作品の評価がマイナスになるのも珍しい。

話し方と語尾でキャラ付けしているキャラも少なくないのに、まさか1人称にツッコミが入ると思わなかった。こういうキャラ付け自体、前回の感想で「安直」と切り捨てたつもりだったのだが、悪い意味で予想を上回った。キャラ作りもお話作りも、崩壊している。

艦長直々に買い出しに行くシーン。この作品の緻密な世界観・舞台設定に、個人的な願望を押し付けるような書き方で恐縮なのですが(※もちろん嫌味)、水上を走れるカッコ良い乗り物よりも、やはり艦載するなら水上偵察機の方が嬉しかったなあ。飛行機がない世界ねぇ。船好き、飛行機好き、戦車好き等々、ミリタリーファンにも色々あるのだろうが、もはやこの作品にそういうこだわりも趣味も何も感じない*1

副長絡みのくだりは、繰り返すが、キャラの魅力が立ってないうちにそんな話をやられても、という印象。血縁というのはドラマで定番の設定だが、今後この作品で活かせる気がしない。しかも各キャラのことをよく知らない内に、変にキャラの印象を下げられてしまった。副長の信奉者がいるみたいだが、ポッと出た感がすごい。

そして4話の見所、漂流物に潜んでいたネズミ(らしき生き物)登場でございますよ! 目が光ってます! 怪しいです! こいつが元凶なのでしょうか? それともネズミに潜む細菌兵器、みたいな感じでしょうか? それでネコを登場させていたんですね! いやいやこの作品のスタッフのことですから、これもブラフかもしれませんよ!

あー書いてて疲れる。ブルマーは味方のようですね。何だかよくわかりませんが。よくもまあ、スピード感も緊迫感もないシーンをダラダラと。

暴れるタマちゃんが海に投げ飛ばされて、また甲板に戻ってくるシーンは意味不明ですが最高に笑った。マンボのBGMでMADにできそうですね。機銃を撃ちまくるのもカッコ良かったです。毎回暴れて欲しいね。もう好きにしてくれ。

晴風の装備が変わって、戦う気満々のようです。今話は戦闘なしだったが、せめて戦闘(艦隊戦)描写くらいは「マシだった」と思わせて欲しい所。それも無理くさいが。渡されたUSBも疑って欲しいのか? ん? 武蔵がバリバリ怪しく現れた所で終わり。艦隊戦で武蔵を沈めるのか、武蔵の乗員を救助するのか、どっちでもいいや。もう真面目に感想は書きません。


*1:ただ、少なくともミリタリーファンには、史実・創作含めて、戦記・戦史には案外興味のない層がいるのはわかった。

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