趣味でクラシック音楽を聴いて、音源を収集しているのだから、好きな作曲家・演奏家だけ徹底的に聴いていても何の問題もない。…とは思っていても、これだけ膨大な音源があって、かつ手に入れることが容易になった(しかも試聴もできる)昨今、やはり知らない曲・演奏というのはジャンル関係なく気になってくるし、趣味の幅を広げるきっかけには積極的でありたい。
そんなときに読み直している本の一つが、『現代名盤鑑定団』(音楽之友社)だったりする。雑誌『レコード芸術』ではまだ連載が続いていると思うが、単行本としてはこの本以降、続刊がない。連載自体の評判は(他の連載記事と比較しても)良さそうなのに、不思議なことだ。
- 作者: 小林利之,浅里公三
- 出版社/メーカー: 音楽之友社
- 発売日: 2004/12/01
- メディア: ムック
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『レコード芸術』で話題になった新譜(1曲)をテーマにして、過去の録音(大体10〜40種類のカタログから数種類程)にも触れつつ、3名ほどで談話している本である。『レコード芸術』を読んだことのある人からすれば、話のまとめ方が新譜寄りの評価で読む気がしない、という向きもあろう。だが、普段から熱心に新譜やメジャー・レーベルのタイトルを追っていない自分としては、各年代毎の所謂「名盤」をシンプルに講評しながら「あれも良い、これも良い」という話をしているのは大いに興味が湧く。「名曲名盤○○選」なんてムックを読んで虱潰しにするよりも、手っ取り早いのだ。
私自身、クラシック音楽が好きとはいえ、その興味は偏っているのは自覚している。しかし、世のクラシック音楽ファンはこの本に載っている曲・演奏の話くらい造作もないのか、となれば「せめて曲を知って、興味が湧けば2、3種類くらいCDを聴いてみるか…」というくらいの気概はある。もちろん、俄然その曲が好きになれば、貪るように音源を漁る。
掲載されている37曲を掲載順に少しだけ見ていくと、まずモーツァルトの歌劇『フィガロの結婚』、黄色信号気味か。4種類くらいしか聴いたことがない。序曲だけなら10〜20種類はあるか。コダーイの『無伴奏チェロ・ソナタ』、赤信号。ペレーニに興味があった頃*1に、2種類くらいCDを買って何回か聴いて、それっきり。プッチーニの歌劇『ボエーム』、撃沈。図書館で借りて1回通して聴いただけ。ドビュッシーの『前奏曲第1巻(全12曲)』、撃沈。CDは1種類だけ持っているが、曲が全く思い出せない。とまあ、惨憺たる有様です。こんなことをやって、まだまだこの趣味は奥深いな、と日頃から感じておくわけですな。
*1:LASERLIGHTのドヴォルザークのチェロ協奏曲はお気に入り。