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異星人を相手の後か、その前か 『地球防衛軍』(1957)・4Kデジタルリマスター版の感想

「午前十時の映画祭13」で8/4上映開始の『地球防衛軍』(1957)・4Kデジタルリマスター版を観てきたので感想です。今は同名のゲームシリーズの方が有名でしょうか。今回の感想は作品に纏わる話だけでなく、映画館での体感・4K版の映像・音響諸々に書ければと思います。

『地球防衛軍』(1957)の感想

まず映像について。現在流通している配信やDVDは後半に痛みが目立っていたが、綺麗になっている。冒頭のタイトルクレジットの発色からして印象的だ。また4K版は全体的に質感が向上している。例えば放水を浴びたモゲラのテカリ具合などより生々しくなった。

ただ本作はかなり手を加えたせいか、いい感じにぼやけていた操演が少々クッキリした気がする。とは言え「どうやって吊っているのかな」と注意深く見ればの話である。従来通り全くわからないシーンも多く、当時の技術や完成度の高い映像作りに感心してしまう。F-86やF-104、円盤の操演は本当に凄いと思う。

音響面では事前にアナウンスあったように、疑似ステレオの効果が面白い。台詞が発せられる場所毎にスピーカーを使い分けているのがよくわかる。音楽も『キングコング対ゴジラ』のように立体音響があったらと、楽曲の弾け具合を聴いてつくづく惜しい。

ストーリーは単純なようで、存外味わい深い。ただ侵略者を撃つのみの通り一遍でなく(後半はその色が強いが)、この頃の東宝特撮らしさが盛り込まれている。

秘密裏にいきなり土地を拝借した挙句、災害を起こして事実発覚。それを些細な犠牲と言い、さらに土地を要求する。侵略ではない、平和裏に解決したいと言いつつターゲットの女性は既に拉致を開始、決裂するとさらに広大な土地を力づくで奪うと宣言。地球人が敵うわけがないとタカを括っていると猛反撃に遭って退散。ミステリアンの侵略経緯と言い、侵略の手口と言い、人類側に、現代にこそ思い当たる節がないだろうか。声高に述べるより、メッセージはさり気ない方が効果的な場合がある。そしてそこに図らずも作品の普遍性が生まれている。

そうして観ていくと、後半の人類大攻勢も考えさせられる。相手が原水爆以上の武器を持っていそうだが、原水爆で対抗はできない。でももしそんな武器を使ってきたら? その前に決着をつけるとしたら? 本作でその答えは電子砲とマーカライト(ファープ)だった。それらの効力が無かったときのことは描かれなかった。ファンタジーが故の、あまりにも強力なゲームチェンジャーだったからだ。映画での活躍は痛快この上なかったが、そういった上には上を行く技術の登場や応酬もまた、現実世界では終わりが見えないので寒気がする。


そもそも我々は今、ミステリアンが攻めて来たら世界で一致団結して対抗するのだろうか。ミステリアンに協力を表明する国も、民間団体も、個人も、いそうではないか? 映画の中以上に。

そしてそうなって地球が焼け野原になったときに、宇宙に逃れる人々も、いそうではないか? 宇宙船だって、別に国家や政府の要人だけが使えるわけではないのだから。

これまで幾度となく楽しんでいた作品だが、思わずそんな時事を織り交ぜたくなった。

そういえば最終決戦になると大将クラスが自ら戦場に赴いて指揮を執る、というのもフィクションのようで案外リアルである。余程改修に自信があっても、あれだけ首脳陣が搭乗しているα号をわざわざドームに近づけないだろう。ただ、そうしたトップの行動や心意気が士気に影響する、というのはごく最近の現実でも思いつく。こうなると渥美の単身ドーム潜入や白石の寝返りによる形勢逆転が映画的なお約束で、むしろ安心する作品だ。

雑談:ゲームで遊ぶ『地球防衛軍』

最後は特撮好きとして雑談で楽しく。冒頭で小ネタを入れたが、本当に本作をベースとしたゲームがあるので紹介しておきたい。1993年にPC-98で発売された『ゴジラ』(システムソフト 現システムソフトベータ)である。

以前に別の記事でも紹介したが、このゲームは防衛隊(自衛隊)となってゴジラを始めとした東宝特撮怪獣を倒したり誘導したりする戦略SLGである。もちろんシナリオは映画ベース。この中の『地球防衛軍』ベースのシナリオがまた最高なのである。映画の感想では色々書いたが、ゲームは楽しく映画に登場する兵器でミステリアンと一大攻防戦を繰り広げることができる。

当時のPC、それもPC-98のスペックで動くゲームなのでグラフィックは地味だが、その再現度が素晴らしい。効果音や鳴き声も劇中使用のものだし、BGMも伊福部昭と佐藤勝の音楽だ。当然『地球防衛軍』ではあのマーチ。テンション上がりっぱなし。その上α号やβ号、マーカライトファープを操作できるのだから至福の時間である。

※β号の攻撃。カッコいい。円盤にナパーム? 気にしない気にしない。

ちなみに映画序盤を再現したシナリオ『第一次攻防戦』の目標達成はミステリアンドームに隣接だ(シャーマンで突撃していたのを再現するわけだ)。これが結構難しい。ドームは映画さながらの強さなので、隣接する前に簡単に1ユニットが吹っ飛ぶ。モゲラは通常兵器で倒せる強さだが、案外しぶとい。

※映画のような攻防。放水車はいらないけどデフォルト配置で外せない。

また映画よろしくどんな兵器でも怪獣を攻撃できる。なので画像のようにモゲラに放水だってできる(もちろんダメージは0)。とまあこんな感じで、大げさだが私はこのゲームで夢が叶った。このゲームをプレイできるよう、今でもPC-98とディスクをメンテし続けている。いい加減プロジェクトEGGあたりで復刻してほしい。今回映画を鑑賞して再現を狙うのも一興。

ウルトラQとウルトラマンの間に 『ウルトラ作戦 科特隊出撃せよ!』

特撮作品で圧倒的な存在感を放つヒーローよりも、地球の平和を守るべく強大な敵に立ち向かう人類側、防衛集団についつい感情移入してしまうのは私だけでしょうか。

今回は空想特撮シリーズ『ウルトラマン』に登場する防衛チーム、科学特捜隊の活躍を描いたPCゲーム『空想特撮シリーズ ウルトラ作戦 科特隊出撃せよ!』(1992 バンプレスト PC-98)の話です。ちなみに記事タイトルは旬な話題に便乗したのではなく、付属のマニュアルの見出しから。いやちょっと狙いました。

ウルトラ作戦 科特隊出撃せよ!』とは

バンプレストのPCゲーム参入第1弾は題材を『ウルトラマン』に求めながらも、当時のいかにもPC作品、ディープなファン向けのゲームでした。科特隊のムラマツキャップの視点を中心に怪獣や宇宙人と戦う全6話構成のアドベンチャーゲームです。発売はPC-98のみでコンシューマ移植もされませんでした。最近話題になったフロッピーディスク7枚組。ハードディスクにもインストール可能。ちなみに参入第2弾のゲームは『ああっ女神さまっ』だったはず。これもPC-98作品。

※OPはもちろん『科特隊のテーマ』が流れています

特典冊子の『ウルトラ作戦大図鑑』によると、最初はウルトラシリーズと関係のない怪獣撃退ゲームを作る予定だったのが円谷プロの協力、しかも”空想特撮シリーズ”まで冠してOK、となって出来上がったとのこと。なのでゲームのOPにも当然「監修:円谷プロダクション」。円谷プロ公認のアナザーストーリー、これはファンなら遊びたくなるはず。私は当時既にウルトラマンから”卒業”気味でしたが、こういうPCゲームや平成ゴジラシリーズがきっかけで戻ってきて今に至ります。それがまさか今の今になっても語っているとは。いや世間に語れる土壌があるとは。

『ウルトラ作戦大図鑑』にはゲームに登場するオリジナル怪獣の造形写真や図解(まるで小学館の『怪獣図解入門』)、ウルトラマン制作当時の企画書から再録された科特隊の各種設定、制作者インタビュー(怪獣デザイン・西川伸司はじめ存命だった円谷皐の寄稿も有)と盛りだくさんです。そうそう、科特隊メンバー5名プラス佐原健二のインタビューも載っています。読んでいるだけで至福の時間です。

※科特隊インタビューではイデ隊員(二瓶正也)が、”ウルトラマンのいない地球を科特隊が守るんですか。大丈夫かなぁ。”なんて仰っていてニンマリ。イオゴンは先鋭的なデザイン。

ゲーム概要とスピンオフの在り方

本作では『ウルトラQ』と『ウルトラマン』を繋ぐ、科特隊の誕生からウルトラマンが地球にやってくる直前までが描かれます。これが前述の通り、ファン向け、ファンのためのつくりで本当にニクい。

グラフィックは『ウルトラマン』本編のキャプチャと新たに撮影したミニチュアを組み合わせており、雰囲気満点です。当時のPC-98に画像を取り込んでいるので解像度は低いですが、ぼやけた画像がかえって想像力を高めてくれる気がします。我ながらちょっと贔屓目かな。登場人物も当時のまま! 一の谷博士に岩本博士も登場します。ゲームだからこそできる、夢の世界です。第一話の科特隊メンバーお披露目はウキウキします。

※ウルトラQから話が続いていることに胸が高鳴る

※志願して入隊したフジ隊員

※消去エネルギーといえば⋯『シン』では登場しませんでしたねぇ

※特殊潜航艇S号に危険察知のネクタイピンもちゃんと使ってます


怪獣のデザインは後の『ウルトラマン』を意識した怪獣が多く、「この着ぐるみを改造して⋯」と想像して楽しめます。私は合神竜ミドンガのコンセプトが大好き。ミドとロンガ2体の合体怪獣ね。

※この合体方式の怪獣は映像作品で見たい

※レッドキング感アリアリのゴルドキング。そこが良い

※パゴスとネロンガの間にもう一体、ゴロモス。ゴルドンのダイヤモンド版

※完全オリジナルの怪獣も魅力的なのが素晴らしい。宇宙鳥獣エックスと再生ビルガメラー。


ストーリーは全6話の選択型アドベンチャーで一本道です。難しい選択肢はなし。科特隊誕生から環境問題、『ウルトラQ』で登場したあの宇宙人再びに古来の伝説等々、バリエーションに富んでます。たまに寄り道しないと見られないグラフィックがあるので総当りしておきましょう。

※イントロダクションがまた、らしくてグッド

※例えば1話のこのグラフィックなど、見なくても話が進んでしまいます


戦闘モードはターン制のシミュレーションゲーム形式。そうそう、ゲームはオリジナルBGMも怪奇色があってなかなか良いですが、ここぞでは宮内國郎の音楽です。『科特隊のテーマ』から、戦闘モードでは『ウルトラ作戦第一号』から「戦い」の曲も流れます。

ゲーム時点の科特隊には強力な武器がなく、怪獣の体力がなかなか減りません。怪獣が目標に到達するのを防ぐマップもあり不安になりますが、四分の一くらい減らせばクリアです。

※戦闘前には勝利条件が表示されます。バックのシルエットがカッコいい

あとはマニュアルに載ってない攻撃技を紹介しておきます。スーパーガンを所持している隊員ユニット(ムラマツ、ハヤタ、イデ、フジ)を3人隣接させて、真ん中のユニットのターンで攻撃すると強力な「トリプルショット」になります。隣接はまっすぐでもカギ括弧型(「、」)でもOK。斜めはダメ(\、/)。これを使うと比較的早めにダメージを与えられるはず。

※アラシはスパイダーショットを使っているからできないのね。⋯スーパーガンも持ってるよな


最後に作品について。私は普段スピンオフを語る際に、安易にスピンオフのストーリーを本編に結びつけたり、設定をごちゃ混ぜにして語ったりしないように気をつけています。メディアの違い、制作者の違い、本編との設定の違い、制作側の(情報)連携⋯。受け手の想像力や読解力も大事ですが、制作側が作品裏話や現場の話をSNSで気楽に発信したりする昨今、バズるため・PVを稼ぐために一二を争って作品を「曲解」し自分の考えを喧伝することを避けたいからです。

そんな中、本作はとりわけ『ウルトラQ』『ウルトラマン』の世界観を大事にしており、当時違和感なくゲームにのめり込んだことを改めて思い出しました。制作者の個性や人間性を読み解かせウルトラマン蘊蓄披露に終始したりすることもなく、「面白い設定だな」「こんなエピソードがあったらいいなあ」と素直に思わせてくれる作品でした。世間的な知名度やヒットには程遠い作品ではありましたが、”空想特撮シリーズ”の名にふさわしい作品だと思います。ウルトラマンについてはゲームに限らず、このような出会いをまだまだ望みたいです。

それでは説明不要のゲームEDとともに。


逃げも隠れもせず『ロードオブパンツァーズ』

今回はシミュレーションゲームの花形、戦略シミュレーションから『ロードオブパンツァーズ』(システムソフト(現システムソフト・ベータ) Win、PC-98)の話です。PCエンジンにも移植された『ロード・オブ・ウォーズ』の続編です。

このブログでは、実は戦車のアニメに関する記事が比較的人気なのですが、そんな私にとって戦車が主役のSLGで思い出深いのが本作です。

ゲームの概要

元は1994年の作品ですが、この作品は移植やダウンロード販売にも恵まれ、今でも正規で手軽に遊べます。

もちろんプロジェクトEGGでも配信あり。EGGの配信はPC-98版で、ソフト・ダウンロード(Win)版よりも登場兵器のスペックが辛いです。私は懐かしさもあり、EGG(PC-98版)で遊んでいます。
https://www.amusement-center.com/project/egg/game/?product_id=664


ゲームの目的を簡単に書くと、「平和を獲得した人類を襲う、遺伝子障害や無気力化の原因と考えられる闘争心や征服欲の低下を解消すべく始まった、クローンで編成された兵器部隊が戦う大会に勝利する」といったところです。詳しく書くと危ないかもしれませんが、SF要素アリな設定です。

基本は戦車(地上部隊)同士の戦いです。歩兵は登場しません。今学校同士でそんな試合しているアニメありますよね。この車両に乗るクローンを育て、兵器を改良・開発しながら、マップを攻略していきます。

車両に乗せるクローンは、歴史上の人物がモデルです。歴史資料まんまのグラフィックだったりするので、すぐわかるでしょう。

※マンシュタインにモルトケです。プレイヤーキャラには信長やナポレオンの姿も

ちなみにクローン毎にエンブレムが設定・エディット機能で作成できます。今流行りの〇〇学園や▲▲チームのエンブレムも作れちゃいますよ。しつこいか。

※この毛利の家紋はデフォルトで入ってます。

ゲームのポイント

システムはオーソドックスなヘックス形式(本作は四角)のターン制です。敵(CPU)がマップのどこにいるかは、ユニットが隣接するか、索敵しないとわかりません。

ですが、ここが本作のキツイところですが、実は敵にはこちらの位置がまるわかりなのです。索敵の必要なしです。大戦下のレーダー有無、いや感覚的にはプレデターと戦っているみたいなもんです。こちらが迂回しようが密集しようが、相手は一直線にこちらを狙ってくるのです。

※どこにいるかわからないので、こちらも積極的に動かないと決着がつきません。

なので何が大事かと言うと、前述したクローンの育成や兵器開発が超重要。これを怠ると確実に行き詰まります。奇襲、奇策は通用しないのです。はい、ただの体験談です。

もっとも公式サイトに攻略ページまでリンクされているので、何度やっても勝てないときは参考にしましょう。下記サイトからソフトやダウンロード版も購入できますが、動作環境は必ず確認のほどを。当方は関知しません。
ss-beta.co.jp


今遊ぶとインターフェイスに癖があって慣れる必要がありますが、気楽に1日1マップ攻略し進めても楽しい作品です。画面構成を始め、こういう硬派なデザインに、キャラクターゲーム要素を乗っけた作品があれば、⋯ちょっと遊んでみたい。

今でも忍者『忍者増田のレトロゲーム忍法帖』

あるレトロゲームを扱った書籍の話をするのをすっかり忘れていました。なにせかなり読む人を選びそうな本でしたので。まあこのブログで言えた義理ではないのですが。今回は『忍者増田のレトロゲーム忍法帖』(著:忍者増田 インプレス)の話です。

かつて「ログイン」というPCゲーム雑誌があり、編集者が誌面で積極的に顔出ししたり、「コタツでみかん」を禁止されたり、富士の樹海に行ったりしていました。そんな(どんな?)雑誌の編集者の中に、大抵忍者装束で登場し、今ではお寒い感のある「~でござる」という語尾で文章を書く編集者がいました。それが忍者増田さんでした。後にファミ通にも在籍していたので、ゲーム好きなら案外知っているかもしれません。

いやあ、つくづく思いますが、当時は珍しかった「ログイン」という用語のアクセントも一般的になりましたね。当時は「ロ」にアクセントか、それとも「グ」か「イ」か、なんて記事もみたなあ。「ロング陰茎」の略称説もみたなあ。関係ないか。今や毎日見かけますからね。ロング陰茎のことじゃないですよ。

まあそんなノリの雑誌だったのですが、忍者増田さんはログイン誌面ではもっぱらRPG『ウィザードリィ』関係や、「バカ記事」と言われるおふざけ記事で活躍している御仁でした。そのノリそのままに80年代を中心に自身のゲーム遍歴を語っています。

紹介されているゲームは『ウィザードリィ』はもちろん、『ディグダグ』や『いただきストリート』といった、そういえば増田さんが誌面でネタにしていた気がする作品ばかりです。もう記憶が定かではないのです。そんなことより、ロバート・ウッドヘッドとか川村ハルトなんて名詞にビンビンきてしまいます。要は80年代のゲームの話はそこそこに、忍者増田さんと当時のログインに興味がまだ残っている人向きの内容です。それ以外の御仁にはなんのこっちゃ、という本です。そういえば私自身、ログイン誌面のノリを面白いと思っていたら、後年「つまらない」「寒い」と複数から言われて(こっそり)ショックを受けたこともありました。今はよくも悪くも人との関わりが広がって、思うところが多くなりました。まあそれでも、元でも一応でもモドキでも”ログイン投稿者”の端くれでありたいのですよ。ニンニン。

ページ構成は本文に対してページ下部に注が入るスタイルです。ログインでもよく見たスタイル。ここで用語説明をしたり、くだらないダジャレや他の編集者の悪口を仕込んだりするんです。私もブログをこういうスタイルにしたかったのですが、いつの間にか忘れてました。注釈で出てくる『テクノポリス』や『ポプコム』は表紙のせいで家に置いておけませんでした。そこでログインだったなあ。


それにしても忍者増田さんの容姿は変わらないですね。「良い人」らしい評判以外にも、期待を裏切らない御仁です。忍者装束がトレードマークかと思ったら、イベントでは普通に私服で登場したりする食えない一面もあり、そういうところが業界で長く「忍者増田」を続けられる秘訣なのでしょう。褒めてるのかこれは。『ウィザードリィ』のコーナー「WIZでござるよ」もファミ通各誌で度々復活しましたしね。おかげで私のような後追い投稿者が投稿することができました。投稿が載った号はまだ持ってます。掲載の記念品はまだ届いてませんが。ンモー。

ちなみにこの本ではゲームボーイの『ウィザードリィ外伝』がオススメになってますが、私は『外伝2』が好きです。あとPCで『リルガミンサーガ』を途中で放置しています。連卵円形さん根性なし!

⋯私『マイトアンドマジック』シリーズの方が好きなもんで。ツフフ。

あ、でも忍者増田さんが紹介していた「ロードランナー」が、実は私の初めて遊んだアクションゲームです。HIT BIT(MSX1)にカートリッジ挿して遊びました。これは懐かしいな。マニュアルがなかったけど、あるボタンを押すと他の面に飛ぶのよ。HIT BITはしまっておいたら、キーボードがカチカチになって使えなくなりました。


ゲームの話題をしたのだから、最後に最近何かゲームやってますか? という話を。そこまで新しいものにハマってないかな。そう言えばマッチー松本大王がアイマスにハマった、なんて記事を前見かけたな。それなら私もポプマスやってたんだなあ。

やっぱり男女の交わりがあるってだけで興味が湧く。え、違う? その辺りの性的嗜好に基づく感覚は中学生の頃から変わらないんだなあ。


『マイト・アンド・マジック ダークサイドオブジーン』序盤から中盤位までの攻略とヒント その2

海外RPG『マイト・アンド・マジック』シリーズの5作目、『ダークサイドオブジーン(以下DOX)』(DOS/V他PC-98、TOWNS)の簡単な攻略記事 その2です。

前回はこちら:


今回はキャッスルビューの東:妖精の森と、サンドキャスター近くまでの記事です。

※現在『6』まで含むパックがGOGで売られているので(英語版)、気になったら是非是非。
www.gog.com

妖精の森でトロール退治

前回ちょっと触れた通り、(私のオススメする手順だと)序盤は西の塔をスルーして、キャッスルビューの東へ東へ攻略していくのが自然です。妖精の森に点在するトロールの洞穴でトロール退治とお宝探しなら、キャッスルビューから出てすぐのレベルでも対応できます(※できれば井戸や魔法でパーティーを強化しておくと尚良し)。妖精の森はステータスをおかしくする嫌なトラップが多いので、しばらくはキャッスルビューを拠点にしつつ開拓するのがよいでしょう。

※こういう手記を読むことがありますが、あまり重要ではありません。まずはお宝を探そう。

妖精の森に入る前に出会うであろう、モンガ・メロンのクエストは簡単なおつかいクエストでおしまいと思いきや、本作らしく別のクエストとも絡みます。それは後々。

※依頼主は能天気ですが、結構大事なクエストなのだ。

トロールの洞穴潰しに森を東に進んでいくと、能力アップの果実があちこちにありますが、これは同時に罠でもあるので食べるのは慎重に。事前にセーブしてもよいでしょう。

また、年齢を増やす攻撃をしてくる嫌な敵(キラー・コブラ)が登場しますが、これは飲むと正常な年齢に戻る泉を復活させるクエストが後々あるので、4、5歳増えても気にしなくてよいです。ただ、こいつやアントは割と強いので、東に進みすぎる前に、妖精の森北部も開拓してレベルアップしておくとよいでしょう。

※この泉には何かとお世話になりっぱなしになります。

その妖精の森北部(山脈沿い)では、バーバリアンの拠点を潰すクエストがあります。バーバリアンは大して強くないので、根こそぎ倒した上で、リーダーとは話し合いで和解するのが吉です。⋯リーダーからしたら解せないでしょうが。

※こういうときに相手を倒さない選択肢を選ぶと良いことがあるのも本作の特徴。

何よりも次なる町、サンドキャスターへの道を確保することが重要です。キャッスルビュー周辺のクエストを攻略する前に、憶えておきたい魔法や技能がサンドキャスターには沢山あります。私は昔これに気づかず挫折しました。ダーク・ウルフや前述のバーバリアンはさっさと片付けましょう。

※この位の相手なら大ダメージを当てられるはず。

サンドキャスターに行く前に倒しておきたい敵

サンドキャスター周辺で一番の難敵はアルマジロだと思います。HP高い、(思ったより)素早い、攻撃力が高くて防具を破壊される、硬い(防御力高い)、魔法使いの攻撃魔法は効きにくい、さらにこちらの武器を破壊する。特に武器・防具破壊は魔法でどうしようもないので、お金もかかって最悪です。見たまんまの平凡な名前の癖に序盤で最も厄介な相手なんだこれが。

※基本一匹で相手できるはずですが、2匹になるともうお手上げ。

なので今回はアルマジロの攻略法を簡単に2つ。まず私がさんざ紹介している、”対岸や川から遠距離攻撃”テクニックはできるだけ使いましょう。サンドキャスター手前の、ちょうど川沿いの道にウロウロしているので、見つけたら川の近くまで誘導しましょう。時間がかかりますが、戦闘不能になるまで戦うよりマシです。

次に、これが重要ですが、魔法で動きを止める。基本的に攻撃魔法は効きにくい相手ですが、「獣の支配」が効果てきめんです。これで動きを止めてしまいましょう。僧侶魔法で、序盤から戦士、僧侶、レンジャー・ドルイドが唱えられるので、例えば私のお薦めする「戦士・戦士・レンジャー・盗賊・僧侶・魔法使い」のパーティーなら4人唱えられます。魔法が切れたら、間髪入れずに再度唱えましょう。これで比較的ラクに倒せると思います。


こんなところで、レベルが15~20くらいになったら、サンドキャスターやキャッスルビュー周辺のクエストも大丈夫でしょう。その辺りはまたいつか。

『マイト・アンド・マジック ダークサイドオブジーン』序盤から中盤位までの攻略とヒント その1

海外RPG『マイト・アンド・マジック』シリーズの5作目、『ダークサイドオブジーン(以下DOX)』(DOS/V他PC-98、TOWNS)の簡単な攻略記事 その1です。前回はこちら:

今回はスタートの町キャッスルビューから出て、周辺の野外をウロチョロするにあたっての記事です。

※現在『6』まで含むパックがGOGで売られているので(英語版)、気になったら是非是非。
www.gog.com

まずはキャッスルビューの南と北の一部から

さあ町を出たら東に行くも西に行くも自由な本作ではありますが、無難にキャッスルビューの南方面、そして北側「西の塔」周辺から探索していきましょう。アイキャッチにも使ってますが、画像は当時ソフトに添付されていた地図。地図の南側は序盤らしく、お金やアイテムをゲットできるポイントもあります。ここから当面は東へ東へ進むことになるでしょう。ひとしきり探索したら、次は妖精の森でトロール退治です。

能力アップポイントを活用する

キャッスルビューを出て野外の戦闘でまず驚くのは、敵の強さではないでしょうか。町でソコソコレベルを上げたはずなのに、武器攻撃が思ったより効かないのです。川の中・対岸から弓矢や魔法で攻撃しても時間がかかってしまう。見た目そんな強そうな敵でもないので、余計焦ります。

※対岸や川の中から攻撃しても、弓矢でなかなかダメージを与えられない。

そこで一時的でも、能力アップの井戸や聖堂は活用します。特に西の塔そばの「呪文の井戸」。ここでスペルポイントを増やしておかないと正直安心して冒険ができません。

ついでに近くにある聖堂でレベルも上げておけたら最高です。遠回りして一日が明けてしまわないように。

西の塔は、後回しでも⋯

何も知らずにキャッスルビュー周辺を探索していてつい引き受けてしまうであろう、「西の塔」のクエスト。結論から書くと、このクエスト(塔)は序盤で攻略できなくても気にすることはありません。後々攻略できれば十分です。その理由と攻略法を簡単に。

まず、鍵を手に入れるためにスカイ・ロード、空の道から塔に侵入しなければなりません。追い剥ぎは出現場所が決まっているので、憶えておいてジャンプで回避しましょう。これはそこまで難しくないと思います。

ただ、ついゲーム序盤で塔に入ってしまった、このときがキツい。何せモークの僧侶がメチャクチャ強い。素早い上に電気系の魔法攻撃(しかも全体魔法・遠距離攻撃アリ)でヒットポイントはガンガン削っていくわ、装備は壊れるわで厄介です。その上大体3人一組でいるから攻撃が止まない。私も全滅、メンバー死亡からの退却・リセットを繰り返しました。キャッスルビューから野外に出たばかりのメンバーではまず敵いません。普通に戦うと、レベル20後半くらいからやっと互角程度かな、という印象です。それでもうっかりしているとやられます。他の塔の敵はそれほどでもないのに、西の塔だけやたら手強いのです。

※一人だけ相手にすればいいと思ったら、見えてる見えてる後ろに⋯

まあキャッスルビューの訓練所レベルアップ上限が30なので、そのくらい上げておいてね、ということなのでしょうか。ちなみに攻略法としては、追々レベルを上げてから、1フロアずつ攻略していくとよいでしょう。フロア毎にヒットポイント・スペルポイント、装備も万全で挑みましょう。普通に遊ぶと多分そうなるかと思います。

そうそう、最上階にはボスキャラがいますが、これは書いておきましょう。全然手強くありません。それはなぜか。鍵つき扉の部屋にいるからです。そう、度々紹介している前作・本作の必勝法「鍵つき扉を開閉して攻撃」テクニックが使えます。扉を開けたら弓矢や魔法攻撃、すぐ閉めてまた開けて攻撃⋯時間はかかりますが、まともに相手したら強いとわかっている敵に、まともにぶつかる必要はなし。もちろんガチンコで戦いたいのなら、私は止めませんよ。ご自由に。

※ありがとう、鍵つき扉。魔法も通さないゲーム最強の扉。ボスの最後がマヌケなのはご愛嬌ということで。


次回はキャッスルビューから北側や更に東、妖精の森の話を一応予定。それではまたいつか。

(2021/1追記)その2:

暑い日に涼しくなれるのか『ラプラスの魔』(X68000版)

暑い日が続いていませんか。私の住んでいる地域が暑いだけかもしれません。今年は家で仕事をしているので、早々にクーラーを使ってしまいました。

昔から日本では納涼として怖い話、幽霊の話が語り継がれてきたわけですが、デジタル全盛の昨今、すっかり影が薄くなっているのではないでしょうか。私の体感だけかもしれません。

ちなみに私の霊に対するスタンスはこの読書記事がわかりやすいかと思います。霊の存在を信じないわけではないが、科学を無視して信じることもしない。記事タイトルのくだらなさは置いておいて。


というわけで今回紹介するのは『ラプラスの魔』(PC-88他 ハミングバードソフト 1987)。超常現象の謎を解き、幽霊の写真を撮ってお金を稼げる怪奇RPGです。マップは3Dダンジョンタイプです。
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後にSFCやPCエンジンといった家庭用ゲーム機にも移植されたようですが、そちらは2DRPGだそうでね。移植でも結構大胆なアレンジだったんですねぇ。そして記事タイトル通り、今回プレーしたのはプロジェクトEGGで配信中のX68000版(1990)です。


X68000版の良いところ

まずなんと言ってもグラフィックです。美麗です。実はPC-98版も配信されているのでそちらをプレーしようかと思ったのですが、今見てもグラフィックがキツイ。当時パッケージの裏を見て買うのをやめた記憶があります。それがまさか、X68000版が遊べるようになるとは。とても嬉しい。

ちなみにPC-98版は『PC‐9801ゲームリバイバルコレクション』(コンプティーク編 角川書店)にも収録されていました。この本は簡単な攻略記事(当時物)セットで嬉しい一冊なのですが、今はプレミアがついているので遊ぶなら収録作品が揃っているEGGで問題ないでしょう。


そして音楽が素晴らしい! いきなりOPの音楽、X68000の音源に感動してしまいます。作曲家、そして紅白出場歌手という凄い経歴の持ち主。音楽担当がデカデカと紹介されるのも珍しいのですが納得。
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果たして”涼しく”なれるのか

このゲームはまず、キャラクターメイキングがとても大事。ゲームで動かす探偵や霊能者の能力を決めます。名前や生年月日を決めたあとのパラメータはルーレット方式です。これがつい時間をかけてしまう。名前の元ネタを調べたりと、半日くらいやってしまいました。

よく知られた序盤の攻略ポイントで、「序盤はお金がないので、作成したキャラが初期に持っている所持金を集める」というのがあります。このゲーム、キャラクター作成画面では12人まで作成できるのですが、探索で使えるのは4人。だけど4人だけ作成すると所持金が少ない。そこで12人分作ってそのお金を探索する4人に集めちゃうわけですね。ただ12人しっかり作ろうとすると割としんどい。ちゃんと作るのはメインで使う6人くらいまでがいいと思います。

※お金がないと武器や道具が満足に揃えられない。名前や誕生日の元ネタは、おとり捜査官やとんねるずといったテレビネタを仕込んでみたり。怒られない程度に。
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また探索パートでは、全滅(死亡)するまでプレーしないようにしましょう。ダメだと思ったら切り上げること(リセットボタンを押す意味で)。バッドエンド後は、キャラクターやアイテム、所持金がなくなった状態がセーブされて再スタートなので注意が必要です。そんなのわかってる? はい、ただの体験談です。いやあ、キャラを作り直しての再プレーはキツかった。


それから3Dダンジョンの探索は雰囲気あって好きなのですが、オートマッピングではありません。1990年くらいになるとオートマッピングのゲームも多かったので、久々にうろたえました。多分RPGでマッピングするのは『XALXの紋章98』(フリーソフト)以来だと思います。

※今でもダウンロードできるので驚きました。

EGGの配信ではマニュアルと一緒に方眼紙(当時のおまけ)が入っています。これを使ってもよいですが、今は便利なマッピングツールがあるので用意しましょう。


それではいざ探索なのですが、これが難しい。いや、プレーが無理な難しさではなくて、腰を据えてやらないとダメですね。気軽に「〇〇まで話を進めたよん」と紹介できる作品ではなさそう。しかも序盤の敵キャラは割と明るいタッチで、普通のRPG風味。探索・謎解きも大事ですが、まずはいかにトラップや戦闘に対処するか、コツを掴むのが先決です。掴んでないとキャラのパラメータが惨憺たる有様です。ただの体験談2回目。

※ひとりでに演奏を始めるピアノ。こわーい。
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※動物から、ゾンビといった定番も普通に登場します。もちろん幽霊のような精神攻撃しか効かない敵もいます。
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そんなわけで涼しくなるというより、忘れかけていたあの頃のゲーム特有の不条理さやプレーに粘り強さが必要な点に、何だか熱く、そして気だるくなる作品でした。最初にくらった素っ気ないバッドエンド画面を最後に貼って、気を引き締めて遊んでいきたいです。クソッ。
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『マイト・アンド・マジック ダークサイドオブジーン』序盤から中盤位までの攻略とヒント  序

以前紹介した海外RPG『マイト・アンド・マジック』シリーズの『ダークサイドオブジーン』(DOS/V他PC-98、TOWNS)ですが、中盤までの簡単なゲームの流れに沿った攻略とヒントを書いていきたいと思います。

なぜそんなことを思い立ったか。それは私が序中盤で苦しめられたからです。特に序盤がひどかった。ここを粘り強くプレーすると本作の面白さにのめり込めるのに。そこで自分の備忘録も兼ねてというわけです。

もっとも『マイト・アンド・マジック』シリーズにはとても素晴らしい攻略サイト(検索すればすぐ見つかります)があるので、すでにそちらを参照している方も多いでしょう。でもね、誰もがやりこみ、攻略然としたプレーをしているわけではないでしょう? 「〇〇の地点から3歩進んだら右を向いて××の呪文を唱えて~」いやいや今はそういう遊び方じゃないんだ、と。


というわけで普通に遊ぶならこんなのでいいよ、みたいな軽い内容です。今回はごく序盤の方針をやって、不定期に続けたいなあ。
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パーティーの編成について

デフォルトの「戦士・騎士・レンジャー・盗賊・僧侶・魔法使い」で十分遊べます、以上。それではナンなので改めて。魔法が使える職業が多い方が良いです。最低4人、盗賊の技能を持つ職業は魔法が使えないので、5人使えると尚良し。特に回復系の僧侶魔法。本作は前作『クラウズオブジーン』よりも敵が強くて体力も多く、レベル上限も格段に高いのに、魔法の効力は前作まんまです。これがどういうことかというと、回復魔法は何回も唱えなければならないし、攻撃魔法は効きにくい。じゃあ優先するのはどちらかと言えば、私は回復の僧侶魔法を採ります。しかも本作では戦士が僧侶の魔法全て使えますから。

さらにさらに、僧侶と戦士は「質量の重み」という超使える攻撃魔法が唱えられるのです。敵のヒットポイントを唱える度に半分にしていく魔法。これを使わないと面倒な敵が序盤からウジャウジャいます(効かない敵もいます)。

※例えばこのゲームを遊んだ人なら憶えているであろう、コイツね。ほんともう。
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というわけで、前衛は戦士2名か、いっそ3名でもいいでしょう。レンジャーは魔法使いの「保険標識」、序盤から僧侶魔法の「毒の治療」「病気の治療」が使えるので、組み込んでも損はないです。序盤は毒攻撃・罠だらけですよ。後衛の盗賊か忍者は好みで。私は装備選択の幅が広い盗賊で。僧侶、魔法使いをどうするかですが、僧侶は前述の通り攻撃・回復両方に使えるので後ろまで戦士にしなくても大丈夫。魔法使いと射手は、物理攻撃重視なら射手でも良いでしょう。ただ冒険中に、魔法を唱えるスペルポイントが足りない! とならないように。

スタートの町は普通にプレイして大丈夫

特に前作から遊んでいる場合、スタートの町、キャッスルビューは(前作の感覚で)普通に遊んでも大丈夫です。「お、こんな感じなんだ」と楽しく遊べると思います。問題は町の外に出てからです。ただ、今後の方針としては下記を憶えておきましょう。

・「NPCとしゃべる前に不安ならセーブする」、本作ではNPCとの会話に選択肢があり、会話によっては戦闘になったり、逆に戦わずにアイテムをもらえたりします。攻略サイト首っ引きで遊ばないのならセーブしていろいろ試しましょう。時間がかかって面倒ですがね。

・「選択肢はフェアな精神で選ぶ」、前項に関連して、本作は「騎士道」や「善と悪」といった問題に絡める選択肢が多いです。前述の通りセーブしたうえで”フェア”な対応をすると、良いことが多いです。もちろん僅かながら例外もありますよ。

※エリンジャの塔に入るときの選択肢がまさにこれ。余談ですが彼の性的嗜好は爆笑。
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・「NPCは大事な話をした直後に再度話しかけてみる」、例えばクエストの依頼を受けてすぐに話しかけると攻略のヒントをくれたりします。クエストで往復する手間を省くためにも、必要な情報は漏れなく聞いておきましょう。私はこれを知らずに、クエストが行き詰って話しかけたらアッサリ解決、みたいなこともありました。

※酒場や広場にいるNPCも大事なことを話していることがあるので注意しておきましょう。
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・「後々まで達成できないクエストがある」これも前作から遊んでいると引っかかりやすいのですが、ゲームがある程度進まないと攻略できないクエストが割とあります。前作だと依頼主の近くにあるダンジョンや場所を探索して完了、みたいなクエストが多かったのですが、本作ではそうはいきません。他のクエストと関係している依頼も多いので、すぐに攻略できなくても諦めずにゲームを進めましょう。

※キャッスルビューはこれから何回も訪問することになります。
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・「ランダムアイテムは知性と防御力が上がるアイテムを重視」本作のアイテム取得はほぼランダムです。宝箱を開けても、敵を倒しても、何が出るかはお楽しみ。私などは良いアイテムが登場するたびにセーブしちゃいます。次出るとは限りませんから。そんな時に残しておきたいアイテムがこの2種。本作では、中盤で経験値を得るために知性アップが必要になります。そして防具以外で、防御力がアップするアクセサリーは大事にします。盾が装備できない職業のキャラクターの防御力を補うのです。

・「対岸や川の中から攻撃する・鍵つき扉を開閉して攻撃」私が度々紹介しているテクニックです。既に前作の記事で紹介しています。厄介な敵に対して、馬鹿正直に戦闘する必要はなし。本作の攻略を謳う記事なら、このテクニックには触れておかないと。ましてこのテクニックでゲームバランスが崩れるようなヤワなゲームでもないですから。


そんなこんなで町内を探索し、クエストを攻略・ゲットしてレベル上げが済んだらキャッスルビューから出てみましょう。ここからですよ。ではまたいつか。

『ベストプレープロ野球』と野球を考えること

今回は『ベストプレープロ野球』(Windows版)、ベスプレと野球にまつわる話です。初登場のPC・ファミコン時代から30年以上経とうとしているシリーズのPC版最新作です。最終作かもしれませんね。

野球"シミュレーションゲーム"という存在

野球ゲームというと、「自分が選手になったつもりで遊びたい」「ホームランを打ちたい」「完封したい」そんな欲求でついアクション要素を求めてしまいがちです。現実に贔屓にしているチームがいれば、俺が操作して優勝させてやる、そんな風に意気込んだりもするでしょう。

ですが、本作で行うのはチームの指揮。選手の起用を考え、試合の流れを読んで采配を振るうゲームです。球団運営要素もなし。野球中継を観戦しているときの「俺が監督ならこうする」を「じゃあやってみてください」というゲームです。特に野球観戦を趣味にしていて、野球関係の記事や書籍を読んで試合に思いを巡らす向きにはたまらないゲームではないでしょうか。

選手のパラメータは最低限。それでも試合画面で動く選手たちは生き生きとしていて、能力に応じた活躍をしてくれます。派手な演出はなくとも、実際に操作はできなくとも、選手の動きを追いかけてしまいます。

※'00なので、デフォルトデータは当時の選手が並ぶ。

※つい最近まで現役だった選手の名前も。


監督となったチームの試合は1球1球指示(コマンド)を出すことができます。全オートにして、シーズンをシミュレートみたいなこともWindows上ならサクサクできます。

※Win版なら1シーズンもあっと言う間に終わらせることも。

※COM同士の試合も同時進行といった、現実のような設定もできます。

このゲーム、パラメータや試合日程等、色々とエディットできるのも強み。一生モノ、なんて大げさな表現を使っても差し支えないでしょう。実際、Win版は今プレミアがついている様子。ちなみにWindows10の64bitでも問題なく動きます。とは言え配信か、新作出して欲しいなあ。ストライク・ボール表示も変わったしね。

あとはデータの入れ替えや試合消化のスピード面で劣りますが、CPUはGBA版の方が優秀です。こちらはまだプレミア度合が優しいかな。それでも定価からすると随分な値段になってしまいました。

ベストプレープロ野球

ベストプレープロ野球

  • エンターブレイン
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以前別の記事でも書きましたが、”あらゆる野球ゲームの中で、監督・コーチ・ファンの気分が一番味わえるプロ野球シミュレーションゲーム”というのは決して過言ではないと思っています。

野球を考えることの楽しさ

私がプロ野球を好んで観るようになったのは、1999年~2001年に阪神タイガースを野村克也・元監督が指揮したことがきっかけです。正直筋金入りの野球ファン、と言うにはおこがましいところです。

ヤクルトをあれだけ強くした監督が、「弱い」ことで有名だった阪神をどうするのか。ふとしたことから湧いた興味だったと思います。ただそれからというもの、阪神の試合はもちろん、他チームの中継や各種ニュース、書籍を日々ハシゴしました。まだまだインターネットの情報も今ほど豊富ではありませんでしたから。

そこで知った”ノムさん”の野球に関する話や文献は格別に面白かった。月見、じゃなかった、月並みですが「野球ってこんなに考えるんだなあ」と頷くものがありました。そうなると野球を観るのがまた楽しくなる。野球アクションゲームのような面白さも好きですが、それこそゲームでホームラン打って、0点に抑えても、役割をこなすだけでは何か物足りなくなる瞬間があるのです。後述する本の引用ですが、”野球も一球投げるごとに間がある。それは考えるための時間を与えてくれているのではないか、と思った”、これは選手にとっても、ファンにとっても野球の醍醐味ではないでしょうか。

私はビジネスと野球の話を安易に結びつけることには懐疑的なのですが、観察すること、工夫すること、そして人間の情という要素はやはり共通項だと実感することがあります。色々出版されてる中では、『無形の力 私の履歴書』(日本経済新聞社)が”名将・野村克也”の人生と考え方を知るに表現も過剰でなく、スタンダードだと思います。巷で話題になるエピソードも大体出てきます。

無形の力

無形の力

  • 作者:野村 克也
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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楽天の監督就任直前・直後までの内容なので、できれば楽天時代も含めた総決算の本を手に取りたかった。野球論の集大成を⋯いやそれは出さないか。そう書いてありました。その箇所を引用して、僭越ながら野球をこれからも楽しみたいと思います。

 「野村の考え」は永久に完成しないと思う。なぜなら野球は常に進化し、変化しているからである。
(『無形の力 私の履歴書』(日本経済新聞社))

『マイト・アンド・マジック ダークサイドオブジーン』という続編

海外RPG『マイト・アンド・マジック』シリーズから、今回は『ダークサイドオブジーン』(DOS/V他PC-98、TOWNS)の話です。今は『5』とナンバリングされています。以前紹介した『マイト・アンド・マジック3』、『クラウズオブジーン(4)』の3部作の最後です。『4』『5』は結局コンシューマーに移植されませんでした。


ストーリー・システムともに前作『4』を引き継いでいます。本作単体でも遊べますが、前作を遊んでおいたほうが楽しいと思います。ストーリーも明確に続いています。本作と前作を持っていると、2つの世界を合体させて『ワールドオブジーン』として遊べます。両作品の世界を行き来できるんですね。これに惹かれて当時買いました。PCならではの強みですね。

※システム周りは変わっていませんが、ちょっと洒落た演出がついたスタート画面。
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手強くなった続編

正月に前作をウキウキでクリアしてから臨んだのですが、ハッキリ言って難易度はグッと上がります。『3』ほどではないですが、前作の感覚で進めると確実に行き詰まります。これがいつものマイトアンドマジックに近い、というファンもいるでしょう。当時のゲーム・海外RPG特有の手強さと面倒さ満載です。

※前作のエンディング。コイツを倒しました。でも仲間がいたのね。
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スタート地点も前作~OPの続きで、NPCからアイテムを渡されるところからゲーム開始です。だけどキャラメイキングするには少し移動しなきゃいけないという。まあ、この初期パーティー(戦士・騎士・レンジャー・盗賊・僧侶・魔法使い)でも十分遊べるんですがね。
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『4』『5』では色々職業が選べる割に、騎士、野蛮人、ドルイド辺りは使い勝手が悪い気がします。盗賊の技能を持っている忍者や魔法使いの魔法が使える射手も正直微妙かな。特に装備が限定されるのが厳しい。普通に遊ぶのならオーソドックスなパーティーで問題ないでしょう。私は今作も「戦士・戦士・レンジャー・盗賊・僧侶・魔法使い」です。まあ、やりこみたければご自由に。

※ついでに変顔コレクション。本シリーズのこういうところが好き。
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実は今作では序盤でドルイド・レンジャーが習得する魔法の種類が前作『4』と微妙に違います。魔法使い、僧侶と意図的に変更されているみたいです。序盤から僧侶魔法の「毒の治療」「病気の治療」がこの職業だけ使えたりします(僧侶・戦士は序盤では”抑制”のみ)。特に中毒は頻度が高いので、レンジャーはパーティーに組み込んだ方がいいかもしれません。お、攻略サイトみたいですね。
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やっぱりマイトアンドマジックはおもしろい。 その面白さとは?

ここからは『5』の面白要素を軽く。ちなみに見出しは9821版他のパッケージ裏に書かれてあった宣伝文句です。私は同意しますが。


まずシリーズでは『3』以来の、町の地下にもダンジョンがあります。地下に仕掛けられたクエスト(イベント)も一筋縄ではいきません。

※外の世界は独特な配色で、雰囲気満点です。
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一筋縄でいかないといえば、クエストで「モンスターとの交渉」が増えたことでしょうか。前作では倒して住処を破壊して経験値を稼ぐだけの存在だったのに、今作ではモンスターと話し合いで争い事を解決できたり、仕事を依頼されたりします。

もちろん会話の選択肢を選ぶことで、敵対するもよし、和解してアイテムを貰うもよし。どれを選んでもOKなのがマイトアンドマジック、という印象です。でもゲームの進行が苦しくなっても知らないよ、と。

※なのでセーブしてから、お話しましょう。
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※あんまり可愛くない(これは失礼)、妖精さんからの救助依頼。これも受けても受けなくてもOK。
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モンスターは軒並み強いです。いかにもファンタジー世界、といったタイプから、画像のような動物タイプまで。後者の方が厄介だったりするんだなあ。アルマジロとかね。強そうじゃないでしょ? 甘いんだなあ。

そいつらのおかげで、序盤に能力アップできるポイントはちゃんとあるんですが、ここに辿り着くまでが一苦労。いや前作と違って、辿り着く前にうっかり全滅、こんな事態も少なくない。
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そして何より何より、本作は何をするにも金がかかる。体感としては、『3』に近くなったといえるでしょう。序盤は節約して、特に鉱山発掘クエストでしっかり稼いでおきましょう。そうしないと私みたいにやり直すことになります

※レベル上げがジリ貧になるともう最悪。
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※鉱山は採掘以外にも探索する価値アリ。
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そうそう、前作の記事で紹介した「対岸や川の中から攻撃する」、「鍵つき扉を開閉して攻撃」テクニックは有効です。ガンガン使いましょう。この世界で最も頑丈なのはなんだなあ。魔法も通さないからね。

※対岸・川、そして山の中から攻撃! まともに相手はしていられない。
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※開閉できる扉を見つけたら、ハイ攻撃。また閉めて⋯
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とまあそんな感じで、パーティーが全滅する度コイツに笑われながら、クリアを目指しています。おかげで正月が潰れました。クソッ。
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※『6』まで含むパックがGOGで売られているので(英語版)、気になったら是非是非。
www.gog.com

(2020/4追記)序盤のちょっとした攻略・ヒントも始めてみました:

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