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『ガールズ&パンツァー戦車&戦術解説書 萌えよ!戦車道学校』の感想他雑談

『最終章』次話の公開・発売情報も少し待ちくたびれた感のある『ガールズ&パンツァー』だが、ここらでガイドブックの紹介といこう。今年3月に発売された『ガールズ&パンツァー戦車&戦術解説書 萌えよ!戦車道学校』。ガルパンに飢えている感アリアリのチョイスだが、実際その通りなので仕方がない。

ガールズ&パンツァー戦車&戦術解説書 萌えよ! 戦車道学校

ガールズ&パンツァー戦車&戦術解説書 萌えよ! 戦車道学校

『最終章』の制作状況よりも先に『戦車道検定』の開催日程が発表された。練習問題が公開されているが、アニメ本編外の情報も必要とされるようなので、ここらでガルパンの知識を確認しておくのも楽しみ方のひとつだろう。もっとも、本編の話が進まない状況なのに、こうした情報・ネタ提供やイベントだけ手筈が良いのは正直良い気はしないが。
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『ガールズ&パンツァー戦車&戦術解説書 萌えよ!戦車道学校』の感想

第一講『戦車と戦車道の基礎知識』の内容は凄く良い。60ページの分量で、最初の数ページが戦車の紹介で「またか」という印象だったが、戦車の歴史、構造、戦術とわかりやすくまとまっている。特に戦車の構造は各箇所の名称と機能が示されており、こういう説明をアハトゥンク・ガールズ&パンツァー: ガールズ&パンツァー公式戦車ガイドブックでもやって欲しかったと思うくらい。ただ、歴史・事実の説明と「戦車道」における”創作”の境が不明瞭に感じる文脈があり、一瞬混乱する。見出し等でもう少し明確に「戦車道では」と改めて記載されていると尚良かったかもしれない。

第ニ講以降は大洗女子を始めとした各校の作戦・戦術紹介。大洗女子の紹介については、正直本編準拠という以上にこれは、という内容はない。特に大洗女子の状況打破については、文章で紹介するがゆえに、やや持ち上げすぎの印象があり、読んでいてクドいなと感じるかもしれない。本書の冒頭に記述内容は「『公式設定』を構成するものではない」とちゃんとことわってあるので、大洗女子の作戦・戦術はアニメ本編の記憶を大事にしておけば良さそうだ。

その他の学校の作戦・戦術紹介については、アニメ本編に登場していない学校・戦闘もあるので、前述のことわりよろしく、「こんな戦い方・特徴があるのかも」というスタンスで楽しむのが良いと思う。あまり入れ込み過ぎると、アニメ本編でそれらが登場した際に、本書の記載とアニメ本編の整合性について過剰にこだわってしまい、本丸であるはずのアニメ本編が楽しめなくなる場合があるからだ。

例えばアンツィオ高校の作戦と戦術で、対マジノ女学院戦を紹介しているが、アンツィオ戦OVAの内容ではなく、ムック『月刊戦車道』の記述に依っていたりする。戦いの内容は短めながらも大変興味深いが、著者のオリジナル要素が盛り込まれていることは念頭に置いておこう。個人的に『月刊戦車道』の設定紹介も一部”悪ノリ”している感があったので、それらが楽しめなかった向きには、読み飛ばしたくなる内容かもしれない。

戦車に注目した本としては、最近のガルパン本の中では趣向を凝らした本ではないかと思う。そうそう、女の子の絵に関しては、可もなく不可もなく。個人的には『戦車学校』シリーズ同様、私にはイマイチそそらない。無駄な露出が多い気がする。

最後に:戦車の戦い方とあわせて

本書でも度々紹介されているが、装甲の薄い箇所(弱点)を狙ったり、そのために至近距離で攻撃する描写は、特に『劇場版』で目立った。戦車のパワーバランスを考慮して、いかに「弱い戦車で強い戦車を倒すか」で苦心した結果なのだろう。実際、時代劇で並み居る敵をバッタバッタと斬っていくような絵面はアリだと思った。

しかし本書を読んだ後だと、やはり近接での戦闘とアウトレンジからの攻撃両方を作戦面でバランスよく見せて欲しい。どうも大洗女子(側)を活躍させるために、あるいは劇場映えさせるために映像のスピード感を重視・アピールしすぎている気がしてならない。端的に言うと、戦車が”軽く”みえるのだ。戦車の重量感とここぞというときの機動力、メリハリのある画が観たい。

そんなところで『最終章』の戦闘にも期待。まずは公開時期の発表か。

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