社会人になって、なんだかくたびれた、疲れた、これでいいのか、と思うときが、(こんな自分にも)あったりする。
そんなときにちょくちょく読んでいるのが、貝原益軒の『養生訓』。しかも私が読んでいるのは、オリジナル訳と漫画のついた『貝原益軒の養生訓』(著:ジョージ秋山)なのだ*1。
- 作者: ジョージ秋山
- 出版社/メーカー: 海竜社
- 発売日: 2010/02/11
- メディア: 新書
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この本はすごく読みやすい。おそらく著者が、『養生訓』の構成や訳をわかりやすく・読みやすく編集しているからだと思う。さしずめ名言集のような感覚でスイスイ読める。他の原文・現代語訳の『養生訓』を読むのも良いが、今まで『養生訓』を呼んだことのない人にはぜひ薦めたい*2。
『養生訓』には健康で長生きするための秘訣がたくさん書かれてある。だがとりわけ心に残るのは、身体的なことよりも、精神的・心の部分の健康についての記述だったりする。昨今、「現代人の抱えるストレス」なんて頻繁にクローズアップされるが、貝原益軒の生きた時代も案外一筋縄ではいかなかったのかな、と思いを馳せてしまう。
といったところで、最後に、私が度々思い出している訓を2つ、紹介しておきます。いずれも本を読み始めてごく始めの方に出てきます。『養生訓』は手元に置いて何度も読める本なので、興味のある方はぜひ。
養生 十一訓 心は平静にしておく
いつも心は平静にして怒りや心配事を少なくするよう心掛けるのが心の健康法である。(以下略)
これ、簡単なようで本当に難しいことだと、最近つくづく思う。
養生 十八訓 なにもしない暮らし
仕事で忙しい人は、いつも養生ができないと言って誤った考えをもっている。しかし、仕事が忙しい人よりも、なにもせずに暮らしている人のほうが健康にはよくない。(以下略)
この後に、ほんの短い一文が続きますが、この文章に加えて、さらに痛烈です。