プロの演奏団体による芥川也寸志作品の録音は、演奏会での演奏頻度や知名度を考えると、どういうわけか少ない気がする。生前の活動の影響からなのか、商売として厳しいのか、とにかく新譜の話を聞かない。とりわけ新交響楽団が残した演奏が聴けるのは本当に有り難く、感謝してもしきれない位だが、それにしてもあんまりではなかろうか。
キングレコードの『芥川也寸志の芸術』シリーズは大いに期待していたのだが、『2』以降が発売されない(シリーズ化する予定だったのか、「1」とナンバリングしてある)。主要な管弦楽作品がまだ残っているというのに・・・。最近SACD化されたが、それよりもシリーズの存続を希望したいなー。
- アーティスト: 日本フィルハーモニー交響楽団本名徹次,芥川也寸志,本名徹次,日本フィルハーモニー交響楽団
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2013/03/13
- メディア: CD
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辛うじて東芝EMIのGRJシリーズの一部が最近復刻されて聴けるようになったが、もう50年以上前の演奏・録音である。入手しやすい『交響曲第1番』のプロオーケストラによる演奏(東京交響楽団)は、これだけなのが悲しい。全体的に、演奏・録音・楽器の状態等々、やはり色々厳しいなと思う部分も多い。
- アーティスト: 芥川也寸志
- 出版社/メーカー: (unknown)
- 発売日: 2013/06/19
- メディア: CD
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まあそれでも、『交響三章』で現れる音楽の表情はハッとさせる所が多く、特に終楽章は、快活なメロディにのせて、切なさが募る名演奏だと思っている。『トリプティーク』のキレ、迫力も最高。『交響管弦楽のための音楽』が復刻されていなくて本当に惜しい。『トリプティーク』と『交響管弦楽〜』は共に指揮:森正で、どちらも必聴の演奏なのですよ。
『交響管弦楽のための音楽』は指揮:若杉弘・NHK交響楽団の演奏が残っていて、これがまた素晴らしい。若杉弘が指揮する日本人作曲家の作品は良い演奏が多い。もっと録音を残して欲しかったし、演奏を聴いておけば良かったとつくづく思う。都響でブラームスのピアノ四重奏曲(シェーンベルク編)メインの演奏会を聴いたのが最後だったか。あれは面白いプログラムだった。
- アーティスト: NHK交響楽団,芥川也寸志,近衛秀麿,早坂文雄,黛敏郎,若杉弘,外山雄三,岩城宏之
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 1990/01/21
- メディア: CD
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