デジタルエンタテイメント断片情報誌

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本を「借りて」読んだ思い出

国立青少年教育振興機構が全国の中高生を対象に行った調査で、半数以上の中高生が、読書好きと答える一方、1か月間で学校や地域の図書館から全く本を借りていない生徒が7割以上に上ることが分かった。(以下略)

今は本を買うのが、手軽で便利になったこともあるのでしょう。ネット環境があれば、欲しい本はすぐ検索・購入できるし、買う前にレビューを読むこともできる。何より紙媒体でなくても読める。

私にとって中学・高校時代は、図書館で本を借りて読書しないと、絶対に楽しく過ごせなかったと思う。やっぱり当時は金がなかったし、使わなかった。情報源も今より限られていた。そんな自分にとって、図書館は結構寛容に本のリクエストに応えてくれるし(今でもそうだが)、雑誌・週刊誌・新聞も置いてあって、オアシスだった。

家にファミコンがなかったのに*1、MSXとPC98が偶然あって、昨日記事にした『信長の野望』や、『三國志』を遊びたいがために読書しまくった。前述の金を使わなかった理由の一つに、PCゲームを買うためというのもある*2。遊びたいゲーム(結局遊べなかった(買えなかった)ゲーム)、いっぱいあったなー。

ゲームの興味から三国志にハマって、吉川英治の『三国志』と陳舜臣の『秘本三国志』を借りて読んで、友達から横山光輝の漫画「三国志」を借りて読んだ。ログイン(PCゲーム雑誌*3)の連載記事、「三国時代」で紹介された本も片っ端から読んだ。まあそれが、私が好きな本で挙げている、『正史三国志英傑伝』(『中国の思想』刊行委員会編訳)なのですが。この本、正史の本ではすごく良い本です。あ、『天の華・地の風』(江森備)も読みましたよ、ええ。もちろん図書館でリクエストして。

起つ (正史 三国志英傑伝)

起つ (正史 三国志英傑伝)

アニメといえば、アニメ化された作品もまず原作にあたっていた。『銀河英雄伝説』は図書館で全巻借りて読んで、友達に薦められて読んだ『アルスラーン戦記』の続きを楽しみにしていたなあ。長かったね・・・。

銀河英雄伝説 1 黎明編 (創元SF文庫)

銀河英雄伝説 1 黎明編 (創元SF文庫)

それから、司馬遼太郎ですよ。三国志にハマって、次は『項劉記』をプレーせねば、と思って『項羽と劉邦』を読んだな。今でも『項羽と劉邦』が一番好きかも知れない。項羽、劉邦の漢詩はまだ憶えています。あと古文の授業がきっかけで『義経』を読んだ。こうなるともちろん、定番の『関ヶ原』、『坂の上の雲』なんかも読むわけです。

項羽と劉邦(上) (新潮文庫)

項羽と劉邦(上) (新潮文庫)

探偵物も好きだった。小学校の頃の話になるが、『少年探偵団』シリーズ(江戸川乱歩)と『シャーロック・ホームズ』全集(アーサー・コナン・ドイル)を借りて全部読んだのを憶えている。少年探偵団シリーズは、事件の舞台になっている館の女主人が出てきたら、だいたいそいつが犯人。そういえば少年探偵団シリーズを全巻家で揃えている友人がいたが、全然羨ましくなかったな。「図書館で読めるのに、もったいない」と思っていた。

シャーロック・ホームズはともかく、江戸川乱歩や横溝正史の作品は、エロティックな感じも当時の自分には刺激的で、そういうのがお咎めなしに読めるのも図書館の魅力だった。

↓はシャーロック・ホームズで、私の好きな「金縁の鼻眼鏡」が収録されている巻。

シャーロック・ホームズの生還 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)

シャーロック・ホームズの生還 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)

読書といえば、ライトノベルを読んだのは高校になってからだった。『スレイヤーズ』を友達から借りて読んだが、カルチャーショックだった。文章が読みにくいこと! いや文章が下手とかではなくて、ライトノベルの文章に慣れなくて、上手く読み進められなかった。今じゃ平気だが。表紙の体裁が懐かしくもある。

スレイヤーズ! (富士見ファンタジア文庫)

スレイヤーズ! (富士見ファンタジア文庫)


他にも色々あるが、思い出深いのはこの辺りか。つらつらと書き連ねてみたが、こうしてみるとメジャーな作品ばっかりだな。チャレンジ精神が旺盛じゃないな。あと何だかんだで、光栄ゲームと歩んだ歴史になってる。うーん、この辺りの本だと、買わなくても読めるな。今の中学生・高校生はお金を出して、どんな本を読んでるんだろうなぁ。

※最後に紹介します。『天の華・地の風』は面白いので、気になった方はぜひ読んでみてください。多感な時期にこの本を読んでいたおかげで、今のアニメ・ゲーム・オタク文化に耐性ができ、かつ雑食になったのだと思う。内容? 三国志の本です、ハイ。表紙は復刊前のが良いですね。

私説三国志 天の華・地の風 1巻 (fukkan.com)

私説三国志 天の華・地の風 1巻 (fukkan.com)

*1:ええ、禁止でした。でもPCゲームはOKと。ある意味、余計人生が狂った気がする。

*2:特に新作は、予算1万円程度は考えておかないといけなかった。

*3:ああ、こうやって注しないと、わからなくなりつつあるよね、もう・・・。

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