デジタルエンタテイメント断片情報誌

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落語を気軽に楽しんでみる

落語のブームは、定期的にやってきているように思う。近年だとドラマや漫画・アニメの影響も大きいのではないか。また、インターネットが普及した今、演芸場やホールで”生(ライブ)を体感できる娯楽”というのは、何だかんだでしぶとく生き残るものだと実感している。

落語を聴いて仕事や人間関係に役立つ、みたいな話はしない。そういうのは正直、眉唾ものだと思っているから。今回は、気軽な娯楽としての落語の楽しみ方を提案してみたい。お笑いの一種として、こんな楽しみ方、スタンスは如何。

落語に興味を持ったら

どんなきっかけでも結構

私はどの趣味の話でもことわっておくのだが、興味の端緒は何でもよい。ネット、テレビ・ラジオで聴いて興味を持った、学校の芸術鑑賞で面白かった、知り合いに誘われて⋯強制・強要されて楽しむものでもないだろう。

ちなみに私が落語に興味を持ったきっかけは、ある作家・芸能人が書いた古めのエッセイに、度々落語の話が出てきたのがきっかけである。「落語の○○みたいな話で~」などと書かれても、落語を知らないと例えがわからないのだ。それで落語や噺(はなし)について調べていくうちに、というわけだ。

実際に落語を聴いてみる

ネット、TV・ラジオ、DVD、CDで聴いてみる

落語を聴くのは簡単だ。身の回りを探せばいくらでも手段があるかと思う。映像でも、音声のみでも構わない。そこで聴いてみて、何だかつまらないなと感じたら、興味としては一旦そこまでで良いだろう。前述の通り、強制されて楽しむものでもないし、一度つまらないと思って二度と聴かない、と意地を張るものでもない。面白いと思ったら、ようこそ落語の世界へ、というわけだ。

そうそう、ネットと言えば、私が別の記事で度々紹介している音楽配信サービスのSpotifyでも無料から落語が聴ける。

生の落語を聴きに行ってみる

落語を聴きに行くのは、気楽に考えてよい。映画を映画館で観るか、自宅で観るかの違いのようなものと考えて差し支えない。もちろん、他の客と一緒の空間で生まれる”楽しい空気”は味わっておいて損はない。また、そういう空気の中で、初めて落語が面白いと感じることがあるかもしれない。その意味で、多少の出費で聴きに行くのは有意義かと思う。

寄席・ホール落語どちらで楽しんでも構わないが⋯

落語を聴きに行く話になると、まず「寄席に行こう」という話が出てくることが多いが(※寄席⋯ここでは主に落語を中心とした興行場所)、初めから寄席に行くのは、実はあまりオススメしない。行ってもよいが、落語が好きになってから、目当て・贔屓の噺家(はなしか。落語家のこと)を見つけてからでよいように思う。個人的な体験にも依るが、理由は3つあって、

・寄席は出演者によって、好き嫌い・アタリハズレがあり、3~4時間拘束されるのが苦痛に感じることがある。(※途中で退席できるが、それも何だか恥ずかしい)


・出演者の持ち時間によって、噺(はなし)が途中で終わりになることもあり、思ったより落語が楽しめないときもある。


・現在、特に都内の寄席は落語ブームの影響で、並ばないと席が取れないことも多く、聴きに行くだけで疲弊する場合がある。

私も寄席の雰囲気は好きなのだが、これから落語を聴いてみる、という御仁にはこれらの点に注意していただきたい。

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これらを踏まえ、私がまずオススメしたいのは、ホール落語。市民会館やコンサートホール、芝居の演劇場等で開かれる落語会だ。それも二人会、三人会といった複数の噺家が出演する会を選んでみよう。これなら全国で開催されているかと思う。

ホール落語の利点として、こういった落語会に呼ばれている噺家は、ハズレが少ない。主催者側がお客を見込んでいるからだ。また、普段落語を聴かない客も意識してか、分かりやすく面白い噺をすることが多い。これで目ぼしい噺家を見つけるのだ。それから、寄席に行ったり、あるいは気に入った噺家の独演会(一人会)を聴いてみるのだ。

ちなみに落語の噺には種類があって、ただ笑わせる噺から、泣かせるような噺もある。ホール落語は演目が決まっていることも多いので、事前に噺の内容を軽く調べるのもアリだ。※噺のサゲ(オチ)まで調べると興ざめすることもあるので注意。

ホール落語や独演会は、チケットぴあe+(イープラス)チケット予約・購入・販売情報サイトで予約が取れるのも便利だ。漠然と落語が聴いてみたいという向きには、「どの噺家を聴きに行ったら良いのかわからない」ということがあるだろう。そんなときは、これらのサイトで検索してヒットした噺家・落語会から攻めてみるのはどうだろうか。人気の噺家は都内・全国問わず、チケットが売り切れのことも多い。逆にその販売状況で目ぼしをつけるのだ。あとは自身のスケジュールと相談して、購入できそうな会を選ぶ。

以上私のオススメを書いたが、状況に応じて適宜選択してもらいたい。冒頭で少し書いた、知り合いの誘い等も良い機会だと思う。

落語をちょっと文献で知りたい・調べたい

落語を聴いてみて、噺のことを調べたくなったら、この辺りの本をどうぞ。

まずは噺のあらすじやサゲ(オチ)、成立や噺にまつわるエピソードまで載っていて便利な本。

新版・落語手帖

新版・落語手帖

  • 作者:矢野 誠一
  • 発売日: 2009/11/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

本当に辞書的な内容しか載ってない噺も多いが、珍しいものまで載っていて貴重な辞典。

落語事典

落語事典

  • 発売日: 1969/04/01
  • メディア: 単行本

まとめに

落語を聴きに行くのは、そんなに肩肘張らなくて良いと思う。伝統芸能云々よりも、今に伝わるお笑いは、どう楽しいのか、逆にどう自分には合わないのか、実感できれば十分だ。
それに、こういう記事では自分の好きな噺家を並べたりすることが多いようだが、敢えてそれはやらなかった。ぜひ落語に興味を持って、各自で贔屓を見つけてほしいからだ。その一助になれば幸いである。

噺家や落語にまつわる記事は、また追々。

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