デジタルエンタテイメント断片情報誌

デジタルな話題もそうでない話題も疎らに投稿

2014年に聴いた音楽

そういえば最近音楽のことを書いていない気がしたので(別に音楽にも限らないが‥)、ここらで今年聴いた音楽雑感をやっておこう。
・まずは年の瀬にちなんで、交響曲が第9番まである作曲家。アレクサンデル・タンスマンの交響曲全集がCHANDOSで既に進行していて、VoL.1〜3まで買っていたのだが、今年になるまで聴いていなかった(もうVOL.4も出ています)。私はフランス6人組の中で、とりわけプーランクやミヨーが好きなのだが、そういう人にはオススメしたい。CHANDOSの全集でいうと、VOL.3収録の交響曲第3番なんて取っ付き易いのではなかろうか。前述の6人組による新古典主義音楽や、イベールのような洒落た作風を想い起こす作品です。
じゃあ一気に飛んで、第9番はどうか。これはちょっと1、2回聴いただけではピンとこないかもしれない。オーケストラがリズムを織り成しているかと思えば、暗影を帯びた曲想が入ったりするのだ。それでもってラストは、結構唐突な感じで明るく締めているという‥。ただ、この不思議な感じは、聴き応えはあるかと思います。
貴重な録音が良い状態で収録されている(VOL.1〜3はSACDハイブリッド)ので、他のナンバーも聴いてみてくだせぇ。

Symphonies 1

Symphonies 1

  • アーティスト: Alexandre Tansman,Oleg Caetani,Melbourne Symphony Orchestra,Melbourne Chorale
  • 出版社/メーカー: Chandos
  • 発売日: 2006/04/18
  • メディア: CD
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Symphony 9 (Hybr)

Symphony 9 (Hybr)

Symphonies 3 (Hybr)

Symphonies 3 (Hybr)


・そのタンスマンと文通していた、今年とりわけたくさん出た伊福部昭作品の新譜から、「神楽歌と伊福部昭藍川由美)」(カメラータ・トウキョウ:CMBK-30003)の話を。これは収録曲も解説も大変興味深い。生誕百年、当たりの1枚です。

神楽歌と伊福部 昭 ~いまヴェールをぬぐ伊福部昭の音楽

神楽歌と伊福部 昭 ~いまヴェールをぬぐ伊福部昭の音楽

神楽歌ってご存じですか。いや別に知らなくてもいいです。収録曲の『聖なる泉』に惹かれてでも何でもいいので、興味が出たらぜひこのCD冊子を手にとって欲しい。あえて詳細は書きませんが、伊福部作品と日本の音楽世界のつながりを改めて実感するし、何より藍川本人の歌唱はもちろんのこと、研究に恐れ入る。これはもう自戒も込めて書きますが、やれ純音楽だ特撮映画音楽だ、何て言ってる場合じゃないです。伊福部作品を含めて、まだまだ世にある音楽を知りたくなる。そんな内容です。


もう1枚。「伊福部昭管弦楽」(フォンテック:FOCD9638/9)。岩城宏之指揮・東京都交響楽団の演奏(1990年)収録、ということで興味があったのだが、実はちょっと不安もあった。ちょうど同時期に若杉弘マーラーを同オケでライブ録音しているのだが、オケの状態があまり良くない演奏も多々あったのだ。まあ要はオケがガタガタだったらどうしよう、てな感じだったわけです。

伊福部昭の管絃楽 Orchestral works by Akira Ifukube

伊福部昭の管絃楽 Orchestral works by Akira Ifukube

ところがところが、これがオケの状態も良く、演奏も良い。『日本狂詩曲』の「夜曲」(このアルバムでは"夜想曲")は他にない色目を感じるし、「祭」(このアルバムでは"祭り")のテンポも程々かつ盛り上げ上手で、自分好み。『日本狂詩曲』は生誕百年になって、テンポの話題が再燃しているが、私はこのCDに収録されている演奏位のテンポが一番好きなのです*1
サロメ』はオーケストラの演奏が上手いのがより印象的。このCDを聴くと、演奏会初演の山田一雄指揮・新星日本交響楽団の演奏の方は管楽器が特に安定しておらず、やはり疵が目立つな、と感じる。表現はとても好きなだけに、聴く度に惜しいと思う*2。それにしても、フォンテックも生誕百年と言わずに、もっと早く発売してくれれば良いのに、いけずぅ。


生誕百年記念にたて続けに発売された、キングレコードの「伊福部昭の芸術10〜12」については簡単に。本人監修といった、当初の発表方針がもうできないシリーズ*3ではあるが、「芸術10」(KICC1153)の『音詩「寒帯林」』が引き締まった演奏で、格調高い響きが良い。

今回発売の同シリーズに2種類の演奏が収録されているが、タプカーラって、やっぱり演奏が難しいのね。ここにきて「芸術2」のセッション録音がものすごく重要な意味を持ってきた感がある。あの独特なリズムと、芥川也寸志の書いていた「ひとつひとつの音が、鋭く空間を削りとっていくよう」な世界を両立した演奏になかなかお目にかかれない。今年聴いた中では、山岡重信指揮東京フィルの放送音源がCD化されないかな、なんて思った。

他にも色々あるが今年は一旦ここまで。ほかはまた追々。

*1:もちろん山田一雄・新星日響(フォンテック)の演奏だって、無性に聴きたくなるときはありますぜ。

*2:余談ですが、山田一雄・新星日響の演奏では、ポニーキャニオンから発売されていた『展覧会の絵』『ガイーヌ』もその辺りが気になるんだな・・。

*3:『リトミカ・オスティナータ』のセッション録音を期待していたのだが、作曲者の生前から、結局やらなかったですねえ。

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