やはり書いておかなければならないな、と思って書くことにした。音楽鑑賞に使っている機器(オーディオ)のことである。
今一番興味のある、クラシック音楽の音源(CDでもLPでも配信音源でも)のレビュー・感想を読んでみると、使用機器・再生環境が不明な感想がゴロゴロしている。これは書籍でもインターネットでも同様だ。もっとも、ただ「使用機器も教えてくれ」、という話ではない。別に使用機器・再生環境がわからなくても、心惹かれる感想はたくさんある。そもそも使用機器に興味があるのではなく、音楽に興味があってその感想に辿り着いているのだから。感想に違和感を抱いたとしても、インターネット全盛のこのご時世、興味を持った音源は自分で買うなりして聴いて確かめたほうが早い。
私が気になっているのは、「音質」「録音」の話が出てきたときである。この界隈、使用機器・再生環境の話をせずに「このCDの録音が悪く聴こえる人は、使っている装置(環境)が悪い」とか「旧盤よりも新盤の方が音が良い」という、根拠や基準が不明なレビュー・感想が未だに散見される。もっとエスカレートすると、「今回再発売されたCDよりも、初出の音源の方が音が良いに決まっている」などと具体的な比較もなしに平気で書いてあったりする。
どんな環境で音楽を聴いていようが一向に構わないが、そこまで言うのならせめてどういう機器を使っているのかくらいは知りたいし、謙虚に言えば使用機器・再生環境も参考にさせてもらいたい。実際、私自身も「この音楽、もっと良い音で鳴らしたいなあ」と思うことがあるからだ。好きな音楽があることが前提で、その音楽をできる限り良い音で聴きたいだけなのだ。
⋯そんなことを書けば、当然「じゃあお前の使用機器はどうなんだ?」という話になるだろうし、今まで自分が書いたCD等の感想含めて自問するわけで、今回はオーディオの話です。私がCDを聴いて音楽の感想を書くときはこんなの使って聴いてます、という話です。PC用途でいうと、こんな感じ。オーディオに興味のある人は所有音源の話をしない、音楽(音源)に興味のある人はオーディオの話をしない、という傾向がある気がするのは私だけでしょうか。
私が主に聴くジャンルは「クラシック音楽」です。とは言ってもこのジャンル、管弦楽から器楽、声楽、オペラと多岐にわたっており、一つ(1セット)の機器で満足というのはそもそも難しいでしょう。
ただ私にはもう一つ好きなジャンルがあって、それが「クラシック音楽」のように、結構幅広い。それは何かというと、映画やドラマ、アニメ等の「サウンドトラック」です。映画やドラマではシーンに合わせて色々な音楽が用いられます。オーケストラから器楽、POPS含めた歌、電子音楽⋯⋯、サントラと一口に言っても侮れない。はっきり言ってジャンルを網羅する必要がある。ただ機器としては案外使い回せるな、と思っています。
そこで、このクラシックとサントラを聴くことを前提に、機器を選んだ時のポイント:
・低音・中音・高音と全般に癖のない、悪く言えば素っ気ない組み合わせを考える。ただ楽器のソロ、特にピアノの音は意識する。現代音楽・日本人作曲家の作品では、楽器のソロは重要。ピアノもその一つで、特に用途も広いため。
・スピーカーはそうそう壊れないと踏んで、国内外から選ぶ。
・アンプ(プリメインアンプ)は長く使うことを前提に、故障しても修理依頼が容易そうな国内メーカー品にする。初級〜中級機から選んで、良いと思った機器(できれば中級機か、中級機に片足突っ込んだ位の機器まで)を選ぶ。
・アンプにトーンコントロールはあってもいいが、音質や録音状態の話をするときに一々調節するのも面倒だし、判断がブレても嫌なので使わないし、いっそなくてもいい。
・CDプレーヤーは消耗するので新品を買い、気楽に買い換える前提で選ぶ。クラシックだとSACDが根強いので、再生できるもの。
・ヘッドホンは聴き疲れしないことが重要。
そして現在使用している機器:
スピーカーはモニターオーディオのGX50。最近流行の「高音質」も意識したモデル。定位はソコソコで、価格帯としては合格点程度だが、包み込まれるようなトーンが特徴で、聴き疲れしない。ジャンルを選ばないスピーカーだと思います。オーケストラのソロパートも際立つし、器楽(特にピアノ)も聴ける。打楽器の音も良い。無論AV用途もOKで、映画を観るときにも使用。ELACや、ビクターの中古(SX-M3)辺りと悩んで購入。モニターオーディオはもっと人気が出てもおかしくないメーカーだと思う。
モニターオーディオ スピーカー Gold GX50-PB [ピアノブラック ペア]
- メディア: エレクトロニクス
onkyoのデジタルアンプA-1VL。機能もシンプルで、上述のスピーカーと組み合わせても音に癖が出ない。AVアンプのパワーアンプとしても使えて便利。中古価格は定価の半額程度だが、もう5年以上相場が変わっていないと思う。私が購入した8年位前から中古市場でよく見かけるが、それでも根強い人気なのでしょうな。なぜデザインそのままに、このアンプの正当後継機を発売しないのか不思議なくらい。
ONKYO プリメインアンプ 200W+200W A-1VL(S) /シルバー
- 発売日: 2004/06/07
- メディア: エレクトロニクス
同じくonkyoのSACDプレーヤーC-S5VL。このプレーヤーでSACDとCDの音の違いを意識させられて、SACDに嵌った。こちらはA-1VLとは逆に、なぜ上位機を発売しないのか不思議。SACD再生はこの機種が最後なのだろうか。
ONKYO スーパーオーディオCD/CDプレーヤー C-S5VL(S) シルバー
- 発売日: 2009/06/27
- メディア: エレクトロニクス
ヘッドホンをあまり使わなかったので、ヘッドホンアンプも長らく持っていなかった。CDプレーヤー付属のものを使っていたのだ。将来的な拡張の余地が多少ありそうな機器を使用。ちなみにヘッドホンはAKGのK501。室内楽が良いといわれるヘッドホンで、確かに弦楽器の音は良い。それでいて耳に鋭くなく、装着感含めて長時間使っても大丈夫。壊れないので、今のところ買い換える気もない。もうすぐ10年選手くらいだと思う。
audio-technica D/Aコンバーター(24bit/192kHz対応)内蔵ヘッドホンアンプ AT-HA26D
- 発売日: 2011/11/25
- メディア: エレクトロニクス
レコードプレーヤーはCDやMP3といった他のメディアでどうしても手に入らない音源があるときに使用。音源のリッピング目当てですな。とはいえついついプレーヤーで再生して聴いてしまうのですが。AT-PL30は、再生用途だけの使いやすい機器です。もう後継機も出てますね。
audio-technica AT-PL30 レコードプレーヤー
- メディア: エレクトロニクス
これらの機器を6畳(貼り付けただけのフローリング)、机や本棚、PCが置いてある中で使っています。